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2016/9/26 12:45

海外旅行客が爆買いする「サラサクリップ」の魅力ーー新色と高級ラインの追加で国内最多のラインナップに

厚みのあるボードや分厚い作業着のポケットにも挟みやすいバインダークリップと、サラッとした感触の書き味でファンが多いゼブラの「サラサクリップ」に、待望の高級軸と新色が登場した。

 

発売からすでに13年が経つサラサをいまさら説明することでもないが、書き出しから滲みやカスレも少なく、とにかく筆記の安定感がすごい。低価格帯のいわゆる「100円ボールペン」の中でもクオリティが高いことで知られている。安くて高品質かつ、色数ラインナップの豊富なジャパニーズ・ステーショナリーの代表格として、海外からの旅行客が20本30本とお土産に爆買いしていくボールペンでもある。

 

今回の新色はパッと目立つ華やかなネオンカラー5色と、地味にシブい落ち着いたビンテージカラー5色の合わせて10色。なんと、この追加10色でサラサクリップのラインナップは、ノック式ジェルボールペンで国内最多の46色になった。

 

で、実際に使ってみると、この新色がどちらのタイプも非常に良いのだ。

 

蛍光マーカーがわりにも使える「ネオンカラー」

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ゼブラ

サラサクリップ ネオンカラー

各108円

ネオンカラーは、いわゆる蛍光カラーインクのボールペン。ゼブラはエマルジョンインクの「スラリ」でも蛍光ボールペンを発売しているが、色のパキッとした明るさは圧倒的に水性顔料インクであるサラサの方が強い。

 

↑ネオンカラーシリーズは、ネオンピンク、ネオンパープル、ネオンイエロー、ネオングリーン、ネオンオレンジの5色
↑ネオンカラーシリーズは、ネオンピンク、ネオンパープル、ネオンイエロー、ネオングリーン、ネオンオレンジの5色

 

特にネオンピンクとネオンオレンジの2色は、くっきりと目に痛いほどの明るさで、とにかくどこに使っても目立つ。

↑手帳にところどころ使うだけで目立ちが強い
↑手帳にところどころ使うだけで目立ちが強い

 

蛍光カラーということで、主な用途は文字にアンダーラインを引いたり、色文字に使って目立たせるといったマークアップ作業になるだろう。当然、蛍光マーカーよりも細いため、手帳など細かい文字が書かれている紙面でのアンダーライン引きには非常に使いやすい。

 

「黒」がわりに使える個性派シブ色「ビンテージカラー」

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ゼブラ

サラサクリップ ビンテージカラー

各108円

対して「ビンテージカラー」は、落ち着いた色調のダークなカラーインク。こちらも、ゼブラは以前に「ハイパージェル」というボールペンで、アンティークカラーというシブ色のラインナップを展開していた(残念ながら廃盤)。サラサのビンテージカラーは、その待望の復刻版と言えるかもしれない。

 

↑ビンテージカラーシリーズは、ブラウングレー、ブルーグレー、ダークブルー、グリーンブラック、レッドブラックの5色
↑ビンテージカラーシリーズは、ブラウングレー、ブルーグレー、ダークブルー、グリーンブラック、レッドブラックの5色

 

このビンテージカラーのオススメの使い方は、黒の代わりとしてのメイン筆記具だ。ビジネスの場での筆記といえば、どうしても黒インクを選択しがちだろう。ちょっと気分を変えて別のインク色を使ってみたいな……と思っても、緑だの青だのピンクだのでは社会人としてちょっとハジけすぎてる感もあるし、明るすぎて目も疲れる。

 

↑地味に渋い色で、どう使っても落ち着きがある
↑地味に渋い色で、どう使っても落ち着きがある

 

となると、万年筆のインクにもあるダークブルー(ブルーブラック)やグリーンブラックといった暗色系は、大人にとって非常に使いやすい。ハジけすぎず、黒に近い読みやすさで、それでいてオリジナリティも出せる。手帳などに多色で書き込んでもチャラチャラした感じにならず、とてもシックな雰囲気だ。

 

ちなみにサラサクリップは、透明軸にインク色のクリップ・ゴムグリップ・ノックボタンが基本なのだが、シリーズ中でビンテージカラーのみ全体的にインク色の軸で、クリップだけ白に製品ネーム箔押し、という造り。インク色だけでなく、見た目もシック。おかげでお馴染みのサラサよりは、ずっとビジネスの場で使いやすくなっている。

 

高級版の大人サラサが登場「サラサグランド」

それでも所詮は100円ボールペン。「ビジネスの場で使いやすい」とは言ったものの、どうしてもプラスチック軸の安っぽさは拭えない。しかし、新色ラインナップと同時にサラサのハイクオリティ版も登場した。

 

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ゼブラ

サラサグランド

1080円

なんと、通常のサラサクリップに対してお値段10倍という超高級品である(それでも1000円なんだけども)。軸もクリップもフルメタル。堅牢さを感じさせる居住まいは、とても1000円のペンとは思えない高級感あるペンだ。

 

↑グリップのモールドなどに従来通りの「サラサっぽさ」が感じられるデザイン
↑グリップのモールドなどに従来通りの「サラサっぽさ」が感じられるデザイン

 

軸径は通常版の約11㎜Φに対して約10㎜Φとすっきりシャープ。そのせいか、実際に握ったときには、見た目以上にずっしりとした重量感が得られる。

↑ノックボタンがカチッと戻ってくるだけでも、高級感が感じられる
↑ノックボタンがカチッと戻ってくるだけでも、高級感が感じられる

 

デザイン的に従来のサラサをきちんと踏まえつつ、でも「高級サラサ」になっているのもポイントである。例えば、100円サラサはノックボタンを押したらボタンが軸に入りっぱなしになるのだが、グランドはきちんとバネでボタンが戻る。こういう細かい部分のグレードアップは、ずっと通常版を使い続けている旧来のサラサファンにはグッとくるはずだ。

 ↑オススメなのは、ビンテージカラーリフィルを入れての高級シブ色サラサ化
↑オススメなのは、ビンテージカラーリフィルを入れての高級シブ色サラサ化

 

価格対高級感の良さも嬉しいが、何より嬉しいのは通常のサラサのリフィルがそのまま入ること。つまり、最初に入っている黒リフィルを抜いて、自分が普段から愛用しているカラーリフィルをそのまま移植できるのだ。例えば、ビンテージカラーのリフィルを使えば、外見もインク色もシックで高級感あふれる大人サラサが完成するという仕組みだ。