ヒトを含む多くの生物は、頭身が低い・目が大きい・手足が短いなど、赤ちゃんによく見られる特徴(ベビースキーマ)を持つものを、本能的に「きゃわいい~!」と感じ、守ろうとする習性を持っているそうだ。
これは、動物行動学者のコンラート・ローレンツが唱えた説で、つまり自分より弱いものを保護して養えば子孫が生き残る率が高まる、ということ。「かわいい」の概念が本能に根ざしたものであり、種の生存戦略に関わっているというのは、なかなか面白い話である。
だから、例えば「かわいい小物や文房具を見つけたら、ついつい買っちゃう」というのも、実は生物の本能的なアレであって、それはまぁ仕方ないよね、という話なのだ。特にかわいい“文房具の赤ちゃん”なんかがいたら、そりゃ庇護欲をかき立てられずにおれようか。だって超きゃわいいのだから。
ミニサイズのキングファイル、かわいすぎ!
文房具の赤ちゃんとはなんぞや? と怪しまれる方もいるだろうが、2022年6月10日にキングジムから数量限定で発売される「キングミニ」シリーズが、それだ。
事務用品のザ・定番である「キングファイル」「保存ボックス」をミニチュア化したもので、これはもうどうみたって、キングジム製品の赤ちゃんなのである。きゃわいい!
と言っても、ただのミニチュアならここで紹介するほどのものでもない。それぞれきちんと機能を持った文房具として作られているというのが、大きなポイントなのだ。
まず、最も“赤ちゃん感”が高いのが「キングファイルクリップ」。板バネ状のクリップを本体に押し込むことで紙束を固定するクリップで、Lサイズはコピー用紙90枚、Mサイズは60枚まで綴じることができる。
親のキングファイルと比べると、目(スクエアマーク)が本体に対して大きく、ぽっちゃりとして背が低い。これは完全なベビースキーマだ。
キングジム
キングミニ
キングファイルクリップ 4個セット
Mサイズ 500円/Lサイズ 680円(ともに税別)
“親”が書類を綴じて保存するファイルなのに対して、“赤ちゃん”はスライドクリップというのも、またかわいい。書類にきゅっとだきついて綴じる様子は、いかにも頑張って親の真似をしているよう。見ているこちらも、庇護欲かき立てられまくり。
機能として何か新しさがあるわけではないが、機能とビジュアルのマッチングが良すぎなのである。
ちょっと育った付箋は、いたって実用的
「キングファイルふせん」は、サイズこそ小さいものの比率はもう、ほぼ親と同じ。スライドクリップよりもお兄ちゃん(お姉ちゃん)だな、という印象である。
キングジム
キングミニ
キングファイルふせん各500円(税別)
ちなみに中身の付箋は、書類の端に貼ってインデックスが作れる「インデックスタイプ」と、ファイル背見出しがモチーフの「背見出しタイプ」の2種類がラインナップ。いわゆるカバー台紙付きの付箋ということで、見た目の面白さは少し薄いが、実用性に関しては間違いないやつだ。
ちなみに「背見出しタイプ」はもちろん普通の付箋として貼ってもかわいいが、ルーズリーフバインダーなどの背に貼って、一時的なラベリングにするのも楽しそうだ。白地に例のスクエアマークがあるだけで「キングファイルっぽい」と思ってしまうあたり、やはりアイコンとしての強さと言えるだろう。
机上の小物収納に、意外と便利な保存ボックス
ファイルをまるっと収納しておける保存ボックスは、小型化して「ミニ保存ボックス」になっている。キングファイルほど普段から目立っている製品ではないが、見れば「あー、そういえば会社で資料箱として使ってるわ」と思い出す方も多いのではないか。
キングジム
キングミニ
ミニ保存ボックス
各360円(税別)
サイズは名刺がスッと入るぐらいで、机の上にあるちょっとした小物やお菓子類を放り込んでおくのに良さげ。そういった散らばりがちなものがまとめて片付くと、机がすっきり見えるし、なにより机に小さいダンボール箱が積まれてる、というビジュアルがグッとくるのだ。
ちなみに素材は0.9mm厚ながら、きちんと中に波板の入ったダンボールなので、それなりに頑丈である。
ちなみにこの「キングミニ」シリーズ、あらためてお伝えしておくが、数量限定販売だ。
店頭でもし見つけることがあったら、即座に庇護してあげてほしい。それが生物としての本能なので、見つけた瞬間に「きゃわいい~」なんて声が出ちゃったとしても、なんら恥ずかしいことではないし。