文房具
2023/8/16 20:45

どこまで切れる? 「フィットカットカーブ」のキッチンバサミは料理以外でも便利な万能ハサミだった

一般的に “紙を切る用のハサミ” にとって最も重要なのは、やはり切れ味だろう。高品質な紙用ハサミであれば、コピー用紙程度なら抵抗なくスーッと切れてしまう。しかし、刃が鋭い=繊細でもあるため、紙より硬いものを切ると簡単に刃が鈍ってしまう。一方で工具系のハサミは、プラ板やDVDなどもザクッと切り落とすことができるのだが、対して布やフィルムなどコシのない柔らかなものを切るには不向きとなっている。

↑ハサミ好きな筆者宅で使われているハサミ群。紙用・ダンボール用・フィルム用・プラ板用など専用化されている

 

つまりハサミは切る対象によって専用化すべきツールなのだが、マニアでもない限り、そう何本もハサミを手元に置いておくのは無駄だと感じる人も多いだろう。そこでオススメしたいのが、紙でもフィルムでも程よく切断できる切れ味と、プラ板をバッサリ切って刃が鈍らない頑丈さを併せ持つ、汎用性の高いハサミを1本持っておくこと。とはいえ、筆者イチオシの高汎用性ハサミは、文房具店ではちょっと探しにくいかもしれない。なぜなら、ジャンルとしては “キッチンハサミ” に類する製品だから。

 

なんでも切れて頑丈、しかも洗える万能ハサミ

プラス「フィットカットカーブ 洗えるチタン」(以下、洗えるチタンハサミ)は、今やハサミ界の大定番である「フィットカットカーブ」シリーズの、キッチン用ラインナップだ。刃はステンレス鋼にチタンコーティングを施したもので、もちろんお馴染みのベルヌーイカーブ刃(ベルヌーイ螺旋の数式をカーブに応用した刃で、刃の根元から先端まで同じ力で切りやすい)となっている。

プラス
フィットカットカーブ 洗えるチタン
1050円(税別)
5色展開

 

キッチンでは、フニャフニャの食品パック用フィルム、硬くて分厚い牛乳パック、弾力のある鶏むね肉、パキッと砕けやすいキュウリなど、あらゆるものを切らなければならない。つまりキッチンバサミというのは、非常に高い汎用性が求められるのだ。逆に言えば、キッチンバサミを日常用に転用すると、だいたいのものが気持ちよくサクサクと切れてしまう、というわけ。

↑ツルツル滑って切りづらいプラタグも、ギザ刃が噛むおかげで安定して切れる

 

「洗えるチタンハサミ」は片刃がマイクロセレーション刃(細かなギザ刃)になっているため、新品の靴下をつなぐプラタグや梱包用PPバンドなどの刃滑りしやすい素材でも、がっちり噛んで切ることができる。さらに緩衝材のプチプチシートのようなコシのない素材でも、刃と刃の隙間にフニャと落ち込んで切り損なってしまうということを減らせる。こういった “切り損ないの出ない安定性” こそが、このハサミ最大の魅力といえるだろう。

↑分厚い刃は力を込めて切れるので、ブリスターを大雑把に開封するにも最適!

 

刃厚も約2.5mmと分厚いので、力を入れてグイグイと切るのにも適している。例えば、雑貨やオモチャのブリスターパックも、透明のPETと下の厚紙台紙をまとめてザクッ! とカットできるので、苦労せずに開封が可能だ。この切れ味を一度体感すれば「信用できる……!」という気持ちになるはずだ。

↑コシが無くて切りづらいプチプチシートも、安定してサクサク切ることができる

 

キッチンハサミがだいたい全長200mm前後と大ぶりなのに対して、文具ハサミに近い約175mmというコンパクトさも、使いやすいポイントのひとつ。これなら取り回しもラクだし、気軽に手に取りやすい。ペンスタンドに立てて置いてもさほど主張は強くならないと思う。

 

もうひとつ、製品名通り「洗える」のも、万能ハサミとしてありがたい。あれこれ切っていると、油汚れや粘着材のようなものが刃に残ることもあるため、中性洗剤でゴシゴシ洗えるウォッシャブル仕様は実にありがたいのだ。もちろん刃物なので、洗う際は怪我しないように注意するようにしたい。

↑汚れたら洗剤をつけてゴシゴシ洗えるのが便利。もちろん食洗機にも対応している

 

調理用ハサミもフィットカットカーブがオススメ

キッチン用フィットカットカーブを汎用ハサミとして使っている筆者だが、じゃあキッチンの調理用ハサミは何を使っているのか? そりゃもちろん、キッチン用フィットカットカーブである。(どれだけフィットカットカーブ好きなんだ)

プラス
フィットカットカーブ 多機能料理はさみ
2700円(税別)
3色展開

 

こちらは2022年秋に発売されたばかりの「フィットカットカーブ 多機能料理はさみ」(以下、多機能調理ハサミ)という製品だ。先述の「洗えるチタンハサミ」よりも、調理用途に能力値を強く割り振ったタイプといえる。

↑サイズは調理用ハサミとしては標準。ハンドルはソフトなエラストマー製(ゴム弾性をもつ素材・材料のこと)で、濡れた手でも握りやすい

 

↑調理ハサミとしては切れ味も良好。ネギも潰さずに切ることができる

 

食材をザクザクと切るには刃渡りがある程度欲しいので、調理に使うハサミとしてはこれぐらいのサイズ感(全長約200mm・刃渡り約80mm)が適正だろう。ハンドルもしっかりと大きく、ゴム手袋をはめたままでも安定して操作できるようになっている。

↑一定の角度で開いたときのみ分解できる設計なので、落とした衝撃でバラけるような危険性は無い

 

↑調理ハサミは洗浄の機会も多いので、食洗機対応なのは嬉しい

 

刃が左右分離できるのもポイントで、汚れを洗ったり、食洗機に入れたりするにはこれがとても便利だ。他にも分離できる調理ハサミは多くあるが、「多機能調理ハサミ」はこの分離を司るカシメ周りのリングが非常に優秀。分離は簡単だが、通常の作業時にはまったくガタつかない安全仕様なのだ。

↑置いたときに刃先が浮いて接地しない設計で、衛生面も万全

 

刃の中央に空いたスリットは、皮剥き用のピーラーに。ハンドルには栓抜きと、固いビンのふたなどを開栓するふた回しが付属している。この辺りは正直「使うことある?」という気もするが、オマケとしてついていてくれる分にはまぁいいかな、というところ。

↑刃の内側はピーラーに。ただし残念なことに、この使い勝手はさほど良くない……

 

一人暮らしを新たに始めた! という人にとって、使用頻度の高い汎用ハサミと調理ハサミは、選び方次第でQOLが地味に大きく変わってくるはず。ということで、新しいハサミ購入時には、ぜひ本記事を参考にして、良いモノを選んでいただきたい。