ビジネスシーンにおいて手書きをする機会は、いまだにゼロにはなっていないはずだ。例えば、スケジュールの変更を一時的に書き留めたり、思いついたアイデアを説明するのにポンチ絵を描いたり。これらの用途にPCやスマホ、タブレットなどのデジタル端末は意外と使いづらく、シンプルに紙とペンの組み合わせが便利なのである。
小さなメモパッドや手帳も良いが、適度なサイズのノートが手元にあればより使いやすいだろう。この場合、ペンはどのように携行すべきだろうか? 文房具に詳しい人なら「ペンホルダー付きのノートカバーを装着する」といった解決策も出るだろう。でも、「とりあえず、ペンのクリップをノートの表紙に差し挟むだけ」など、あまりスマートじゃない手段を選んでしまう人も多いのではないだろうか。
ペンをクルッと巻いて持ち歩けるノート
日頃からペンケースを携帯していれば、「ペンをどう持ち歩くか?」という悩みもないだろう。しかし多くの社会人のカバンには、今さら新たにペンケースを詰め込むような隙間は存在しない。そもそも、メモをするだけならノートにペンを1本つけておくだけで十分なのだ。そこで使ってみて欲しいのが、ペンをセットにする機能の付いたノートである。
コクヨ
Penott(ペノット)
スリムA5 680円/スリムB6 630円(税別)
3色展開
コクヨの「Penott(ペノット)」は、ほんのちょっとした工夫で、ペンをセットにして携帯しやすくしたノートだ。仕組みは簡単で、表紙を固定しておくためのゴムバンドでペンを巻き込むように取り付けておく、というもの。まず、ノートの小口にペンを乗せてセット。次に、ゴムを裏表紙側から巻き付け、表紙の切り欠きに挟み込む。これでホールド完了だ。
ゴムを挟むときは、切り欠き先端のちょっと浮いた部分にゴムを押さえた指ごとすべり込ませるのがコツ。使う前に一度、切り欠きの先端を折り線沿いに軽く折っておくと使いやすい。一度挟み込んでしまえば、ペンがポロ落ちする心配はほぼゼロ。かつ、ペンホルダー(ペンループ)のように「ペンが太すぎて入らない」といったことがないので、好きなペンを自由にセットして使えるのもメリットのひとつである。
ノートとしての性能ももちろん超優秀
さて、このようにペンをセットで携帯できる機能はもちろん便利なのだが、その代わりにノートとしての性能がイマイチ……というのでは困ったことになる。その点「Penott」は、もともとベースとなっているのがコクヨの定番「ソフトリングノート」なので安心だ。リングもぷにぷにの樹脂リングで、手が乗っても痛くない。ノートとしての使いやすさはお墨付きと言えるだろう。
サイズはA5・B6ともに幅が約20mmの短いスリム版なので、手持ちで携帯しやすい。特にスリムB6は程よいコンパクトさで、大きめハンドメモとしても運用できそうだ。また、裏表紙はソフトリングノートシリーズ最厚とのことで、テーブルのないところなどで手持ち書きをしても安定感がある。
あえて気になる部分を挙げるとしたら、ゴムバンドを裏表紙に留めるための金具の厚みがわずかに主張してくるところ。右ページ右端側にわずかに凹凸が出てしまい、ノートの終盤には若干の書きづらさを感じた。とはいえ、裏表紙と中紙の間に厚紙が一枚挟まれており、これがクッションとして機能するため、文字がガタつくほどではないのだが。少しの凹凸でも気になるタイプの方は、購入前に実物を触って確認してみたほうがいいだろう。
ただ、どんなペンでもスパッと合わせて携帯できる機能は、従来のノートにはない大きなポイント。そもそもノートとしての性能が端的に高いので、ペンがセットにできるというオマケがかなりお得! という感じだ。特に仕事で “頻繁にメモなどの書き物が発生する” という人には、かなりメリットが出るのではないだろうか。