文房具
2023/12/10 19:30

ハンズフリーの快適さよ…挟むだけで効率化する「クリップ型ブックストッパー」2種を使い比べ

以前よりはだいぶ減ったとはいえ、本など紙の資料を見ながら仕事を進めるという機会は、いまだにゼロではないだろう。そういうときに、なによりも面倒くさいのがページの固定である。本やカタログを開いた状態でギュッと圧をかけて押さえ付けたり、重しを乗せてみたりしても、いつの間にかページが戻っていたりする。しかも、借り物や大事な本だったりすると手荒な真似もしづらい。

 

そこで今回試してみようと思ったのが、一般的に “ブックストッパー” と呼ばれる、ページを挟んで固定するクリップ型のページ保持具だ。偶然にも同時期に新製品が2つ登場していたので、両方を試してみた。

 

1.本の上に “ウかんむり” でページを固定

まず1つ目が、サンスター文具から発売されている「ウカンムリクリップ」だ。ちょっと不思議な製品名だけど、実物を見れば「ああ、なるほど」と思える。クリップの形状が、まさに漢字の部首の “ウかんむり” の形をしているのだ。

サンスター文具
ウカンムリクリップ
各600円(税別)
6色展開

 

使い方は、つまみ部分を持ってグッと開いてから、開いておきたいページの上部中央に挟みつけるだけ。これでページを固定するというわけだ。単にそれだけなら、大きめな目玉クリップか洗濯ばさみでも似たようなことができるのだろうが……実はこのユニークなウかんむり形状が、他にはない便利さに効いてくるのである。

↑先端が二叉になった大きめの洗濯ばさみのような形状。つまみ部分が反った形状で、少しの力でも大きく開口する

 

「ウカンムリクリップ」は、中央を空けて左右の端に挟み口があるので、本の背表紙を避けて挟むことができる。これならハードカバーでも背が邪魔にならず、スムーズにセット可能だ。加えて本のノド(中央にあるページの綴じ部)を押さえ付けない構造なので、開きグセが付きにくいというメリットもある。個人的には、この開きグセの付きにくさが特にありがたかった。

↑二叉の先端が左右のページを押さえるように挟み着ければ、固定完了

 

実際に試してみた感覚としては、上部から左右の両ページを固定しているため、開いているページがしっかりフラットになって読みやすいように感じられた。ただし、上から固定している=下側がフリーなので、厚い本だとページ下部が少し浮いたようになるケースもある。形状的に仕方がないことなのだが、その点は少し気になるところだ。

↑背の厚みをすり抜けて挟むことで、本に不必要なダメージを与えにくい

 

2.ずっしり重量で挟んだページを固定

ふたつ目に紹介するのが、ソニックの「OMO CLIP(オモクリップ)」。こちらは左右のページを挟む力で固定するのではなく、片側のページに荷重をかけることで開きっぱなし状態をキープする、というもの。

SONic(ソニック)
OMO CLIP
各700円(税別)
2色展開

 

「OMO CLIP」は挟み口がフラットで、普通の目玉クリップなどに近い見た目だ。しかし、クリップ用のバネが巻き付けられた金属軸の部分が、「うおっ!」と驚くほどに太いのである。この軸が錘(おもり)になっており、開いたページの片側端に挟むことで、ずっしりと荷重がかかってページが開きっぱなしになるという仕組みだ。

 

ただし、左右でページの残量が少ない方に着けないと意味がない。そうしないと、逆に本が勢いよく閉じてしまうので、要注意だ。

↑極太の金属軸を含む全体の重さは約105g。見た目よりもかなり重量感がある

 

↑本の端を挟むと、「OMO CLIP」の重みでページが固定される

 

もうひとつ、ページ端だけに重みをかけるという方式だけに、固定中はどうしてもページが山なりになってしまう。そのため、ノド側の文字が読みづらく感じることもあった。

 

一方で、本をめくって読み進めるときには、固定するページを変更しやすいというメリットもあった。例えば、数ページに渡るレシピを見ながら調理するときには、「開いて固定&めくり進めしやすい」このクリップが便利だと思う。

↑挟み口を軽く開いてページを差し替えれば、めくりも簡単

 

↑素材が透明なので、挟み口の下に文字が入り込んでも本文を読むことができる

 

仕事で使うだけでなく、参考書を見ながらノートを作ったり、譜面を開いておいたりという用途にもブックストッパーは欠かせない。見た目にもわりと地味な道具ではあるが、使ってみるとなかなかに便利なので、ここまでの紹介を読んでピンと来た人は、ぜひ導入してみてほしい。