文房具
2017/1/14 16:00

文房具の達人が心踊った! 実用性が違う“マストバイ”なおすすめステーショナリー5選【2016年版】

昨今では、さまざまなアイデア商品やおしゃれグッズが登場している「文房具」。一般的には、付せんノートやマスキングテープなどが流行った2016年ですが、はたして文房具の達人にはどう映ったのでしょうか? GetNavi webで文房具の記事を執筆している文房具ライター・きだてたくさんに、2016年に寄稿した記事のなかから印象に残っているものを選んでもらいました。

 

<その1>

使わなければ人生が削られる!? 「クツワ HiLiNE 携帯はさみ」でトクする時間を計算してみた

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携帯型ハサミというジャンルは、ペン型の筆箱携帯タイプと小型のストラップ携帯タイプの2つのジャンルに分けられます。本稿では、後者の「クツワ HiLiNE 携帯はさみ」(486円)を紹介しています。携帯時の長さが44mm、重量は7gと、携帯電話のストラップやキーホルダーにつけてもまったく負担を感じないコンパクトサイズ。使うときは、中央のスライダーを押し出すだけで刃渡り19mmの小さな刃が現れます。

 

【記事ダイジェスト】

これを使わないとどう時間を損するのか、ざっくりと計算していこう。いわゆる“はさみで切ったらラクなのに物件”のなかでも、最大の手間が手紙類の開封だ。毎日あちこちから届く、DMや役所からの通知といった封書の数々。ペーパーナイフで開封するのがスマートだが、なければ身につけているハサミでサクサク切り開くのがベター。これに毎日2分は取られるとして、年間では考えたくない時間のロスだ(年間730分)。

 

ついでに、宅配段ボールの開封もこのハサミでやってしまおう。刃渡りが短いので、段ボール箱の合わせ目に差し込んでガムテープを切っても、なかの荷物にダメージがいきにくい。これを手でやるのかと思うとゾッとする。3日に1回、3分のロス(年間360分)。

 

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……と、ザッと日常的な用途だけで見ても、合計で年間1290分だから、約21時間半のロスということになる。ハサミさえあれば数秒で済んでしかもスマートなのに。逆に「なんでハサミを常時携帯しないのか、意味わからなくないですか?」と聞きたいぐらいである。この記事を読み終わったら、ダッシュで文房具店に行って「携帯はさみ」を購入するべきだと思うのだが、いかがだろうか。

 

【この記事を選んだ理由は?】

「“使わないと年間1290分(21.5時間)もの時間を損しますよ!”という品のない恫喝系記事でしたが、ハサミを持ち歩かないことによる時間や機会のロスって実はリアルにあるんですよ。なので、携帯のストラップやキーホルダーにつけて常時所持するのがオススメ。筆者もここ5年ぐらいずっと持ち歩いてますが、これのおかげで助かったことが何度もあります。刃物の町・岐阜県関市で作られたものということで、切れ味も保証付き」(きだて)

 

<その2>

【コレ文房具!?】紫外線で固める液体プラスチック「BONDIC」なら修復からパーツの自作まで可能!

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「BONDIC」の使い方は簡単で、折れたペンのクリップを接ぎなおす場合、接合するパーツ同士をつないでから合わせ目の周囲から少し盛るように塗ります。液の入ったリフィルの先端が細いパイプになっているので、そこからチョビチョビと少しずつ塗っていけばOK。塗り終わったら、リフィルにくっついているUVライトを塗布部に照射します。すると、だいたい4~5秒も当てればカチカチの透明プラスチックになってくれます。

 

【記事ダイジェスト】

もともと歯科治療の技術から生まれた製品だけあって、硬化した部分が口に触れても安全。フチが欠けて「口をつけると唇を切りそうでやだなぁ」という陶器も安全に埋めて補修することができる。言うなれば、現代版の金継ぎである。もちろん防水性もあるので、隙間さえきちんと埋めておけば、補修部から水分が漏れてくることもない。

 

また、断線したケーブル類の被覆を剥いてつなぎ直した後、BONDICで固めて補修することもできる。プラスチックは絶縁体なので、きっちり断線箇所をカバーすれば漏電の心配もない。Lightningケーブルなどのコネクタ周りが折れて断線しそうになっていても、事前にかっちり固めてしまえば安心だ。

 

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パーツの新造だってBONDICにはお手の物。例えば、「テープのりを携帯のストラップにくっつけて持ち歩きたいなー」と思ったとしよう。もちろん、テープのりはそんな持ち歩き方を想定して作られていないので、ストラップ紐をつなぐような穴が開いていない。そこで、テープのりのボディにBONDICをたっぷりめに垂らして硬化させ、そこにドリルで穴を開けた。こういうこともわずか5分足らずの工作でできてしまうのだ。

 

【この記事を選んだ理由は?】

「アメリカでクラウドファンディングに出ていたときから注目していました。紫外線ピカッであっという間に硬化するので、接着剤としても超優秀。実際に使ってみると本当に便利なので、これは絶対に紹介せねばと思った次第。記事公開時はAmazonでしか購入できなかったんですが、現在はロフトや東急ハンズなどのリアル店舗でも手に入るようになりました。汎用性が高く、とにかくこれはオススメ!」(きだて)

 

<その3>

作業時間がたったの半分に!? 議事録やテープおこしの強い味方“スマートペン”の実力を検証!

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スマートペンの最大の機能は、“アナログのペンでノートに書き込んだものをそのままデジタルデータに変換して保存できる”ところにあります。わざわざノートをスキャンしたりカメラで撮影したり……という手間は不要で、アナログだデジタルだという意識をせずに使うことが可能。また、後からノートの内容を検索したり、という便利な使い方にも対応しています。

 

【記事ダイジェスト】

N2の使い方は非常に簡単で、N2とスマホをBluetoothでペアリングしたら、あとは特に何も考えず、専用のノートに普段通りの感覚で書き込むだけ。すると、ページ内で筆記したものがリアルタイムで専用アプリに取り込まれ、勝手に1ページごとの画像データとして記録されるのだ。

 

なんでそんな魔法みたいなことができるのかというと、秘密はノートのページ全面に細かく印刷された特殊な模様にある。N2の先端にあるカメラでその細かな模様を認識することで「ペン先がいまノートの何ページ目のどの位置にあるか」の座標を瞬時に検出。さらに、256段階に検知した筆圧と合わせて反映することで、ノートにどういう文字や線が書かれたかをデータとして記録しているのだ。

 

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ちなみに、N2で筆記したページのデータは、自動でEverNoteやgoogleドライブに転送することも可能。また、ノートの端に印刷された「メール」マークをペン先でつつくだけで、あらかじめ設定したアドレス宛にメール送信をしてくれる機能もスマートで面白い。

 

【この記事を選んだ理由は?】

「デジタル文房具の中でも、“手に馴染んだ筆記具を変えねばならない”“専用ノートが必要”など、導入のハードルが高いスマートペン。しかし、使い方によってはかなりの効果を発揮するんです。取材でメモと録音を同時にとるライター・編集者であれば、ぶっちゃけ仕事効率が倍ぐらい上がります。紹介した『N2 SmartPen』、記事公開時にはメーカーから借りていたんですが、あまりに良くできているので、結局自腹で購入しました」(きだて)

 

<その4>

絵心のないおっさんがハロウィンを乗り切るためにはーー「ハロウィン限定ポスカ」があれば万事OK!

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実はハロウィンにも「この色で適当に塗っておけばなんとなくハロウィン的なものになる」という組み合わせが存在します。そのハロウィン色を最初から詰め合わせてくれているのが、カラーマーカーとしてお馴染みの三菱鉛筆「ハロウィン限定 ポスカ8色セット」です。

 

【記事ダイジェスト】

ハロウィンの描き方だが、基本のカボチャを描くのには「やまぶき」が最適色。そこへ「ダークブラウン」でふちどりを入れ、さらに「むらさき」や「カーキグリーン」で飾りを足すと、グッとハロウィンっぽさが増す。

 

あとは「ネイビーブルー」でコウモリを描いたり、「むらさき」「フューシャ」で魔女の帽子を描いたり。黒い画用紙に「しろ」でシーツをかぶったようなお化けを描くのもいい。ポスカは下地に負けない隠蔽力(いんぺいりょく)を持っているので、重ね塗りや濃色紙への描き込みも得意技なのだ。

 

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ちょっとばかり絵が下手くそでも、色の雰囲気でもハロウィン感はかなり演出できるはずだ。また、ハロウィン色でただ文字を書くだけでも、十分ハロウィンっぽく仕上がる。さらに、どうしても絵が苦手だ……という人のために、ハロウィン限定セットには「ハロウィン楽々テンプレート」というものが封入されている。

 

【この記事を選んだ理由は?】

「世間的にはすっかり定番と化したハロウィンですが、我々おっさんにはいまさら馴染みのない新イベントに踏み込むのは難しい。でも、ハロウィン色さえキチンと揃えておけばなんとかなるから心配要らないよ”という記事でした。もし家庭内やご近所さん同士で“ハロウィンパーティーやるぞ”となったときでも、ハロウィンポスカさえあればそれっぽく飾り付けができますよ」(きだて)

 

<その5>

最強のカッターナイフはホームセンターに売っていた! 常識を覆す切れ味で疲労度極少

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この記事で紹介したのは、オルファの厚物切り用カッターナイフ「スピードハイパーAL型」と替え刃「スピードブレード」。パッケージに“ダンボールカット時の切断抵抗値 約1/2”をうたっている通り、本当にダンボールがサックサク切れます。独自の特選黒刃の刃にフッ素コーティングを施してあり、このフッ素コートが切断対象に切り込んだ時の滑りを良くしてくれ、抵抗を大幅に減少させているのだそうです。

 

【記事ダイジェスト】

実際に既存のノーマルL刃とダンボールを切り比べてみると、違いは歴然。ノーマル刃が「ググッ…ズズズズズズ…」と刃が進むのに対して、スピードブレード刃は「グッ…シュパッ!」という感じ。刃がダンボールに食い込んでから切り進めるまでの滑らかさは、ちょっと常識では考えられないレベル。切断抵抗1/2という数値はブラフではなさそうだ。

 

流通の現場でダンボールを大量に切って解体する場合など、だいたい手がプラプラになるほど疲れてしまうものだが、スピードブレードは滑らかすぎて疲労も少ない。この切れ味は、誰が試しても体感できるほど明確に違う。いままで「ダンボールを切って手が疲れた」という経験がある人は試してみるべきだし、仕事でL刃のカッターをよく使うという人は絶対に使ってみてほしい。

 

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ただひとつ、滑らかさのポイントであるフッ素コート層はわりと簡単に剥げてしまうため、体感的に切れ味が落ちるのも早い。とはいえ、この滑らかな切れ味が重要なので「ちょっと切りにくいかなー」と思ったら即座に刃を折って更新しよう。

 

【この記事を選んだ理由は?】

「“ホームセンターでしか買えない文房具”というあまり知られていないカテゴリがあって、それがかなり便利なんですよ。スピードブレード刃は、試してみると明らかに普通の刃との差がわかる超高性能刃。仕事などで普段から段ボールを切る機会がある人なら、マストで使うべき逸品です。ただ、切れ味が落ちるのも早いので、ポキポキこまめに折って使いましょう」(きだて)