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2018/6/25 6:00

【朝の1冊】時給は1万円以上、年間休日数は180日以上。「働く自由人」の究極のワークライフバランス――『半年だけ働く。』

自由人に会ったことがあります。スキー場や観光ホテルで「リゾートバイト」を繰り返している40代後半の男性でした。働くのは、レジャーシーズンの「夏」と「冬」です。

 

半年だけ働く。』(村上アシシ・著/朝日新聞出版・刊)という本があります。ITコンサルタントとして働きながら、「サッカーと旅」をライフワークにしている著者が書いた体験談&ノウハウ集です。

 

「半年だけ働く」ということは、残りの6ヶ月は「自由」です。約180日のあいだ、どのように暮らしているのでしょうか?

 

 

究極のワークライフバランス

私はこの10年以上、「半年仕事・半年旅人」というライフスタイルを食いっぱぐれずに継続してきました。(中略)ほぼ毎年のようにサッカー日本代表の試合は国内外問わず現地で見ていて、4年間に1度開かれるワールドカップとオリンピックは毎回欠かさず、開催国を訪れています。

(『半年だけ働く。』から引用)

 

『半年だけ働く。』の著者は、フリーランスのITコンサルタントです。多くの時間を「旅とサッカー」のために費やしています。驚くことに、日本代表チームの海外遠征やサッカーW杯の開催日に合わせて、働く場所や仕事のスケジュールを決めているそうです。

 

「6ヶ月働いて6ヶ月休む」という単純なものではなく、「隔月ごとに1〜2週間のまとまった休み」ということも。オリンピックやW杯の開催年の前後は、日本代表チームを応援するために数カ月のあいだ世界中を旅することもあります。自由自在です。

 

サッカーを楽しみすぎた翌年には、「10ヶ月働いて、2ヶ月休む」というスケジュールで活動費を稼ぎます。しかも「半年だけ働く」の期間には、しっかりと「週休2日」が含まれています。貯金もしています。仕事を効率化して、余暇を最大化する。究極のワークライフバランスです。

 

 

完全無欠の自由を手に入れる

本書『半年だけ働く。』によれば、サラリーマン時代に3ヶ月の休職期間を経験したことがあり、そのときに味わった「完全無欠の自由」が忘れられず、「サッカーと旅」がアイデンティティーに昇格したと述べています。本書では、次のような素朴な疑問にひとつひとつ答えていきます。

 

①半年しか働かずに、お金は足りるの?
②仕事はどうやって取ってくるの?
③フリーランスとしてやっていくには、どんな準備が必要?
④コンサルタント以外でどんな職業で独立ができるの?
⑤40代、50代になってもフリーランスって続けられるの?

(『半年だけ働く。』から引用)

 

著者の実体験にもとづくノウハウが惜しみなく書かれています。「完全無欠の自由」をエンジョイしている著者は、どのように働いて、どのくらい報酬を得ているのでしょうか?

驚きの「時給1万円」

コンサルティングのプロジェクトに従事する時は、基本的に週5で朝9時から夕方18時までフル稼働の状態で、2〜3ヶ月単位で契約を更新していきます。(中略)私のコンサルティングフィーは自分の手取りで「時給1万円」を最低ラインとして置いています

(『半年だけ働く。』から引用)

 

著者は、ITコンサルタントです。独立したあと、仕事を得るための営業はしませんでした。ほとんどがエージェント経由で、依頼主(クライアント)からコンサルタント業務を請け負っています。

 

大企業のフリーランス活用が広がっており、さまざまな業種のエージェントが存在しています。エージェントに支払う手数料は「2〜3割」ですが、フリーランスの報酬金額は「サラリーマンの2〜3倍」なので、むしろ良心的です。

 

新事業の立ち上げや業務改善プロジェクトに際して、期間限定で契約できるフリーランスのほうが、たとえ高報酬を支払ったとしても企業にとってはコスト削減につながります。アメリカのフリーランス従事者は「労働力人口の35%・5500万人規模」です。「即戦力」の需要に応えられるのは「専門職のフリーランス」ですから、時代に即しています。

 

 

急がば回れ。独立は計画的に

我々のような一般人にとっては、「好きなこと」ではなく、「得意なこと」で稼ぐのが最も再現性が高く、難度の低い独立方法と言えます。

(『半年だけ働く。』から引用)

 

そもそも「得意なこと」を見つけるためには、どうすればいいか? 本書では「まずはサラリーマンで地力をつける」とアドバイスしています。やってみなければ得意なものはわかりません。

 

将来フリーランスを目指すならば、ITやコンサルタントなどの「独立しやすい業界」で、まずは会社員として働いてみるのがオススメです。賞与や住宅手当や有給休暇がうれしいなど、会社員としての向き不向きを見極められるので損はありません。

 

フリーランスに限らず、人生の「活きた時間」を増やすにはどうすればいいか? 本書『半年だけ働く。』では、社会に貢献できる「実業」を重視して、メリットとデメリットを比較しながら語り尽くしています。お試しください。

 

 

【書籍紹介】

半年だけ働く。

著者:村上アシシ
発行:朝日新聞出版

“半年仕事・半年旅人”を10年実践してきた筆者が、誰もがうらやむ「半年仕事をして、残りの半年の自由を謳歌する」まったく新しい独立指南本。知識や資格で稼ぐホワイトカラーがサラリーマンとして培ってきたスキルを活かして、その延長線上でスペシャリストとして独立する手法を公開!

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