特集を締めくくるのは、2020年下半期にキそうな「ネクストヒット」候補たち。評論家や編集部員が、情報や社会情勢などを基に、注目の製品やサービスを(淡い期待も込めて)紹介していく!!
※こちらの記事は「GetNavi」 2020年8月号に掲載された記事を再編集したものです。
<第10位>働くロボット
新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、働くロボットの開発や導入スピードが加速。なかでも消毒作業など、需要が増えた作業を代行する製品が増えそうだ。
消毒液を散布しながら設定した場所をパトロール
【2020年6月サービス開始】
ZMP
無人警備&消毒ロボット PATORO
月額10万円〜(税抜/事業者向け)
●別途初期費用がかかる
設定した場所を巡回する無人警備ロボット。通常のカメラと赤外線カメラを搭載し、より確実に不審者を見つけられる。電動散布器も備え、エレベーターのボタンや床、座席や手すりなどに消毒液を散布することも可能だ。
周りの動きを把握して安全に荷物を届けてくれる
【2020年5月サービス開始】
ZMP
宅配ロボット DeliRo
月額10万円〜(税抜/事業者向け)
●別途初期費用がかかる
周りの人とコミュニケーションを取りながら、自動走行し荷物を配達。信号機や人、クルマの動きを認識でき屋外でも使用可能です。本体内部に荷物を収納するスペースがあり、専用のスマホアプリで解錠する。
【だからヒットする!】
企業等がロボットを導入する際、これまではサービスの拡充や労働力不足の解消が目的とされることが多かった。しかし新型コロナウイルス感染拡大をうけ、感染防止など、人に対するリスク低減のために導入される可能性が高い。
<第9位>超ポータブルツールバッグ
場所を選ばない働き方が広まることで、ポータビリティを究めたツールバッグが働く人の定番アイテムに。もちろん中身の閲覧のしやすさも大切だ!
単体でもカバンに入れても持ち運びやすい3Wayバッグ
【2020年2月発売】
LIHIT LAB.
HINEMOスタンドポーチ(L)
4345円
約13インチのノートPCが入るツールバッグ。単体で持ち運べるだけでなく、ポケットのある面を外側にしてファスナーを閉じれば、バッグインバッグとしても使える。さらにL字に開けばパーテーションとしても活躍。
中身の飛び出しを防ぐ伸縮素材のポケットを完備
【2020年6月発売】
カウネット
テレワークバッグ
2990円
テレワーク環境で必要な小物類を分類収納できるバッグ。中身をしっかりホールドできる伸縮素材のポケットを備えており、安心して持ち運べる。L字型に自立するため、狭い場所でも広げられる。
【だからヒットする!】
テレワークが普及すると、自宅と会社だけでなく旅先など、日によって異なる場所で仕事をする人が増えるはず。結果、収納力や中身の取り出しやすさに加え、持ち運びのしやすさも備えたツールバッグが求められると予想される。
<第8位>タフト
キャンプブームで荷室の広い軽が販売好調。今後はコロナショックによる“レジャーに行くなら公共交通機関よりもマイカー”というムードが人気を後押ししそうだ!
日常からレジャーまでアクティブに使える新型軽
【2020年6月発売】
ダイハツ
タフト
135万3000円〜173万2500円
軽快さと荷物をたくさん運べる機能性を両立した「バックパック スタイル」がコンセプト。リアシートが自在にアレンジでき、日常からレジャーまで使いやすい。前席上部は大型のガラスルーフで開放感抜群だ。
【だからヒットする!】
SUVテイストを採り入れたデザインと収納スペースを両立し、シートアレンジも多彩。2人程度なら車中泊旅行も可能な使い勝手の良さが人気を集めそう。ガラスルーフを標準装備した開放感の高さもポイントだ!
<第7位>店内調理のコラボフード
街の飲食店が持ち帰りや宅配サービスを始める一方、コンビニは有名外食店とのコラボを強化! チルド弁当よりもできたてに近い味を楽しめる店内調理品が注目株だ。
門外不出のソースを使った店内調理のできたて弁当
【2020年6月発売】
ローソン
串カツ田中ソースカツ丼(三元豚ロース)
630円
大衆酒場「串カツ田中」秘伝のソースを使った、店内調理で提供されるかつ丼。春に都内13店舗で発売し、好評のため全国約6000店舗へと拡大された。購入代金の一部が「串カツ田中」への支援金に使われる。
ごま油と唐辛子が隠し味で食感のメリハリが楽しめる
【2020年5月発売】
ファミリーマート
大阪王将監修 揚げ餃子(5個)
168円
●数量限定。取扱い状況は店舗によって異なる
餃子で有名な老舗「大阪王将」が監修したホットスナック。うま味と甘味が豊かな国産の豚肉とキャベツに、ごま油と唐辛子が隠し味。パリパリの皮とジューシーな餡のメリハリが楽しめる。家飲みのおかずに人気だ。
【だからヒットする!】
有名店の味をコンビニで楽しめるのは消費者にとって大きな魅力。また、コロナ対策としてコンビニの秋冬の主力商品、“レジ横おでん”の販売規模縮小が予想されるため、それに代わる商材としてホットスナックが強化される可能性が高い!
<第6位>IdeaPad Duet
6月初旬に発表された本機は、上半期にヒットしたSurface Go 2のジェネリックモデル的に人気を集めそう。必要十分なスペックで4万円台の価格が魅力!!
高速起動とコンパクトさが光る超お手ごろ2 in 1タブレット
【2020年6月発売】
Lenovo
Lenovo IdeaPad Duet Chromebook
実売価格4万4880円
動きが軽く、起動なども高速なChrome OSを採用した2 in 1タブレット。ディスプレイは10.1型で、キーボード/スタンドカバー装着時約920gと軽量で持ち運びやすい。ウェブカメラやマイク、スピーカーも内蔵。
【だからヒットする!】
Chrome OS採用機は起動が早く、ネット経由で各種Googleサービスと連動してスペック以上の性能を発揮。米国などを中心に、海外ではすでに爆発的にヒットしているカテゴリです。テレワーク需要も受けて、鬼安な本機が起爆剤になりそう!!
<第5位>Earbuds 700
オーディオ業界では、「ノイズキャンセリング」というトレンドと「完全ワイヤレス」というトレンドが合流。そしてついにボーズが参入し、バズりまくる!!
「静か」かつ「便利」な注目カテゴリにボーズも参入!!
【2020年発売予定】
ボーズ
Bose Noise Cancelling Earbuds 700
価格・発売日未定
高性能なノイズキャンセリング機能を搭載し、同社のヘッドホンと同等のノイズキャンセリング精度を実現。また、直感的なタッチコントロールや音声アシスタント機能、ポータブルな充電ケースを備える。
先行する2社と三つ巴の争いに!!
AirPods Pro(左)はあまりの売れ行きで一時は入手困難に。ソニー製品もハイレゾ級の高音質が楽しめるとして人気を集めている。
【だからヒットする!】
ボーズはNCヘッドホンQuietComfortシリーズで抜群の信頼あり。スポーツ仕様の完全ワイヤレスSoundSport Free wireless headphonesもヒットしており、確かなNC機能と高いデザイン性で、ファンは飛びつくはず!!
<第4位>「あと値決め」サービス
“価格は店が決めるもの”という常識を覆すサービスが拡大! モノやサービスを使ったあとに消費者が価格を決めることができ、満足度が可視化されやすいのもメリットだ。
価値と価格のズレが埋まり納得価格で買い物できる
これまでの買い物は、店都合で価格が決まる、いわば消費者にとって受動的なものだった。一方、本サービスによる買い物は、価格を決めるために評価を下す積極性が必要な、能動的な買い物。消費者が感じた価値と価格がイコールになり、納得した価格で買い物できるのがメリットだ。ただし、正しく評価を下すには消費者側にもそれなりの審美眼が求められる。
一方で、使ったことのないサービスを気軽に試せるのも魅力だ。例えば筆者の場合、もしコンサルタント業で導入する企業がいたら使ってみたいと思う。本当に相性の良い人に出会うために、気軽にいろんな人を試せるからだ。
本サービスが広がることで買い物に対する考え方が変わるはずだ。
価値を見極めてから金額を決めるいままでにない後払いサービス
【2019年8月スタート】
ネットプロテクション
あと値決め
商品やサービスを体験したあとに、利用者自身が価格を決めて支払う国内初のサービス。価格は専用の画面で直感的に決められる。昨年8月よりサービスを開始し、現在10社以上の企業が導入。
[導入事例]
[家事代行サービス]
ベアーズ
家事代行サービスを提供。7月1日より家事代行サービスを「あと値決め」形式で開始する。満足度に応じ上乗せして支払った金額のなかから医療関係者に寄付できる。
[男性化粧品]
IYVO
使用後(注文確定から2週間後)に購入者が価格を決める男性向けオーガニックコスメ。設定された最低価格に加え、顧客対応、商品の使用感等を評価し、上乗せして支払う。
<第3位>涼感マスク
夏のマスク着用による熱中症リスクを解決できるのが、涼感のある夏向けのマスクだ。熱中症だけでなく、「熱い・蒸れる・臭う」の三大不快感からも解放される。
マスクで熱中症リスク上昇! 夏はマスクの衣替えも必須
これからの季節、コロナ感染と同様に気をつけたいのが熱中症だ。マスクは新しい生活様式のなかで必需品となったが、長時間着用すると熱がこもり、熱中症リスクが高まるといわれている。厚生労働省も屋外で2m以上の距離が保てる場合はマスクを外すよう呼びかけているが、とはいえ着用せずに歩くのは気が引けるのも事実。そこでじわじわ注目を集めているのが涼感のある夏向けマスクだ。なかには涼しいだけでなく、抗菌や防臭効果のあるものもある。衣類と一緒に“マスクも衣替え”がニューノーマルになりそうだ。
高性能フィルターを内蔵した肌触りの良いエアリズムマスク
【2020年6月発売】
ユニクロ
エアリズムマスク
990円(3枚組)
独自の3種構造を採用した防御性能の高いマスク。表側の「メッシュ素材」と、内側の「エアリズム」の中間には、細菌や花粉などの粒子を99%カットする「高性能フィルター」を内蔵している。3サイズ展開。
接触冷感素材に涼感加工も施し、夏でもひんやり快適に!
【2020年7月発売】 ●現在予約受付中
ikka
ひやマスク 2枚セット(フィルター20枚入り)
1320円
接触冷感素材に、汗や水に反応して生地の温度が下がる「TASTEX COOL-EX(天然由来のキシリトールを配合)」加工を施している。加えて、抗菌防臭、吸水速乾機能も備える。ゴムは長さを調節できる。
<第2位>PlayStation 5
下半期も、Withコロナの巣ごもり生活でゲーム機が娯楽の核となるのは確実だ。PS4から7年、満を持して登場するPS5は、爆速SSDを搭載し快適なゲーム体験を実現!
未来感あふれる外観にアガる!! 世界が待ち望む最新鋭ハード
【2020年末発売】
ソニー・インタラクティブ エンタテインメント
PlayStation 5
価格・発売日不明
超高速カスタムSSDを搭載した次世代ゲーム機。最大8K出力となり、PS4との後方互換にも対応する。コントローラは従来の振動機能に代わり「ハプティック技術」が使われ、多彩な感覚を再現する。
より速く! より美しく! ノンストレスのゲーム体験
6月12日の発表会で、PS5の未来感ある本体デザインが明らかに。発売は今年後半予定で、年末商戦の主役に名乗りを上げた格好だ。
最大のウリは、超高速アクセスを可能にしたカスタムSSD。「ロード時間」の概念がなくなる……という声も上がっています。スタンダードモデルのほかに、ディスクドライブを廃したDL専用のデジタル・エディションが発売されるのも目新しい。「グランツーリスモ7」や「バイオハザード」の新作など、発表されたソフトラインナップも強力! 成功したPS4を超えられるかが焦点だ。
現時点で判明しているスペック
PS4 Pro | PS5 | |
CPU | x86-64 AMD “Jaguar”, 8コア | x86-64-AMD Ryzen “Zen2″、8コア16スレッド |
GPU | AMD Radeonベースグラフィックスエンジン | AMD Radeon RDNA (Radeon DNA)ベースグラフィックスエンジン(レイトレーシングアクセラレーション対応) |
内蔵ストレージ | HDD | SSD |
解像度 | 4K対応 | 8K対応 |
メディア | Blu-ray | Ultra HD Blu-ray |
互換性 | なし | PS4との下位互換に対応 |
PSVR | 対応 | 対応 |
<第1位>iPhone 12
下半期ヒットの筆頭は、ネット上で予想合戦が白熱しているiPhoneの新作。有識者たちの声を総合すると、5Gは対応、Lightning端子は継続というセンが濃厚だ。
携帯電話事業者が5Gのインフラ整備を加速、“一番売れるスマホ”の5G対応は確実か
【7〜8月量産開始か!?】
iPhone 12
価格・発売日不明
SNS等で様々な憶測が飛び交う次期モデル。ラインナップは5.4インチと6.1インチのエントリーモデル、6.1インチと6.7インチのハイエンドモデルという計4モデル/3サイズ展開になると言われている。
「アップルグラス」はまだ先、画面内指紋認証に期待!!
5G対応が進んでいるAndroidに対し、iPhoneは遅れを取っている。携帯電話事業者が今年の後半以降に5Gのインフラ整備を加速することから考えても、“一番売れるスマホ”の最新版は5G対応が自然と言えそうだ。
iPad Pro搭載のLiDARスキャナも要注目。しかし「アップルグラス」的なARデバイスはまだ先か。USB Type-Cもおそらく不採用。一方で、コロナ禍でマスクの着用シーンが増えたこともあり、昨年特許取得済みの「画面内指紋センサー」の搭載も期待。吉報を待つべし!!
History of iPhone
【3G】
iPhone 3G
2008年
↓
【4G LTE】
iPhone 5
2012年
↓
【5G?】
iPhone 12
[ウソ? ホント? 次期iPhoneのウワサ]
5G規格に対応する!? → 信憑性83%
「ビジネス的に考えてこの時期に5G非対応はあり得ない」(西田さん)、「対応はほぼ間違いない」(かじがやさん)、一方で「コロナ禍でモデムチップ量産が間に合わない可能性も」(井上さん)
LiDARスキャナ搭載でAR関連のサービスが登場する!? → 信憑性52%
「Appleは数年前からARに注力。今回搭載してさらに間口を広げるはず」(かじがやさん)、「センサー搭載にハードルはない。ただしスマートグラス発売は早くて2021年か」(西田さん、井上さん)
Lightning端子の代わりにUSB Type-C端子を採用する!? → 信憑性15%
「iPhoneの多数の周辺機器・ケーブルの変更は市場にとってリスク」(西田さん)、「1ユーザーとしてはうれしいが可能性は低い」(井上さん)、「ウワサはあるが見送りでは」(かじがやさん)
120Hz駆動でゲームなどに強いProMotionディスプレイを採用する!? → 信憑性47%
「Apple Arcade開始からしばらく経つのでゲーム機としての進化は歓迎」(かじがやさん)、「消費電力の観点からiPhoneで採用は厳しいか」(井上さん)、「大きなバッテリーを積める大型・上位機種なら」(西田さん)
●識者3名のアンケート回答を基に平均値を算出
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