乗り物
2015/3/19 12:54

マスタング50周年記念第2弾! 4代目から現行モデルまで超解説!

フォード マスタング50周年記念の後編! 今回もモータージャーナリストの岡本幸一郎さんが、4代目から現行モデルを紹介しながら、マスタングが歩んだ50年を解説していきます! 前篇はコチラ!

 

 

■4代目(1994~2004) 当初FFに変更予定が猛抗議によってFRのままに

Ford Mustang GT 1994. CN-309001-374

3代目マスタングは、本来であれば80年代の後半には、そのモデルライフを終える予定でした。そして次期(4代目)マスタングには、当時フォードと提携関係にあったマツダのFFプラットフォームとする案が浮上していた。ところが、その噂を耳にした熱狂的ファンから抗議が殺到。その声に耳を傾けたフォードは、FFのマツダ車ベースのモデルを1989年に「プローブ」として世に送り出す一方で、マスタングをそのまま残したのです。

 

そしてほどなく、次期マスタングの開発はスタート。もちろん、デビューからのDNAである、デザイン/パフォーマンス/ドライビングファンを歴代ベストの実力に引き上げることを目指して。

 

1994年型として登場した4代目マスタングは、先代より引き継いだFOXプラットフォームの改良版を使用。しかし、デザインは一新され、「バッジがなくてもマスタングとわかるクルマ」の目標どおり、まさしく伝説の名馬の再来を感じさせるもの。ラウンドシェイプのスタイリッシュなクルマへと変貌を遂げました。野生馬のエンブレムも16年ぶりにフロントグリルに復活。クーペだけでなくコンバーチブルもラインアップされました。

1994年型コンバーチブル
1994年型コンバーチブル

 

そんな4代目マスタングは、発売されるや在庫がすぐに足りなくなるほどの大ヒット。日本市場にも、エントリーモデル200万円台前半~という低価格で導入され、大いに話題になりました。

 

1996年型では、それまでマスタングの象徴とされてきた5リッターV8 OHVエンジンに替えて、新たに4.6リッターのV8 SOHCエンジンを導入。のちに世に送り出された、SVT(スペシャル・ビークル・チーム)が手がけた「コブラ」や「Rモデル」などの高性能バージョンも注目を集めました。

2000年型SVTコブラ
2000年型SVTコブラ
2000年型STVコブラR-1
2000年型STVコブラR-1

 

 

■5代目(2005~2014) 宿敵なきあと、初代へ立ち返る

2005 Ford Mustang GT.

2005年に全米デビューをはたした5代目マスタングは、マスタングらしいマスタングを作ること、そしてマスタングの精神である、「速く」「楽しく」「手頃」であることを目標に開発されました。

 

当時、宿命のライバルであるカマロの生産が途絶えるなど、このセグメントに残っていたのはマスタングだけに。そんななかでフォードは単にマスタングを生きながらえさせるにとどまらず、チームが一丸となって、歴代マスタングでベストを極めるべく力を合わせて5代目モデルを開発します。

 

フォードの「リビングレジェンド戦略」に基づき、スタイリングは1967年型の初代モデルがモチーフ。オリジナルのエッセンスを蘇らせることを目指し、初代マスタングを現代的に解釈したものとされました。

 

新開発の「DC2」プラットフォームを採用し、エンジンは従来の3.8リッターV6 OHVが4リッターV6 SOHCに変更。上級グレードの「GT」にはアルミブロックの4.6リッターV8 SOHCが搭載されます。

 

その高い基本性能により、5代目マスタングはアメリカ国内ではNASCARだけでなく、ドリフト選手権の「フォーミュラD」にもワークス体制で臨み、好成績を挙げます。

 

2010年モデルでは、ターンシグナルランプ内蔵式のヘッドランプや、LED化および新デザインとした3連式テールランプを採用。また、ルーフパネルの変更による空気性能の向上や、最新技術の導入による安全性の向上が図られました。また、2013年モデルにおいては、フェイスリフトとともにマニュアルモードを備えた6速ATを採用。

 

なお、45周年を迎えた2008年にマスタングの累計生産台数は900万台を達します。

 

 

 

■6代目(2015~) 走りの面で過去最大級の変化を遂げる

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6代目となるニューモデル(現行モデル)は、2013年末に「2015年モデル」として登場、ほどなく生誕50周年を迎えた2014年4月17日にアメリカで発売されました。日本には同年秋より50周年記念モデルが導入。すでに累計生産台数は実に940万台に達しています。

 

ボディサイズは5代目に比べて全幅が40mm拡大される一方で、全高は35mm縮小。

また、これまで「クーペ」と呼んでいましたが、最新版では「ファストバック」と改称されました。エクステリアは各部にマスタングのDNAを感じさせる要素がちりばめられており、従来型を踏襲しながらも、より現代的かつ躍動感のある意匠になっています。

mustang_08_2015Mustang_t6r8184

 

一方、インテリアは基本レイアウトを踏襲しながらも、現代的に丸みを帯びた形状になるとともに質感が大きく引き上げられています。センターパネルの下部が航空機のコクピットをイメージしてトグルスイッチとされたのも6代目の特徴です。

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また、走りの部分でも50年のマスタングの歴史において最大といえる進化を果たしています。ひとつはリアサスペンションにマルチリンク式を採用したこと。これまでは伝統を重んじてリジッド式をあえて踏襲していたマスタングだが、現代に求められる質の高い走りを追求し、ついに4輪独立懸架となりました。

 

また、エンジンについて、本国では自然吸気のV8やV6がラインアップされていますが、ついにマスタングにもダウンサイジングの時代が訪れ、2.3リッターの直列4気筒直噴ターボエンジン「エコブースト」を設定。日本には現状、同エンジン搭載車のみが導入されています。

 

さらに、マスタングの長い歴史の中で初めて右ハンドル車を設定。いよいよ世界戦略車としての役目が与えられた6代目マスタングは、実に120か国への導入が予定されています。なお、右ハンドル車は2015年中ごろから生産開始され、日本にもそれが導入される予定です。

 

文/岡本幸一郎