ロードバイクのメンテナンスの基礎知識を伝授するコーナー。今回は、「ホイールの振れの調整」のやり方についてレクチャーしていきます。ここでは、ブレーキシューとリムのクリアランスで振れ(歪み)をチェック。スポークの張りを調整します。
【使用する工具】
スポークレンチ
【振れをチェックする】
ホイールの点検は専用の振れ取り台がない場合、車体を逆さにしてホイールの回転をフリーにして行うとよい。
振れを直すためにスポークの張り具合を調整するには、そのスポークの本来の形状を知っておく必要がある。ホイール組みは何タイプかの組み方があるが、ここではもっともシンプルなラジアル組みを例に説明しよう。
ラジアル組みのスポークは、ホイールの中心部にある左右のフランジから放射状に伸びている。フランジは左右対象で、左右から出たスポークはリムに1コマずつずれて隣り合った格好で配置される。
1.ブレーキとホイールとのクリアランスを見て、振れをチェックする。
【振れているポイントを特定する】
ゆっくりホイールを回転させながら、リム面とブレーキシュー面の間隔が平行になっているかをチェック。平行ではない箇所があったら、その位置から伸びるスポークとその隣りのスポーク、反対側の近い位置から伸びるスポークの調整をする。
振れは対交する2本のスポークのどちらかが張りすぎているために、もう一方が弛んでしまって起きる現象だ。
2.振れている箇所がわかったら、そのポイントの両脇のスポーク2本、計4本のスポークを調節して振れを取る。
【調整する】
張りが強くなっているのであればスポークの根元にあるニップルをスポークレンチで左に回して張りを緩め、隣の1本を飛ばしたスポークの張りを同じ要領で緩める。続けて、最初に張りを緩めた隣のスポークのニップルを右に回して張りを強くし、1本飛ばしたスポークの張りを同じ要領で強くする。
3.スポークレンチでスポークの根元のニップルを回し、曲がっているほうを緩める。写真の場合、①と③を緩める。
4.曲がっているほうを緩めたら、その反対側、2番と4番を引っ張る。それぞれ4分の1回転ずつ緩める、締めるを繰り返し、振れを解消する。
【こちらもチェック】
スポークレンチにはサイズがあるので注意!
ニップルは、メーカーの規格によりサイズが異なる。スポークレンチ(ニップル回しともいう)も、それに伴い各サイズがあり、わかりやすく色分けされている。3.2ミリ用(ブラック)、3.3ミリ用(グリーン)、3.4ミリ用(レッド)で、このほかに特殊サイズの3.9ミリ用(ブルー)もある。
本格的にホイールの振れを取るなら振れ取り台が必要
大幅に左右に振れたり上下に振れたりしたホイールを修正するには、振れ取り台という専用工具が必要。ホイールをセットし、アーム状のゲージをリムに取り付けることで、どこがどの程度歪んでいるのかを確認することができる。この歪みを見ながら、スポークレンチを使ってホイールの振れを取っていく。