モノ系ライターのナックル末吉です。皆さん、「シェアサイクル」ってご存じでしょうか? 指定の駐輪場に置いてある自転車をレンタルして、走行後は系列の駐輪場であればどこに返却してもいいというアレです。
都内でもNTTドコモが同様のサービスを展開しているのでご存じの方も多いと思います。このシェアサイクルで、いま話題になっているサービスが福岡で開始。新しいモノ好きとしては、欲望を抑えることができず、早速乗ってきました。……というのは建前で、ホントは別の取材で福岡に行ったついでというのはショナイです。
話題のシェアサイクルとは、あのフリマアプリで大人気を得ている「メルカリ」が運営する「メルチャリ」のこと。メルチャリは2018年2月27日に福岡県の博多、天神、ウォーターフロントエリアにて、全国に先駆けてサービスが開始されました。つまり、現在メルチャリに乗れるのは福岡だけ! ってことで福岡までやってきました。
まずはメルチャリに乗るまでの道のり
道のり、といってもさほど難しいものではありません。フリマアプリ「メルカリ」を使ったことがある人ならわかると思いますが、メルカリはあの簡単さがヒットの理由。メルチャリもそれを踏襲していて、メルカリアカウントさえ持っていれば、専用アプリをインストールして即ジョイナス! 正直、「え、こんなに簡単なの?」というレベルです。
メルチャリアプリをインストールしたら、まずは肝心のメルチャリを探します。メルチャリは「ポート」と呼ばれる専用の駐輪場に置いてあり、ポートがどこにあるかはメルチャリアプリで確認可能です。
この解錠セレモニーを動画でご覧頂きましょう!
なんでも、メルチャリにはSIMが挿入されていて、スマホから送信されたQRコードを運営側が受信すると、データ通信を通じてメルチャリの解錠を自動で行うという機構とのこと。
「これがメルチャリだ!」ディテールをザックリとチェック
さて、無事にメルチャリをゲットできたということで、まずはメルチャリのディティールをチェックしてみます。
メルチャリは20インチの小径車で、スチール製のフレームを採用しています。電動アシストや折り畳み機能は非搭載。3段変速と幅広なサドルのおかげで乗り手の性別や体格問わず、ラクに乗れるのが特徴となっています。
桜満開の博多の街をメルチャリで爆走してみた!
さて、メルチャリのディティールはチェックできたので、さっそく初ライドと洒落込みたいと思います。
初めて来た博多の街。博多駅から少し離れるだけで、そこら中に桜が咲いています。正直、この小径車では超高速で走れるわけもなく、街並みを眺めながら、ゆっくり走るにはメルチャリはジャストな自転車でしょう。筆者は弱虫なので、ゆっくりペダルをこぐのが好みです。決して筋肉に話しかけたり、超絶前傾姿勢などはしません!
春風が吹く街をゆるゆるサイクリングしましたが、もうサイコーでした。博多は坂道が少なく、飲食店やショッピングモールなどの都市機能が狭い範囲に凝縮されているため、自転車で走るに適している街だと改めて感じました。メルチャリがこの地区で最初に開始されたのも頷けます。
さて、博多サイクリングを満喫したところで、メルチャリを返却してみます。返却は、メルチャリ専用のポートであれば、どこでもOK。つまり、最初に借りたポートに返さなくてもいいのです。ただし、ポートが満車だと返却できないので、ポートの位置と返却可能かをアプリで確認します。
利用料金は1分間4円。支払いは、クレジットカード、コンビニ、ATMに対応しており、1か月ごとに請求される仕組みです。
まだまだ発展途上のサービス?
今回、初めてメルチャリを利用しましたが、料金は安いし便利だなと思う反面、いくつか疑問も残ります。
まず、最初にメルチャリを借りた際には、近くのポートに在庫がなく、在庫があるポートまで1kmぐらい歩かされました。メルチャリを移動手段として使いたいのに、借りるまでに歩かされては本末転倒かと。
今回の現象は極端な例かもしれませんが、乗りたいときに近くにないと、移動手段としてはアテにできないのがツラいところ。今後、台数やポート数を増やすとのことなので期待したいところです。
また、メルチャリには鍵が1つしかついていません。前述したとおり、シート下の鍵を掛けてしまうと、自動的に返却したことになってしまいます。例えば、メルチャリで爆走している最中に、お腹が減って博多ラーメンのバリカタが食べたくなり、ラーメン屋さんに立ち寄るとします。当然、シート下の鍵をかけるワケですが、ここで一旦、返却されたことになってしまいます。返却したということはほかの人に借りられちゃう可能性もあるのです。そうすると、見知らぬ土地で途方に暮れて、諦めたくなくてもそこで試合終了となってしまうワケです。
そもそも、ポート以外のところで施錠してしまうと、放置自転車として運営側に認識されるらしく、ほかのメルチャリユーザーに救出を求められます(ただし、運営側のトラックが回収に来ることもあります)。
かといって、無施錠で駐輪するわけにもいかず、この状態を防ぐには自前でチェーンロックを持っていくなどの策を講じる必要がありそう。ただし、この手法は規約に違反する可能性もあるので、オススメできません。
メルチャリはレンタルサイクルというよりも、シェアサイクルなので、あくまでもポート間を移動するためのもの。しかし、それならば、ポートの数も自転車の数ももっと増やして、乗っては返してを繰り返して、食の街「博多」を堪能したいものだと思った食いしん坊の筆者なのでした。