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2018/4/8 16:30

極上の鉄道旅に出かけよう!! JR九州「D&S列車」全11列車の魅力を完全解説!

⑥広がる阿蘇の風景が楽しみな特急「九州横断特急」

「九州横断特急」は熊本地震が起こる前までは、名前の通り、九州を東西に横断した特急列車だった。現在は特急「あそぼーい!」と同じく別府駅〜阿蘇駅を結ぶ特急列車として運行されている。

 

運行日は「あそぼーい!」が運転されない日のみ。要は別府駅〜阿蘇駅間は、「あそぼーい!」、もしくは「九州横断特急」のどちらかが運行される形になっている。阿蘇駅近くの豊肥本線の車窓から見る阿蘇五岳の景色が素晴らしい。

↑国鉄が四国用に開発したキハ185系がJR九州に移り、活用されている。真っ赤な車体が特徴。車内も改造され、木が多用され落ち着いた造りになっている

 

■特急「九州横断特急」

●運転区間:別府駅〜阿蘇駅

●運転日・運転本数:平日を中心に運行(特急「あそぼーい!」の運行がない日)

●1日1往復/車両:キハ185系2両編成

 

⑦天草観光に便利な特急「A列車で行こう」

ジャズのスタンダード・ナンバーの名が付くD&S列車。“16世紀の天草に伝わった南蛮文化”をテーマにした内外装で、天井の造り、座席の模様、ステンドグラスなど細かい箇所の造りが凝っている。

 

A-TRAIN BARと名付けられたカウンターでは、熊本名物のデコポンをアレンジしたハイボールを販売、こちらも名物となっている。終着の三角(みすみ)駅の目の前にある港から、天草・本渡(ほんど)港行きの船「天草宝島ライン」が接続。天草観光にも最適なD&S列車だ。

↑三角線の沿線からは島原湾越しに雲仙を望むことができる。車両はキハ185系を改造したもの。2両で運転される

 

■特急「A列車で行こう」

●運転区間:熊本駅〜三角駅

●運転日・運転本数:土・休日を中心に運行。1日3往復

●車両:キハ185系2両編成

 

⑧古い駅舎が残る肥薩線の名物特急「はやとの風」

鹿児島中央駅と肥薩線の吉松駅間を走る特急「はやとの風」。肥薩線の隼人駅〜吉松駅間は1903(明治36)年に造られた路線で、いまでも開業当時の駅舎が途中、嘉例川(かれいがわ)駅と大隅横川駅に残り、必見の価値がある。

 

登録有形文化財でもある両駅に同特急も停車。停車時間も4〜8分と余裕を持たせているので、写真撮影も可能だ。鹿児島湾越しに見る桜島の風景もまた美しい。

↑漆黒のボディが特徴の「はやとの風」。写真の嘉例川駅の駅舎は115年前に建てられたもの。各列車とも5分前後の停車時間があるので記念撮影も可能だ

 

■特急「はやとの風」

●運転区間:鹿児島中央駅〜隼人駅

●運転日・運転本数:土・休日を中心に運行。1日2往復

●車両:キハ147形+キハ47形2両編成

 

⑨日南海岸の絶景が楽しめる特急「海幸山幸」

日豊本線の宮崎駅と日南線の南郷駅を結ぶD&S列車が「海幸山幸(うみさちやまさち)」だ。地元の神話に登場する海幸彦と山幸彦を元にした特急名で、沿線にはその名前の通り、海の幸、山の幸の宝庫でもある。

 

とくに車内から望む日南海岸の海景色が素晴らしい。沿線には城下町・飫肥(おび)や、景勝地・青島など観光地も多い。途中下車して南国、宮崎の観光も満喫するのも楽しい。

↑日南線を走る「海幸山幸」。沿線の油津港はクルーズ船の寄港地でもある。撮影時、ちょうど油津港には「飛鳥Ⅱ」が寄港していた。「飛鳥Ⅱ」は日本を代表する外航クルーズ船だ

 

↑車両は高千穂鉄道の元TR-400形気道車を使用。全面改造されて運行されている。写真は1号車「山幸」の車内。座席は3列シートで広々している

 

■特急「海幸山幸」

●運転区間:宮崎駅〜南郷駅

●運転日・運転本数:土・休日を中心に運行。1日1往復

●車両:キハ125形2両編成

 

⑩現役最古の蒸気機関車8620形がひく「SL人吉」

最近は、各地でSL列車が増えているが、現役で最も古い蒸気機関車がJR九州の8620形58654号機。誕生したのは1922(大正11)年で、1975(昭和50)年まで活躍、その後、肥薩線の矢岳駅前の人吉鉄道記念館に保存されていた。この車両をJR九州が修復し、「SL人吉」の牽引機として活躍している。

 

「SL人吉」は、機関車だけでなく、客車も魅力満載。クラシカルな内装、前後1号車と3号車に展望ラウンジがあり、球磨川や移り行く景色が楽しめる。2号車にはビュッフェがあり、軽い食事やドリンク、グッズ類が販売されている。

↑1988(昭和63)年に復活された8620形58654号機。長い間、「SLあそBOY」の牽引機として走ったあと、再整備され2009年から「SL人吉」の牽引機として走り続けている

 

↑前後部とも全面ガラス窓の展望ラウンジに改造した50系客車を利用。広々した車窓風景が楽しめるとあって人気だ

 

■「SL人吉」

●運転区間:熊本駅〜人吉駅

●運転日・運転本数:金・土・休日を中心に運行(冬期は運行休止)。1日1往復

●車両:8620形58654号機+50系客車3両

 

⑪極上スイーツが車内で味わえる「或る列車」

鹿児島本線や長崎本線の一部は、1889(明治22)年に私設鉄道会社として生まれた九州鉄道の手により開業された。この九州鉄道が1906(明治39)年にアメリカのブリル社に豪華客車を発注した。九州鉄道は、その後、国有化されたため、ほとんど利用されず消えていった客車だが、豪華な客車は「或る列車」として後世に伝えられた。

 

この豪華な客車を再現したのが「或る列車」だ。金色と黒に塗られ、一部に唐草模様をあしらったユニークな外観が目立つ。車内では東京南青山のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフ、成澤由浩氏監修の軽食とスイーツが楽しめる。

↑外観は金色と黒、加えて唐草模様をあしらった「或る列車」。走るコースは固定されておらず、2018年6月末までは佐世保駅〜長崎駅間の予定

 

運行される路線は2018年6月末までは佐世保駅〜長崎駅間の「長崎コース」の予定。車窓に広がる大村湾の眺めも楽しみだ。

 

■「或る列車」

●運転区間:佐世保駅〜長崎駅(2018年6月末まで)

●運転日・運転本数:金・土・休日を中心に運行。1日1往復

●車両:キロシ47形2両編成

 

これまで見てきたようにJR九州のD&S列車は多種多彩。ただ車両と走る区間の楽しみだけに留まらない。各列車では客室乗務員が乗車し、各種サービスを行っている。記念撮影のお手伝いなど、細かい気配りが各列車で行われていることも、D&S列車の魅力をアップする大きなポイントとなっている。

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