貨物船の内部にはトレーニングルームも!?
一連の積み込み作業を見学したあとは、貨物船の内部を見ることができた。
まず足を踏み入れたのが総排気量3400リッターという巨大エンジンを収めたエンジン室だ。そのエンジンは、ドイツMAN-B&W社のライセンスで韓国メーカーが製造した6気筒2ストロークディーゼルエンジンで、シリンダーの大きさは直径60cmにもなる巨大なもの。出力は1万3560kw(1万8000馬力)ものビッグパワーを発揮し、これはフォレスター(2.5リッター)の約100倍に相当するパワーになるという。このメインエンジンが103rpmでプロペラを回転させ、船を前へと進めているのだ。
航行に携わる乗組員は20名ほどで、航海士は4時間ごとに交代して見張りや操舵を行うが、エンジンには監視システムが用意されているということで、緊急時以外、勤務時間は8時から17時まで。夜間は基本的に無人になるという。
2週間ほど寄港なしで公開が継続されるため、トレーニングルームや娯楽室なども準備。食料も寄港地で積み込んで、料理人も専任で乗船している。
また、船長と機関士長は各上の部屋が用意されるが、広さや設備などに違いはあるものの船員全員に個室が与えられていた。説明では船の持ち主がギリシア人ということで、欧州スタイルが取り入れられていることが大きいという。
このレポートを書いているのは9月23日。この記事が公開されている頃には、バンクーバー港に入港され、新型フォレスターがアメリカ本土に陸揚げされていることだろう。多くの人の手を介して日本を旅立っていった新型フォレスターが、北米の人たちの手に渡る日も間もなくだ。