セントレア(中部国際空港)は、空港敷地内に併設した体験型複合施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)」を10月12日オープンしました。この施設は2015年6月にボーイング社から寄贈されたボーイング787飛行試験初号機「ZA001号機」を核に、体験型コンテンツを提供する有料エリアの「FLIGHT PARK」と、飲食・物販エリアから成る無料エリアの複合施設となっています。
FLIGHT OF DREAMSへの入場自体は無料ですが、FLIGHT PARKへ入るには別途料金が必要です。個人向けチケットは大人(中学生以上)1200円、子供(3歳~小学6年生)800円。このFLIGHT PARKへ入れる営業時間は10時~17時(最終入場は16時30分)で、土曜日のみ10時~19時(最終入場)18時30分)となっています。
一方、無料エリアの飲食・物販エリアは飲食店が10時~22時、物販店が10時~18時。FLIGHT PARKが閉場してからでも、展示されたボーイング787を目の前に飲食を楽しむことができます。
有料のFLIGHT PARKへは1階から入りますが、チケットは入場ゲート手前にあるカウンターで購入できます。ゲートを通過するといきなり目の前にボーイング787飛行試験初号機「ZA001」が現れます。高さ1.7mの台座の上に設置されているため、機体下へ入ってビス1本に至るまで観察できるのです。普段は遠目にしか見られない機体が、すぐ目の前で見ることができるのはこの施設が持つ最大のポイントと言っていいでしょう。
では、このFLIGHT PARKではどんな体験ができるのでしょうか。今回はスポンサー企業であるスバルの招きでひとあし早く体験することができたので、動画を交えつつ見どころを紹介しましょう。
ほかじゃできない! 飛行機をテーマにした未知の体験の数々
【スポット紹介①】
飛行機と映像と音の共演! 「Fly with 787 Dreamliner(フライ ウィズ 787 ドリームライナー)」
最大の見物となるのが「Fly with 787 Dreamliner(フライ ウィズ 787 ドリームライナー)」です。下の動画でもその一端を紹介しますが、ボーイング 787型機の周囲にある空間を使って展開される映像と音のショーが定期的に展開されるのです。
コンテンツは2種類あり、それが交互に上演されることになっていて、その多彩さに圧倒されます。このショーを一望できる場所として用意されたのが4階の観覧エリア。階段を使って上がることができますが、その人数に制限があることから整理券を事前にもらっておくとよいでしょう。
【スポット紹介②】
紙ヒコーキで音と光が変化! 「Paper Plane Music Field(奏でる!紙ヒコーキ場)」
紙ヒコーキを飛ばすコーナー「Paper Plane Music Field(奏でる!紙ヒコーキ場)」もあります。とはいっても、単に飛ばすだけではありません。設備に光のゲートが仕組まれており、飛んだ軌跡に応じて音と光が変化するのです。つまり、紙飛行機の折り方でどうすれば紙ヒコーキが飛んでいくかを試せるわけです。
【スポット紹介③】
憧れのお仕事体験! 「Airline Studio(エアラインスタジオ)」
「Airline Studio(エアラインスタジオ)」ではパイロットや客室乗務員(CA)の制服を着用して航空会社の仕事を実際に体験できます。訪れた人が塗り絵でデザインした“人”をプロジェクションマッピングで登場させ、CAの場合なら空港から飛行機へ案内し、機内でもドリンクのサービスを行うのです。
【スポット紹介④】
自分の描いたヒコーキが飛ぶ!? 「Sketch Airplane(お絵かきヒコーキ)」
飛行機を描いてドーム内で飛ばせるのが「Sketch Airplane(お絵かきヒコーキ)」。飛ばせるのは塗り絵用紙に好きなデザインで描いた飛行機で、それをドーム入口でスキャンすると専用のタブレット上に描いた飛行機が表示されます。
それをタッチすると入口の滑走路上にその飛行機が現れてドームへと誘導。ドームに入るとプラネタリウムのようにドーム内にその飛行機が映し出され、飛び交うたくさんの花のなかを専用タブレットでの操縦に合わせて飛び回ります。花のなかには“幸せの豚”も混じっており、それを獲得するという隠し要素も用意されています。一連の流れを動画でもご覧ください。
【スポット紹介⑤】
リアルな製造現場を映像で再現! Boeing Factory(ボーイングファクトリー)
ボーイング 787型機の製造工程を映像を使って再現するのが「Boeing Factory(ボーイングファクトリー)」です。再現した製造ラインは全5つで、それぞれ約1分、計約5分のコンテンツとなっています。
リアルな製造現場を再現するため、スタッフが実際に米ワシントン州のエバレット工場まで出掛けて撮影したものも含まれているといいます。そのリアルな映像を見ながら遠くシアトルで作られているボーイング787に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
【スポット紹介⑥】
パーツを集めて飛行機を完成させよう! 「787 Dreamliner Explorer(歩いて集める飛行機図鑑」
また、自身のスマートフォン上でボーイング787を構成するパーツを集めて飛行機を完成させるアプリ「787 Dreamliner Explorer(歩いて集める飛行機図鑑)」も用意されました。展示してあるボーイング787の周囲をくまなく周回することで解説付きの図鑑が完成する仕組みです。スバルはこの2つに協賛しています。
【スポット紹介⑦】
ボーイング787を間近で楽しめる! 「ZA001 Flight Deck(ZA001 コックピット)」&「787 Simulator(787 シミュレーター)」
実際にボーイング787に触れて楽しめるコンテンツも用意されました。1つが「ZA001 Flight Deck(ZA001 コックピット)」。ここでは展示してあるボーイング787飛行初号機である「ZA001」のコックピットを間近で見ることができます。アクリルボード越しであるため、実際に座ることはできませんが、実際に空を飛んで米国からやってきた本物の飛行機を身近に見られるのです。
そして、ボーイング787を実際に操縦した気になれるのが「787 Simulator(787 シミュレーター)」です。これは事前予約と別料金が必要になりますが、コックピットは本物のボーイング787のものを導入。係員のガイドもあるので、大人だけでなく子どもも楽しめるのがうれしいですね。
このほか、世界最大級の航空宇宙をテーマとした博物館「シアトル航空博物館」のSTEM教育プログラムを体験できるワークショップも土日祝を中心に不定期開催されます。
無料エリアも充実! 特にフードコートは圧巻
続いては無料エリアです。1階の入口から左手に進むと無料エリアへ入っていきます。その入口には全米で14店舗展開する「ボーイングストア」が米国外で初登場です。
ここではアメリカから直輸入したボーイング関連のオフィシャルグッズを買うことができ、今後は本物の航空機の部品を用いたオブジェや家具など、航空ファン必見の商品も販売する予定だそうです。
エスカレーターかエレベーターを使って上階へと進むと、2階と3階はボーイング創業の地である米シアトルの街並みをイメージして作られた飲食・物販エリア「SEATTLE TERRACE(シアトル・テラス)」。16店舗が軒を連ね、2階にはイートインができるフードコートも用意されています。
なかでも圧巻なのはこのフードコートで、天井まで吹き抜けた構造のなかにボーイング787の主翼が迫り出しているのです。ここはまさに機体を眺めるというよりも、機体を間近に感じながら食事をするって感じ。こんな場所は世界中どこへ行ってもないのではないでしょうか。
しかも、ここの営業時間は22時まで。FLIGHT PARKで目一杯楽しんだあとは、ボーイング787の余韻に浸りながら食事を取ることができるのです。FLIGHT OF DREAMSはマニアでなくても一度は体験してみたい施設と言えるでしょう。