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2018/11/17 17:00

兵庫県の気になる短め2路線 — 乗車時間は数分だが見どころ満載!【JR和田岬線 編】

 

【和田岬線の魅力4】踏切で昭和のレトロな風景がよみがえる

↑御崎通(みさきどおり)踏切を和田岬線の103系を通り抜ける。周囲の建物こそ現代流だが、103系が通ると昭和の風景がよみがえってくるようでおもしろい

 

全線が地上を走る和田岬線。当然のごとく道路と交差するポイントには踏切が設けられる。その数、計7か所。そこを103系が通過する。

 

近年、都市部では路線の高架化が進み、車やバイクが踏切待ちをする風景が少しずつ減ってきている。さらに103系という昭和を代表する鉄道車両。103系が通り過ぎるこの路線では、昭和の風景が今でも息づいているように感じた。

↑早朝のJR和田岬駅。同線を利用する通勤客は7時台だったのにも関わらず多めだった。線路はここで行き止まりだが、以前は三菱重工業神戸造船所まで専用線が延びていた。2009年まで木造駅舎だったが、今は入口のみの簡素な造りになっている

 

↑JR和田岬駅から南側を望む。道路越しに三菱重工業の建物が見える。そのすぐ横には神戸市営地下鉄海岸線の和田岬駅の入口が設けられる

 

 

【和田岬線の現状】黒字路線なのに廃止論議が浮かび上がる不思議

現在、和田岬駅はJR和田岬線の和田岬駅と、2001(平成13)年に開業した神戸市営地下鉄海岸線の和田岬駅がある。

 

地下鉄海岸線の開業でJR和田岬線の利用者が3割、減った。それでも和田岬線の1日の乗車人数は約1万人とされている。朝夕のみの運行と、利用者に合わせ効率的な列車の走らせ方をしていることもあり、本数の少ないローカル線ながら立派な黒字路線となっている。

 

一方で、2010年に「運河の中央部をまたぐ和田岬線が船の航行を阻害し……」という理由から、神戸市議会が和田岬線の廃止を求める要望をJR西日本へ提出した。地元の神戸市では兵庫運河を利用した「ウォーターフロント計画」を進めている。その計画を立てる上で和田岬線の和田旋回橋があることで、観光船を通すことができない、と邪魔もの扱いされたのである。

 

黒字路線なのに廃止を、と訴えた例は国内では皆無ではないだろうか。早ければ2012年度には廃止を、という話まで浮かびあがった。その後、路線が走る地元や利用者からは廃止反対の声が巻き起こり、また市民からも多くの反対意見が寄せられた。

 

JR山陽本線を通勤に利用する人が和田岬駅近くの工場へ通う場合に、和田岬線を使えば圧倒的に便利だ。市営地下鉄は乗換えが不便と、敬遠する人も多い。

 

現在は、廃止論議が納まりつつあるものの、沿線にある川崎重工業の経営悪化という問題もあり、この先、和田岬線がどうなっていくのか注目される。

↑和田岬線に使われる103系は1編成のみ。同車両が検査されている時には207系が代わって運行される。2018年11月現在、103系の運行が確認されているが、ここ数年で状況は変る可能性がある

 

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