【注目はここ!③】最短3時間58分で走る「北海道新幹線」
ダイヤ改正が集中する3月16日。列島の北、JR北海道からダイヤ改正のポイントを見ていこう。
2016年3月26日に開業した北海道新幹線。新青森駅から新函館北斗駅までが延伸され、東京と北海道が新幹線の線路で結ばれた。とはいうものの、津軽海峡の海底をくぐる青函トンネル内で、貨物列車と線路を共用しているため新幹線の列車も最速140kmとスピードが抑えられていた。
この春にようやく青函トンネル区間での最高時速が160kmに引き上げられる。最高時速を引き上げることで東京駅〜新函館北斗駅間の所要時間がやや短縮され、最短3時間58分と4分間短縮される列車が登場する。
◇飛行機に対抗できるとされる“4時間の壁”は切ったものの
新幹線の所要時間では “4時間の壁”という言葉が良く使われる。ライバルとなる飛行機を利用するか、新幹線を利用するかの境目が4時間だというのである。だが、北海道新幹線の現状を見るとより厳しく映る。
札幌駅を最終目的地としてルート設定を行ったことから、函館市内と最寄りの新函館北斗駅が、かなり離れてしまった。ちなみに函館駅と函館空港間のバスが所要約20分。函館駅と新函館北斗駅間を結ぶ「はこだてライナー」が約20分だ。空港、かたや最寄り駅からかかる時間は変わりないが、待合せ時間などを加えると北海道新幹線では最短4時間49分(それでも4分短縮した)となってしまう。しかも3時間58分で走る列車は下りが2本、上りが1本と少ない。
JR東日本では、盛岡駅〜新青森駅間の最高時速を320kmまで引きあげる計画を検討していると伝わる。こうしたスピードアップが実現して本来の速さが、より活きてくるのではないだろうか。
◇石勝線の新夕張〜夕張駅間が4月1日で廃止に
JR北海道の在来線で目立ったのが石勝線のダイヤ改正。札幌駅〜釧路駅間を走る特急「スーパーおおぞら」のうち、追分駅と新夕張駅に停車する列車が3本増える。一方で追分駅〜新夕張駅間を走る普通列車が改正前に、上り下りで計10本走っていたが、ダイヤ改正後はわずか5本に減便される。
石勝線では3月31日で夕張支線の夕張駅〜新夕張駅間16.1kmが廃止される。産炭地として栄えた夕張で、最後の路線となっていた元国鉄夕張線も127年の栄光の歴史を閉じることになった。石勝線の普通列車の減便と夕張支線の廃止。地方路線を存続していく難しさを如実に物語っているようだ。
【注目はここ!④】新設の特急「はちおうじ」「おうめ」が登場
JR東日本の路線で大きく変るのが中央線を走る列車それぞれ。上げてみると。
・特急「あずさ」「かいじ」の全列車がE353系に
・東京駅〜八王子駅間に特急「はちおうじ」を新設
・東京駅〜青梅駅間に特急「おうめ」を新設
・富士急行線に直通の特急「富士回遊」を新設
といったことが挙げられている。それぞれの列車ともに増備が進むE353系によって運転される。
◇新車両E353系の強みを活かした新着席サービス
増備が進んだ特急用車両のE353系。3月のダイヤ改正からは「あずさ」だけでなく「かいじ」の全列車にも使われるようになる。
E353系は働き場所が広がり、特急「はちおうじ」、特急「おうめ」が朝晩に運転される。新特急の創設は、やはりライバルとなる京王電鉄の「京王ライナー」や、西武鉄道の「拝島ライナー」といった有料座席指定列車に対抗する意味合いが強いように思われる。
加えて、中央本線から富士急行線へ乗り入れる新特急が登場。新宿駅〜河口湖駅間を特急「富士回遊」が毎日2往復で走り始める。海外から訪れる旅行客の増加に合わせた新特急の創設となった。
定期的に運行される特急すべてがE353系の運用となり、座席上に設けられたランプを活かした新着席サービスも採り入れられる。既存の特急で見ると常磐線のE657系を利用した特急「ひたち」「ときわ」と同様のサービスとなる。
座席指定券と空席があれば座れる座席未指定券も発売される。ちなみに座席指定券も座席未指定券も料金は同じだ。また「えきねっとチケットレスサービス」を利用すると100円の割引となる。
今年はまだ導入されなかったなが、中央線の普通電車には将来、グリーン車が連結される予定だ。さらに数年後、中央線は大きく変っていきそうだ。