スポーツやセダン、ワゴン、軽自動車、コンパクト、SUVなど、平成の30年間で様々な国産名車が世の中に誕生しました。地球温暖化対策をはじめとした排ガス規制の観点から”エコ”がキーワードになった平成の時代を、77台の注目車で振り返ります! 今回は平成元年~14年の平成初期~中期をプレイバック!
30年間で浸透していった環境と安全への配慮
平成になって間もない頃には、まだバブルの雰囲気が残り、豪華で速いクルマが注目を浴びていました。しかし、その後はステーションワゴンやRV(いまでいうSUV)車が人気に。そのなか、平成9年に登場したのがプリウス。世界初の量産ハイブリット車は圧倒的な燃費を誇り、他社もハイブリッドなど、エコなモデルに注力することとなりました。
一方、世界に通用する高級車を目指したレクサスや、世界最高峰の性能を持つ日産GT‐R、ホンダのHVスーパーカーNSXのようなクルマも登場。また、ここ数年は日本だけでなく、世界的にSUVが市場を席巻しつつあります。衝突軽減ブレーキなどの安全装備の飛躍的進化は平成の終盤から始まった出来事でしょう。
【平成元年】 世に影響を与える日本車が続々と現れた1年
【トヨタ セルシオ】
シーマに対抗して登場!当時の最高級セダン
昭和末期の「シーマ現象」(※1)に続いて登場したのがセルシオです。世界に通用する高級セダンを念頭に開発され、その恐るべき静粛性と滑らかな走りには世界が震撼。主戦場の北米だけでなく、バブル期の日本でも販売台数が伸びました。
※:「シーマ現象」とは、バブル時代、日産のシーマが驚異的な大ヒットとなったことを表すもの。3ナンバーの高級車が庶民化し、大いに話題となりました。1988年(昭和63年)の流行語にもノミネートされました
【日産 180SX】
ドリフト車のベースとして驚異的な人気を誇った
昭和末期に出て大ヒットしたシルビアの兄弟車。スタイリッシュさが受けてシルビアがモデルチェンジしても継続販売されました。ドリフト車として人気を博したのも有名。
【スバル レガシィ】
ツーリングワゴン人気に火を付けた傑作
それまで地味な存在だったスバルが起死回生をかけて放った意欲作。ハイパワーなボクサーエンジンを搭載する4WDワゴンとして人気を博しました。
【マツダ ユーノス ロードスター】
オープンカーの美点を世界中に喧伝した名車
オープンカーが絶滅状態だったなかに現れて大ヒット。シンプルなデザインや「ヒラリ感」と評される軽快な走りも持ち味です。ロードスターの成功を見て世界中のメーカーがオープンカーの開発を急ぎました。
【日産 スカイラインGT-R】
16年ぶりに復活したGT-Rに沸いた!!
名機RB26DETT型エンジンの強力なパワーをあまさず路面に伝えるべく、状況に応じて前輪にトルクを最適に配分する画期的な「アテーサE-TS」を搭載。現在、中古車は高騰中です。
【日産 インフィニティQ45】
北米高級車市場の一角を狙った一台
セルシオに負けじと日産が送り込んだ対抗馬は、デザインも走りもチャレンジング。グリルレスに七宝焼きエンブレムを組み合わせた初期型のフェイスが印象的でした。
【日産 フェアレディZ】
自慢の280馬力! 日本車の自主規制はこのクルマから
いま見てもイケてるスタイリングは、当時もものすごくカッコよく見えました。長く続いた日本車の280馬力の自主規制は、このクルマから始まったことも有名な話。当時の日産がいかに元気だったかを象徴する1台です。