【相模線の謎⑦】海老名駅から次の厚木駅まで並走する路線は?
相模原台地を徐々に下り降りてきた相模原線は、海老名駅の手前で左手に見えてきた線路と並走するように走り始める。さてこの路線はなんだろうか?
小田急小田原線や相模鉄道本線の海老名駅は、相模線の海老名駅とやや離れたところにあるからちがう。
答えは、相模鉄道の厚木線だ。
相模鉄道の厚木線は旅客営業をしておらず、一般には馴染みの薄い路線だ。路線の登録上は貨物線となっている。といっても貨物列車は走らない。走るのは相模鉄道に運ばれてきた新造車両や、厚木駅(貨物駅)構内にある留置線を使用する車両のみだ。
海老名駅の自由通路からも見える路線だが、この線路を走る電車をもし見ることができたならば、かなり希少な場面に遭遇したと思って良いかも知れない。
相模鉄道厚木線は、相模線の海老名駅と厚木駅の間の1.7km、ぴったりと寄り添うように走る。
これこそ、相模線が相模鉄道として一緒だったころの面影を残す区間でもある。現在は相模鉄道の厚木駅は、新造車両の導入や、試運転車両の走行、また休車となった車両の停め場所などとして使われている。
2019年の暮れには相模鉄道とJR東海道貨物線との間に新線が誕生、旅客列車の相互乗り入れを始める予定になっている。現在、あまり使われていない相模鉄道の厚木駅も、駅施設の一部整備が行われている。新線開業後は駅構内の様子も変ってくるのかも知れない。
【相模線の謎⑧】次は「社家駅」。さてこの駅は何と読む?
海老名駅と厚木駅で乗車していた人たちが大きく入れ替わる。両駅での乗換えが非常に多いことが良く分かる。
厚木駅の次は社家駅だ。さて社に家と書き、何と読む? 答えは「しゃけえき」だ。難読駅と言っても良いだろう。地名をもとにしている駅名だろうが、どのような意味があるのだろう。
「社家」という言葉は事典を見ると「神職の家柄」とある。世襲していた神社の家柄や神主を指す言葉だ。社家駅は海老名市社家という住所にある駅だが、この社家地区には古くから神職に携わる人が多く住んでいたようだ。なかなか由緒ある地名なのである。
社家駅のすぐ近くで相模線と東名高速道路がクロスする。さらに社家駅付近から右手に相模線と平行して圏央道(首都圏中央連絡自動車道)が延びている。東名高速道路に加えて圏央道は、ここ数年、整備が進み、ジャンクションなどの施設が相模線を絡むような形に設けられている。
社家駅と同じ形の駅舎が残る倉見駅付近では東海道新幹線が相模線とクロスする。倉見駅のホームから、東海道新幹線を通る列車の通過音が良く聞こえる。
【相模線の謎⑨】相模線の踏切の後ろに立つ鳥居はどこのもの?
宮山駅と寒川駅の間、大門踏切という踏切のそばに大きな鳥居が立っている。この鳥居はどこの神社の鳥居なのだろう。相模線を使って参拝客が多く訪れる寒川神社。その最寄り駅は宮山駅のはずなのだが。
相模線の踏切そばにある鳥居は寒川神社の一の鳥居だ。さらにこの先にある入口まで参道が続き、二の鳥居、三の鳥居と続く。参道の長さはなんと850mにも及ぶ。
約1600年の歴史を持つ寒川神社。相模國一之宮と称され、全国唯一の八方除の守護神として崇拝される。この参道の長さだけを見ても、多くの人たちからの崇敬を集めてきたことが分かる。