【新型12000系①】金沢八景生まれの新車はこうして運ばれた
3月28日に公開された車両は昨年暮れ、すでにかしわ台車両センターに運ばれた。寄り道をして申し訳ないが、鉄道好きとしては、この輸送ルートが、なかなか興味深い行程をたどったので触れておきたい。
新型12000系は京浜急行の金沢八景駅近くにある総合車両製作所横浜事業所で生まれた。いわば横浜「金沢八景生まれ」だ。さて金沢八景駅からどのようなルートで運ばれたのだろう。
輸送行程をたどってみよう。
まずは工場を出て京急の金沢八景駅へ。京急逗子線をJR貨物のDE10形式ディーゼル機関車に牽かれて走る。京急の路線は線路幅が異なるので、新逗子駅近くまでは三線軌条と呼ばれる3本レール区間を通って運ばれる。
新逗子駅近くで、連絡線を通りJR横須賀線の大船駅へ向かう。この駅から茅ヶ崎駅方面へ走れれば距離も短くてラクなのだが、機関車の付け替えが同駅ではできない。そこでそのまま大船駅を通過。JR根岸線へ入り、桜木町駅へ。
桜木町駅からJR高島線(貨物線)へ入る。さらに北上。武蔵野貨物線にある新鶴見信号場を目指す。新鶴見信号場で機関車を前から後ろへ機回し。進行方向を変えて、東海道貨物線にある相模貨物駅を目指す。途中、「相鉄・JR直通線」の新駅、羽沢横浜国大駅を横目に見ての輸送だった。
相模貨物駅で再度、機関車を前から後ろへ付け替え、進行方向を変更して茅ヶ崎駅を目指す。茅ヶ崎駅からJR相模線へ入り、厚木駅へ。厚木駅構内に相模鉄道厚木線(貨物線)への連絡線がある。ここからようやく相模鉄道路線内に入り、かしわ台車両センターへ運ばれた。
「相鉄・JR直通線」が開業するまで、11月までこうした新造車両の輸送が頻繁に行われそうだ。興味のある方は沿線で見学してみてはいかがだろう