【どうなる新線?②】路線工事が進む各所の今を見てまわる
11月30日に開業する「相鉄・JR直通線」。写真で相鉄本線の分岐点から新線をたどってみよう。まずは相鉄本線から分岐する西谷駅(にしやえき)から。
「相鉄・JR直通線」の相鉄本線側の起点となるのが西谷駅だ。同駅は従来の本線用の2本のレールに加えて、ホームをはさみ平行して新線用のレールが敷かれている。二俣川駅側には折り返し用の留置線の工事も進められていた。
新線はこの西谷駅の横浜駅側から西谷トンネルへ入る。そしてトンネルはそのまま新駅の羽沢横浜国大駅へ続く。
羽沢横浜国大駅のホームを過ぎるとレールが分岐するポイントがある。まっすぐに進むのが2022年度に開業予定の「相鉄・東急直通線」だ。その左右に分かれるレールが、JR東海道貨物線を結ぶレールで合流ポイントまで敷設される。
まだ電車が走らない路線のため、外から見ることが可能な場所から、新線を追ってみた。工事の申請から13年という歳月をかけての開業。追ってみると、なかなか新規プロジェクトの大変さを窺われた。
【どうなる新線?③】今後の課題そして加算される料金の問題
今回の新車発表とレール締結式では新線の開業日の発表はあったものの、運転計画などの発表は行われなかった。
東海道貨物線は深夜から早朝、そして夜にかなりの多くの貨物列車は走っている。朝にはその合間を利用してJR東日本の湘南ライナーが走る。さらにその先では、湘南新宿ライン、横須賀線、埼京線の多くの列車が過密気味のダイヤで運行されている。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構の事業概要では朝ラッシュ時間帯は1時間に4本、その他の時間帯は2〜3本となっている。
既存の路線にどの程度の本数を走らせる余裕があるのか、列車の運行をめぐり開業間近までJR東日本と相模鉄道の折衝が続けられそうだ。
相鉄の本線を利用する人にとっては、便利になることは確かだが、何本走るのか、どこまで乗継ぎなく行くことができるのかが気になるところだ。本数が少なく、あまり先まで行けないとなると、多少は便利になったけれど、やや不満ということになりそうだ。
さらに厳しいことにも触れておかなければいけない。新線を使うと加算運賃が適用される。新線建設等にかかった設備投資費用の一部は利用者の負担で賄われるわけだ。加算運賃は基本運賃+30円となる。
2022年度下期には「相鉄・東急直通線」も開業する。こちらは新横浜駅(仮称)と通り、東急東横線の日吉駅と結ばれる。前述した鉄道建設・運輸施設整備支援機構の事業概要では、この新線では朝のラッシュ時間帯に1時間に10〜14本、その他の時間帯に4〜6本が走るとされている。こちらの連絡路線は列車の本数も多くかなり便利になりそうだ。
いずれにしても両線ができ上がった時点で、新線建設の成果が発揮されることになりそうだ。そこまではちょっと我慢となるのかも知れない。
【ギャラリー】