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2019/6/14 19:00

乗り心地はロールスより上。現行「センチュリー」が世界イチ快適なのは「日本の治安」が関係

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、トヨタ高級サルーンの最高峰、センチュリーを徹底取材しました。日本の伝統と格式をここに見たっ!

 

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【登場人物】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどで、クルマを一刀両断しまくっています。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更しました。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】トヨタ/センチュリー

SPEC●全長×全幅×全高:5335×1930×1505㎜●車両重量:2370㎏●パワーユニット:4968㏄V型8気筒エンジン+モーター●最高出力:381PS(280kW)/6200rpm●最大トルク:52.0㎏f-m(510Nm)/4000rpm●JC08モード燃費:13.6㎞/ℓ●1960万円

 

安ド「殿! さすが日本の頂点はすごいですね!」

永福「どこがすごいと感じたかのう」

安ド「全部すごかったですけど、乗り心地の良さが一番すごかったです! 走れば走るほど疲れが取れるみたいな気がしました!」

永福「人間、まったく揺れないのが一番いいような気がするが、上等に揺れると、そっちのほうが気持ちいい。不思議なものだな。これは母の胎内の記憶だろうか」

安ド「なるほど! 母の胎内ではプカプカ浮いていたわけですからね!」

永福「うむ。そのせいかどうかわからんが、エアサスのような、文字通り浮かんだような乗り心地のクルマに乗ると、地面に置かれた椅子に座るより気持ち良いようだ」

安ド「これほど乗り心地の良いクルマに乗ったのは、生まれて初めてでした!」

永福「私もだ」

安ド「えっ、殿もですか!」

永福「うむ。いままでのベストは先代ロールスロイス・ファントムだったが、それとほぼ同レベル」

安ド「先代ファントムですか?  新型ではなく」

永福「うむ。新型ファントムは、ホイールがあまりにも大径すぎて、乗り心地が微妙にコツコツする。よって先代のほうが乗り心地は良かったのだが、それと比べても、着座位置が低いぶん、センチュリーのほうが微妙に上かもしれぬ。つまり、現行モデルではセンチュリーが世界一だろう」

安ド「すごいですね!」

永福センチュリーが世界一になれたのは、日本の治安がいいからなのだ

安ド「は? 犯罪と乗り心地に関係が?」

永福「いや、テロや誘拐が少ないからだ。ロールスロイスは世界のセレブも乗る。つまりテロや誘拐のある国でも使われるので、いざというとき、相手のクルマから逃げ切れる硬めの足まわりが必要だ。しかしセンチュリーは国内専用。そんな必要はない」

安ド「なるほど!」

永福「基本的に、ゆったり穏やかに走ることだけを想定すればいいので、そういう走り方で最高の乗り心地を目指せるのだ」

安ド「まさか治安が関係しているとは思いませんでした!」

永福「それにしても、センチュリー伝統の靴べらホルダーが、新型にも残されたことに感動だ」

安ド「そんなに注目していたんですか?」

永福「もちろんだ。なにしろ世界唯一の装備だからな」

安ド「あのロールスロイスにも靴べらホルダーはないんですね」

永福「もちろんない。なぜなら欧米人は、車中で靴を脱がないだろう」

安ド「あ、そうか!」

永福「車中でも自宅のように靴を脱ぎたくなるのが、日本人の習性。まさに日本国内専用の最高級車・センチュリーならではの装備だ」

安ド「さすがセンチュリーです!」

 

 

【注目パーツ01/レースのカーテン】上品な雰囲気でお顔を隠します

取材車にはオプションで左右両開き式のレースのカーテンが装着されていました。スモークを貼るなどしてただ見えなくするのと違い、とっても上品な雰囲気です。ちなみに価格は後方の電動カーテンと合わせて約16万円でした。

注目パーツ02サイドシル】足を上げる高さを極力低く

後席のサイドシル(ドア開口部床面のでっぱり)部分がフラットになっています。段差をなくすことで、後席に乗った高貴な方が少しでも足を上にあげなくて済むように配慮しているのです。おもてなしの極致ですね。

 

 

注目パーツ03エンジン】これが現代式の上質と洗練

 

パワーユニットは、先代型に搭載されていた5.0ℓV12気筒エンジンから、5.0ℓV8エンジンをベースとしたハイブリッドシステムに変更されました。もちろん堂々たる体躯を動かすには十分な代物で、圧倒的な静かさも獲得しています。

 

 

注目パーツ04リアシート空間】すべては後席に座る人のため

先代型より65㎜延長されたホイールベース(前後車輪間の距離)は後席のスペース拡大にあてられ、ただでさえ広かった足元はさらにゆとりたっぷりに。電動オットマンやエンターテインメントシステムも充実しています。

 

 

注目パーツ05靴べらホルダー】大いなる遺産を受け継ぐ

ロールスロイスには(ドア断面部に)傘入れが付いていますが、センチュリーには“靴べら入れ”がある! 前方に備えられたベルト部分に靴べらを固定するだけのものですが、先代型から引き継いだ大いなる遺産です。

 

 

注目パーツ06足まわり】究極の乗り心地を実現

なにはなくとも「ショーファーカー」ですから、乗り心地が徹底的に高められています。電子制御のエアサスペンションに加えて、サスやブッシュ、マウントなどのゴム部品、タイヤまでもがそのために開発されました。

 

 

注目パーツ07額縁風ウインドウ】その姿はまるで絵画のよう

センチュリーにとって、後席は上座です。そのため、窓だって見栄えが良い必要があります。リアウインドウの周囲は重厚で存在感のあるシルバーの枠で縁取られており、後席の乗員が顔を出すとまるで絵画のように見えます。

 

 

注目パーツ08鳳凰】こだわりが詰まった同車の象徴

フロント、およびリアに装着されたエンブレム内では、鳳凰が誇らしげに鎮座しております。この金型は、職人さんが約1か月もかけて丁寧に彫り込んだものだそうで、その繊細さや躍動的な表現には目を見張るばかりです。

 

 

注目パーツ09フロントグリル】見えづらい奥までこだわる

エンブレム周囲には格子模様のグリルが配置されていますが、よく見ると二重構造になっていて、奥には日本の伝統的なデザインである「七宝文様」が見られます。円満や財産、子孫繁栄などを表す文様なんだとか。

 

 

【これぞ感動の細部だ/ボディサイド面】一面真っ平らで表した格式の高さ

一点のくもりもない鏡面仕上げのボディサイドに、安ドがクリアに写ります。美しさを強調するため側面のキャラクターラインを2本のみとし、よどみのない平らな面が高い格式を感じさせます。また、この黒いボディ色は「神威(かむい)」という名称で、黒染料入りカラーなどを7層も塗り、研ぎと磨きを加えることで漆黒感を高めています。

 

 

 

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撮影/我妻慶一

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