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2019/7/28 18:00

間近に迫るJRとの相互直通運転 −− 活気づく「相鉄線」の工事進捗をレポート!

【変わる相鉄線③】JRとの相互直通運転で使われる車両は?

相鉄・JR直通線では相鉄の新型12000系と、埼京線用のJR東日本のE233系が使われる。

 

とくに12000系はJR線への乗り入れがスムーズに行われるように、JR東日本の通勤用電車を代表するE233系と機器類を、極力合わせて造られている。言わずもがなだが、自社線は自社の運転士が、乗り入れ先では他社の運転士が行うわけで、扱い慣れている車両が直通運転では必須なわけだ。

 

12000系は、総合車両製作所(横浜市金沢区/JR東日本の子会社)で製造された。ちなみにE233系も総合車両製作所で造られており、12000系とE233系はいわば兄弟車両と言って良いだろう。

 

ただし個性的な正面のデザインや、内装など相鉄流のおしゃれな“味付け”が行われている。E233系に乗り慣れた乗客が、12000系に乗った時にどのような“反応”が見せるか、このあたりも直通運転当初のお楽しみになりそうだ。

 

↑相鉄への乗り入れに使われる埼京線のE233系。埼京線のE233系は7000番台に区分けされている。相鉄・JR直通線の開業予定に合わせ、7編成70両が増備された。JR側もすでに準備万端といった状況だ

 

ちなみに相鉄では11000系という車両も走っているが、この車両も12000系と同じように、JRのE233系とほぼ同機能。同性能を持っている。この11000系だが、現状では直通運転には使われないとのことだった。今後、増便などがない限りは相鉄の12000系を使っての運行が進められる。

 

 

【変わる相鉄線④】すでに新線では試運転電車が走り始めていた

相鉄線と相鉄・JR直通線が分岐する駅は西谷駅。現在は「各停」しか停車しない駅だが、開業後は大きく変わる。急行を除きすべての電車が停車するようになる。急行も通勤急行は西谷駅に停車するようになる。

 

乗り換えという重要な役割を持つ駅に“格上げ”されるわけだ。そんな西谷駅に訪れた。駅近くの跨線橋に上がると。

 

あれ〜! トンネル内を電車が走ってくるような耳慣れない走行音がする。しばらくすると12000系が新線のトンネルを出てきた。そう! 試運転が始まっていたのである。12000系を利用、すでに西谷駅〜羽沢横浜国大駅の間で試運転が連日、続けられている。

 

↑西谷駅を発車する羽沢横浜国大駅行き試運転電車。相鉄本線はホーム中側の2・3番線を利用。新線は外側の1番・4番線が使われる。ホームや駅周辺では改良工事が続けられていた

 

西谷駅すぐ近くの跨線橋からは、駅ホーム側と、逆側の新線のトンネルの出入り口が見ることができる。上写真が駅ホーム側、下写真が相鉄・JR直通線のトンネル入口の様子だ。試運転がすでに開始されているだけに、トンネルの出入り口の付近の工事はほぼ終わっているように見えた。

 

↑西谷駅から相鉄・JR直通線へ走る試運転電車(左側)。右側には新線のトンネルの出口があり、試運転電車は西谷駅の1番線ホームへ上がっていく様子が見えた(右上写真)
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