正直なところ自然吸気仕様がジャスト
今回はタントが自然吸気エンジン、タント カスタムはターボエンジン仕様が試乗車として用意されていましたが、その走りはいずれも納得の出来映えでした。トランスミッションは、いずれもスプリットギアを追加して効率を高めた新開発のCVT(D-CVT)でしたが、アクセル操作と実際のレスポンスがリンクしないCVTの悪癖が抑えられ日常域の扱いやすさは十二分。ギアの守備範囲がワイド化された恩恵か、車内に届くノイズも許容範囲内。特に速度が速くなってくると、先代より着実に静粛性が高まっていることが実感できます。
また、特に自然吸気仕様は良い意味で穏やかなライド感も印象的でした。足回りは搭載エンジンによるセッティングの違いがなく、いずれもFF仕様だった試乗車の場合はタイヤサイズが異なる程度だったのですが、必要にして十分な速さとまろやかな乗り心地がミックスされた自然吸気仕様は毎日使う道具にはピッタリの出来映えと感じられました。
もちろん、高速走行の頻度が高い人やアップダウンが激しい山岳路などが日常的環境にある人なら選ぶべきはターボ仕様です。ただ、このクルマ本来のキャラクターやコストも重視されるべき軽自動車という役どころを思うと、日々の伴侶には自然吸気仕様がジャストというのが正直なところになるのです。
SPEC【タントX(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1755㎜●車両重量:900㎏●パワーユニット:658㏄水冷直列3気筒12バルブDOHC●最高出力:52PS/6900rpm●最大トルク:60Nm/3600rpm●WLTCモード燃費:21.2㎞/ℓ
SPEC【タント カスタムRS(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1755㎜●車両重量:920㎏●パワーユニット:658㏄水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ●最高出力:64PS/6400rpm●最大トルク:100Nm/3600rpm●WLTCモード燃費:20.0㎞/ℓ
撮影/宮越孝政
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