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2019/10/25 18:30

ダイハツのフラッグシップカーにして、GT的資質を持つ 最高のオープンカー「COPEN GR SPORT」を徹底レビュー

東京オートサロン2019でコンセプトモデルが電撃発表され、話題沸騰となっていた「COPEN GR SPORT」が、東京モーターショー2019を前に正式発表された。本誌では事前にサーキットにて試乗。同モデルの意外な方向性と実力を徹底解説する。

 

【COPEN GR SPORTの詳細はコチラ

 

 

【解説してくれるのは】

モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん

現行コペンの登場からレポートを担当。これまでスポーツカーを中心に25台の愛車を乗り継ぐ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

「しなやかさ」を極めてコペンらしさを見事に表現

コペンはダイハツの誇るオープンスポーツカー。外装を変更できる「ドレスフォーメーション」など、唯一無二の立ち位置が老若男女に支持されている。一方、「GR」はTOYOTA GAZOO Racingがモータースポーツで培った技術が注入されるブランド。本車は、トヨタ車以外で初めてGRが付いた注目モデルだ。

 

まずお伝えしたいのが、既存の上級グレード「S」とは同じスポーツでも方向性が異なる点。Sのハードな走りとは対照的に、しなやかさを極めることでもスポーツを表現できると考えた開発陣は、それを見事に実現している。

 

フットワークも際立つ。路面の凹凸をなめるようにいなし、フラットな姿勢を保ちながら、ステアリングワークに対しては遅れることなく正確に応答する、まさしく“意のまま”のハンドリングは感動モノだ。ドライブしていて本当に気持ちが良い。

 

GRっぽさを視覚的にも伝える、既存のコペンとは異質のスタイリングも見どころだ。これらは見た目だけではなく、高次元の空力性能をも兼ね備えており、車速を高めるほどグリップ感が高まる。

 

本車には期待を超える、新感覚の“スポーツ”が体現されていた。こういうコペンを待っていた人も少なくないはずだ。

走り重視のSと共通意匠のレカロシートにGR SPORT専用の表皮が与えられている

 

ドアグリップやセンターコンソールに上質感を演出するピアノブラック調の専用加飾を施したほか、自発光式3眼メーター、MOMO製革巻ステアリングホイールなどを標準装備

 

ボディ剛性や空力性能を向上させる専用アイテムを各部に追加

 

 

ダイハツ
COPEN GR SPORT
238万円~243万5000円

トヨタのスポーツ部門「TOYOTA GAZOO Racing」と連携してダイハツが開発した、コペンの最新モデル。「ローブ」をベースに、ボディの剛性強化や足まわりのチューニングを中心に改良を施し、思い通りに操れる走行性能を獲得。

 

SPEC
●全長×全幅×全高:3395×1475×1280㎜●車両重量:870㎏(CVT)、850㎏(MT)●パワーユニット:658cc直列3気筒DOHCターボ●最高出力:64PS(47kW)/6400rpm●最大トルク:92Nm(9.4㎏-m)/3200rpm●WLTCモード燃費:19.2㎞/l(CVT)、18.6㎞/l(MT)

 

 

ベース車の「ローブ」から変わっているところBest3

よりスポーティーになったフロントフェイスが最も異なる

GR SPORT

ブランドアイコンであり機能性を追求した、トヨタのGRのラインナップと共通イメージの「Functional MATRIX」グリルを採用

ローブ

軽自動車の常識を打破した立体的な造形が特徴。ローブおよびエクスプレイはシングルフレーム風のデザインを採用している

 

水平基調のリアスタイルでイメージ一変

GR SPORT

ブラックアウトしたテールランプをブラックラインでつなぎ、水平基調の構成を強調してワイド&ローを表現。エンブレムも専用だ

ローブ

こちらもトランクフード後端をダックテール形状にするなど工夫が随所に。揚力の低減を図っているのが見て取れる

 

足元はBBS製ホイールが標準に

GR SPORT

既存車でオプションのBBS製16インチアルミホイールを、専用にマットグレーにペイントして標準装備。軽量かつ強靭な鍛造製だ

ローブ

ローブには力強いデザインのスポークを持つ16インチ切削アルミホイールが標準装備される。BBS製も選択可能だ

 

 

【教えて 開発の人】COPEN GR SPORTはどこにこだわった?

↑取材では、ダイハツ工業 製品企画部 エグゼクティブ・チーフ・エンジニアの南出洋志さん(写真中央)を中心に、部署を超えて様々な方にお話が聞けた

「コペンには、ドレスフォーメーションやデザインなどの付加価値がある一方で、走行性についてはもっと高めてほしいと、お客様から期待の声が寄せられていました。本車の企画背景は、その声に応えたかった点が大きいです。コペンにもSグレードがありますが、もっと違った“スポーツ”の解釈もあるのではないかという思いは我々の中にずっとありました。そこで、思い通りに操ることのできる、気持ちのよい走りを追求したのです。ちなみに、トヨタのGR開発陣との人材交流が始まったのは、ちょうど本車の先行開発を企画していたころ。様々なコミュニケーションを取るなかで、目指す方向性が同じだったため、GR SPORTとしてラインナップする運びとなりました」(南出さん)

 

↑工夫点は車体底面にも。床下スパッツにより下面の風の流れを整流し、直進安定性や接地性を向上

 

 

コペン全ラインナップ紹介

コペン ローブ
188万6500円~190万8500円

2014年6月、2代目の皮切りとして登場。樹脂外板の採用により、立体的な造形を実現した。初代とは異質の躍動感あるデザインが特徴。

 

コペン エクスプレイ
188万6500円~190万8500円

2014年11月発売。「タフ&アグレッシブ」をコンセプトに新ジャンルの軽オープンスポーツカーを実現。車名は一般公募から決定された。

 

コペン セロ
194万1500円~196万3500円

2015年6月発売で、コンセプトは「親しみやすさと躍動感の融合」。流れる雫のような一体感あるデザインは、若年層や女性からも人気だ。

 

コペン クーペ
248万4000円~250万5600円
販売終了

2016年のコンセプトモデルが具現化。ルーフからリアエンドにかけて流麗なシルエットを描く。限定200台に約1600人が応募する人気だった。