乗り物
2019/11/20 20:00

“世界最速の男”ウサイン・ボルトが手掛ける電動モビリティ発表。乗れば最速の男になれるのか!?

“世界最速の男”ウサイン・ボルトらが設立した米ボルト・モビリティーは11月15日、日本国内で電動キックボードの小型モビリティ「ボルト・チャリオット」「ボルト・ワン」を使った新事業を展開すると発表しました。

↑自ら今日創設者として名を連ねたウサイン・ボルト氏が日本における電動モビリティサービスを発表

 

「ボルト・チャリオット」「ボルト・ワン」の2タイプを発表

電動キックボードは、片足で地面を蹴って進む従来のキックボードに電動モーターを装着し、2輪で走行する小型モビリティ。手軽さが最大のウリで、アメリカやヨーロッパでは「Bird」「Lime」などのスタートアップ企業を中心として急速に普及が始まっているところです。そんな中で米ボルト・モビリティーはフランスのパリで今年5月に参入を発表。すでにアメリカ国内でもサービスを展開中で、今回の発表会は普及が進んでいない日本市場へいち早く参入を表明する場となりました。

 

同社の創業者の一人は、オリンピックで8つの金メダルを獲得したジャマイカ出身の元陸上競技短距離選手のウサイン・ボルト氏。同氏の名前は社名にも使われていて、2020年を目途に二人乗りの電気自動車「ボルト・ナノ」も発売する予定と言います。この日はボルト氏本人も会場に姿を現し、「都市での人々の移動を変えていくモビリティビジネスにワクワクしています。電動キックボードにはデザインから関わっていて、荷物も載せられ、誰でも乗りやすい使い勝手の良さが魅力です」と現在の心境を述べました。

↑インタビューに答えるウサイン・ボルト氏

 

発表した電動キックボードは、「ボルト・チャリオット」「ボルト・ワン」の2タイプです。公表されているスペックは、「ボルト・チャリオット」が一充電あたりの走行距離55kmでバッテリー装着時の総重量は36kg。カップホルダーや小物入れも備わります。「ボルト・ワン」はバッテリーサイズが少し小さく同走行距離40kmで同重量は20.4kg。最大速度はいずれも約24.1km/hとなっています。

↑発表された「ボルト・チャリオット」(左)と「ボルト・ワン」(右)

 

↑ハンドルの中央のスピードメーターのはバッテリー残量も表示。左右にはカップホルダーも装備されています

 

↑ブレーキは前後共にドラムブレーキを採用

 

↑「ボルト・チャリオット」のバッテリーは48V14Ahで、「ボルト・ワン」とともに交換式となっています

 

↑右側のグリップ部内側にアクセルレバーを設置。走行時はこれを押し下げます

 

日本では限定エリアでのシェアリングからスタートを予定

ただ、電動モーターを原動機として搭載するため、日本国内では原動機付自転車と同様の扱いとなってしまいます。そのため、公道を走るにはウインカーやナンバープレートを装着し、運転する場合はヘルメットの使用と運転免許の資格が必要です。発表によれば、日本での具体的なサービスの開始時期やサービスの形態・料金などは未定ですが、広い敷地内を持つ限定エリアでのシェアリングからスタートし、機会を見ながら公道へのサービスへと移行していくことにしているそうです。販売する予定はないとのことでした。

↑シェアリング用のQRコードも張られていました

 

挨拶に立った共同創業者のサラ・ヘインズ氏は、この事業について「これまで電動キックボードは経済的に豊かな人のものとして扱われてきました。これからはクリーンで効率的な移動を提供する、社会の“ラストワンマイル”として問題の解決に貢献していきます」と今後へ向けた抱負を述べました。

 

発表会後は室内での簡単な試乗会が開催されました。乗り方は最初に地面を蹴って4km/hまで速度を上げ、その後右手でアクセルレバーを下げてモーターで駆動させるという流れになります。操作はごく簡単です。ただ、4km/h以下まで速度が落ちるとモーター駆動はOFFされるため、用意された狭い会場では旋回に慣れないとすぐに壁に突き当たってしまいました。モーターがONされる4km/hという区切りを設けている理由として、停止時に不用意にアクセルレバーを操作しても発進しないようにするためだとのことでした。

↑スタート時は4km/hになるまで足を蹴り、そこでアクセルレバーを押し下げます

 

↑前後とも小径タイヤであるため、慣れれば旋回も容易に行えます

 

最後にボルト氏は2020年の東京オリンピックについても思いを述べてくれました。「東京オリンピックはとても楽しみ。自分が選手ではなく観客として楽しめる久しぶりのオリンピックとなります。次から次へと若くて有望な選手が出てきている日本の短距離選手には多いに期待しています」と述べ、「日本は大好きな国の一つで、仮に英語圏以外で住むとしたら間違いなく日本を選ぶでしょう」ともコメントしてました。

↑メディア向け発表会に出席した(左から)BOLT Mobility社CEOのサラ・ヘインズ氏、共同創設者でアンバサダーを務めるウサイン・ボルト氏、アジア戦略担当の下山二郎氏

 

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