乗り物
鉄道
2020/1/1 19:00

2020年「鉄道業界」では何が起こるのか? 10のトピックで読み解く

新時代到来!新車・新駅誕生など 〜〜2020年 注目したい話題〜〜

2020年は鉄道にとって、どのような年になるのだろうか。東海道・山陽新幹線用の新型車両のほか、多くの新型車両が登場する。さらにいくつかの変化の兆しが見えてきた。まさに2020年代の始まりということもあり新時代の到来を予感させる。

 

すでに明らかになっている情報を中心に、2020年、新たな年の鉄道の話題に注目してみたい。

 

 

【注目!2020年①】東海道新幹線に待望のN700Sが走り出す!

列島の大動脈となっている東海道新幹線と山陽新幹線。この路線に新しい時代がやってくる。7月には2020年代の主力車両となる予定のN700Sの営業運転が始まる。

 

N700Sの「S」はSupreme(スプリーム・最高の)の頭文字。N700Aをさらに進化させた車両で、バッテリー自走システムを初めて搭載。自然災害などで長時間停電した時にも、最寄りの駅などへ自力走行が可能になる。さらに停電時でも一部のトイレは使用できるようになる。

 

利用者としてうれしいのは、全席に電源コンセントが備えられることだろう。

↑東京都内を走るN700Sの確認試験車J0編成。1日に東京〜新大阪間を2往復するなど、営業車両と変らないペースで走り続け、長期間にわたる耐久試験が進められている

 

J0編成という確認試験車が2018年3月に登場。すでに1年半以上にわたり、連日のように走行テストが繰り返されてきた。

 

現在、走行テストを行うJ0編成はあくまで確認試験車で、実際の営業運転には使われない予定。テスト運転によって確認された結果を生かし、J1編成という新たな編成が造られ、投入される。営業車の登場は7月の予定で2020年度には12編成、以降、3年間で40編成が投入される予定だ。

↑1999年3月13日の運用開始以来、20年にわたり、東海道・山陽新幹線を走り続けてきた700系。すでに定期運用は終え、3月のさようなら運転で消滅する予定だ

 

一方で、“カモノハシ”の愛称で親しまれた700系が、すでに定期列車での運用がなくなり、3月8日をもって運転終了となる。登場してから21年、やはり高速で走る新幹線の車両は、在来線を走る車両よりも、耐用年数が短めになりがちなようだ。なお3月以降、7月のN700S登場までは、東海道新幹線の車両はN700AとN700タイプAのみとなる。

 

 

【注目!2020年②】新車両投入で伊豆に新時代が到来する!

東京都心と伊豆半島を結ぶ特急「踊り子」と特急「スーパービュー踊り子」。これまで特急「踊り子」には185系が、「スーパービュー踊り子」には251系が使われてきた。

 

185系は国鉄時代に登場した特急形電車。251系は国鉄からJRに移行して間もなくの1990(平成2)年に登場した特急形電車だ。

 

251系「スーパービュー踊り子」は伊豆半島の海岸沿いを走ることもあり、潮風を受けやすい。誕生してから30年と、車歴はさほど長くないものの、腐食がやや目立ってきた。そんなこともあってのことだろう。ダイヤが改正される前日の2020年3月13日に運行が終了、全車両が廃車されることになった。

↑東海道本線で試運転が進められるE261系。特急「サフィール踊り子」という名前で3月14日のダイヤ改正日から走り始める

 

代わって登場するのがE261系。「サフィール踊り子」という特急名で走り始める。豪華な設備が売りで全車がグリーン車。横1列に2座席のみという余裕をもったプレミアムグリーン車やグリーン個室車も導入される。また4号車にはカフェテリア(ヌードルバー)も設けられる。

 

平日は、定期列車が東京駅と伊豆急下田駅間を1往復。平日の臨時列車が同一区間を1往復、さらに土休日には新宿駅発、伊豆急下田駅行き臨時列車も1便予定されている(上りは東京駅行き)。

↑251系により長年運転されてきた「スーパービュー踊り子」。251系の廃止により、「スーパービュー踊り子」という特急名も消える

 

↑伊豆箱根鉄道駿豆線(すんずせん)の名物、185系「踊り子」と富士山の景色。同線に乗入れる185系も少しずつE257系に変更されていくことになりそうだ

 

この春には、特急「踊り子」の185系も、一部がE257系に変更される予定だ。このE257系は、以前に中央本線の特急「あずさ」や「かいじ」として使われてきた車両などを、リニューアルしたもの。185系は、今も残る希少な国鉄形特急電車だが、E257系の進出で、少しずつ、運用が減っていくことになる。

 

甲高いモーター音を響かせて東海道本線を走ってきた185系の姿も、数年後には、過去のものになるのかも知れない。

【注目!2020年③】新列車が目指すのは壮大な世界一の「わ」

2020年秋、九州にユニークな新列車が登場する。

 

列車の名は「36ぷらす3(さんじゅうろく ぷらす さん)」。JR九州が約3年半ぶりに登場させるD&S(デザイン&ストーリー)列車だ。九州は世界で36番目に大きな島。さらに列車が巡る5つのルートに、35のエピソードが詰まる。このエピソードを楽しみつつ、利用する人たちに36番目のエピソードを語っていただきたい……。そんな思いが列車名に込められている。

 

さらに36に3を加えれば「39(サンキュー!)」。JR九州ではこの列車の運行により、驚き、感動、幸せを届け「お客さま、地域の皆さま、私たち」でひとつになって39(サンキュー!)=「感謝」の輪を広げたいとしている。

↑新列車「36ぷらす3」のイメージ。右上が同列車のロゴデザインとなる。元の車両は787系特急形電車。全車グリーン車で定員100名程度を予定する。ちょっと贅沢なD&S列車となりそうだ。Design & Illustration by Eiji Mitooka + Don Design Associates

 

列車が運行される区間は、曜日で異なる。

 

・木曜日=博多駅→熊本駅→鹿児島中央駅(肥薩おれんじ鉄道線経由)

・金曜日=鹿児島中央駅→宮崎駅

・土曜日=宮崎空港駅・宮崎駅→大分駅・別府駅

・日曜日=大分駅・別府駅→(門司港駅)→小倉駅→博多駅。

・月曜日=博多駅→佐賀駅→長崎駅→佐賀駅→博多駅(門司港駅をのぞく各駅で下車可能)。

 

上記の運行コースをたどる。月曜日をのぞくと、九州をぐるりと一周まわるコースで、全ルートの走行距離は計1198kmとなる。目指すは世界一の壮大な「わ」だそうだ。そして「世界一大きい『感謝』の輪を描きます」!

 

確かに「わ」を描くように環状運転をする列車としては、これまでにない長さを走る列車となりそうだ。

↑3号車には「ビュッフェ」が設けられる。ちなみにビュッフェが復活するのは17年ぶり。九州の飲み物、食べ物が提供される予定だ。ほか4号車は共用スペースの「マルチカー」となる Design & Illustration by Eiji Mitooka + Don Design Associates

 

運行に使われる車両は787系特急形電車。6両全車をグリーン車に改造、かつて人気だった“ビュッフェ”も復活するなど、デザイナー・水戸岡鋭治氏流の魅力付けがなされている。果たしてどのような新列車となるのか、デビューが楽しみだ。

 

このJR九州の新観光列車以外にもJR西日本に新観光列車が登場する。

 

かつて関西の看板列車・新快速用として一世を風靡した117系。この117系を改造した観光列車で、「WEST EXPRESS銀河」の名で登場する。走行開始は5月8日の予定。まずは京都駅・大阪駅と出雲市駅を結ぶルートを夜行特急列車として走り始める。普通車指定席の利用料金は、現行の特急料金と同額の予定(運賃は別途必要)。ほかグリーン車指定席と、グリーン個室(料金は新規設定)が設けられる。気軽に楽しめる夜行観光列車となりそうだ。

 

 

【注目!2020年④】富山市の路面電車網が大きく変貌する!

路面電車は一部の都市を除いて、存在感が薄れつつある。一方で、新線を設けるなど、路面電車(ライトレール)を新たに活かしている都市が出てきた。富山市は路面電車を市内の公共交通機関として活かす好例と言って良いだろう。

 

この春に富山市の路面電車網が大きく変貌する。富山駅の北側を走る富山ライトレールの線路と、南側を走る富山地方鉄道の富山市内軌道線の線路が3月21日に結びつき、南北直通運転が開始されるのだ。

↑北陸新幹線が開業した2015年春以降、富山駅の改良工事が進められ、同年には富山市内軌道線の線路が富山駅構内まで達した。さらに在来線の高架化工事が行われ、高架の下を利用した南北直通運転用の新路線の建設が進められている

 

↑富山駅北と岩瀬浜を結ぶ富山ライトレール。路線の大半は2006年までは営業していたJR西日本の富山港線で、駅前から1.1kmの併用軌道区間を新設、富山ライトレールとして14年にわたり営業が続けられてきた

 

運転開始前の2月22日には、富山ライトレールが富山地方鉄道に吸収合併される。何とも思い切った施策が富山市の主導で進められていた。連絡線が誕生後に、どのような運行が行われ、またどのように富山市が変っていくのか、興味深い。

 

【関連記事】
「富山ライトレール」は経営不振に苦しむ地方鉄道のお手本だ!元JRの線路が路面電車に変身

 

【注目!2020年⑤】山手線に新駅誕生ほか、全国の新駅の話題

2020年3月14日に、東京の品川駅〜田町駅の間に新駅・高輪ゲートウェイ駅が誕生する。公募された駅名の中で130位という応募数が少ない名前で賛否両論あったものの、現代風の名前となった新駅の歴史がスタートする。

 

ちなみに山手線の駅としては、1971(昭和47)年に誕生した西日暮里駅以来の新駅で30番目の駅となる。京浜東北線では、2000年に開業したさいたま新都心駅以来の新駅となる。なお、今年の開業は暫定開業で、駅ビル等が整備され、2024年度に本開業となる。

↑田町駅側から見た新駅方面の様子。右側が旧線で、新しい路線は東側にだいぶ寄せられたことが分かる。左上写真は、工事が進む高輪ゲートウェイ駅の建物

 

その他にも2020年には複数の新駅が誕生する。

 

◇御厨駅(みくりやえき) 静岡県磐田市

3月14日に開業予定。東海道本線の磐田駅と袋井駅間に誕生する。ヤマハ発動機やNTN株式会社(ベアリングの製造会社)などの工場が至近にある。

 

◇南伊予駅 愛媛県伊予市

3月14日に開業予定。予讃線の北伊予駅と伊予横田駅間にできる。ちょうどJR四国の新車両基地と、JR貨物の松山貨物駅が建設中で、基地に隣接して新駅が設けられる。ちなみに南伊予駅の名前は、駅の所在地が、かつて南伊予村だったことから。ほかに北伊予駅があり、伊予市駅(伊予横田駅の南側、2つ先の駅)があり、新たに南伊予駅ができることになる。南伊予駅は伊予市駅の南側にある駅、と勘違いする利用者も出てきそうだ。

 

◇みなみ寄居駅 埼玉県寄居町

10月31日に開業予定。東武東上線の東武竹沢駅と男衾駅(おぶすまえき)の間にできる。駅の最寄りにはホンダの寄居工場がある。同じ埼玉県にある狭山工場を閉鎖、この寄居工場に機能を集約することから、ホンダが増える工場勤務の人たち向けに新駅の設置を希望していた。

 

 

【注目!2020年⑥】今年も新型車両が多く投入される!

2019年から引き続きの動きだが、2020年も多くの新型車両が導入される見込みだ。前述したが、東海道・山陽新幹線用のN700S。特急「サフィール踊り子」用のE261系が代表的なところ。

 

ほか、JRグループでは、JR西日本の特急「はるか」増結用の271系。JR九州のYC1系ハイブリッド車両が大村線などを走り始める。

 

大手私鉄では近畿日本鉄道の特急形電車80000系「ひのとり」、そして小田急電鉄の通勤車両5000形。ほかに、つくばエクスプレスのTX-3000系、しなの鉄道SR1系の運行も始められる。

 

本原稿で注目したいのがJR北海道のH100形だ。H100形は新型の電気式気動車で、函館本線の小樽駅〜長万部駅(おしゃまんべ)駅間、通称“山線”区間に投入される(一部列車は札幌駅まで乗入れ)。しかも一気に15両が投入され、キハ201系とともにワンマン運転用に使われる予定だ。

↑函館本線の苗穂駅付近で、試運転を行うH100形。JR北海道の車両の中では、北海道新幹線を走るH5系に次いで、車両形式の頭に「H」の文字が付くことになった

 

JR北海道の非電化区間には、長年、国鉄時代に生まれたキハ40系、とキハ54形。そして1990年代に造られたキハ150形、キハ201系が使われてきた。

 

多くの車両が残るキハ40系は、すでに車歴が40年前後と古くなり、新車の導入が急がれていた。H100形は、JR東日本のGV-E400系(主に新潟地区に投入される)と仕様が同一で、北海道用に酷寒地対策を施している。JR東日本の車両と同タイプにしたことで、メンテナンスコストが抑えられる利点がある。

 

H100形の愛称は「DECMO(デクモ)」。雪深い函館本線の山線での活躍が期待される。

 

 

【注目!2020年⑦】震災から9年目でようやく常磐線が復旧へ!

東北地方を中心に大きな被害をもたらした東日本大震災。大半の鉄道路線が復旧され、また復旧が困難とされた大船渡線や、気仙沼線の一部はBRT(バス・ラピッド・トランジット)路線となり専用のバスが運行されている。

 

震災が起きて9年目。まだ列車が走らない区間が残っていた。常磐線の福島県内、富岡駅〜浪江駅間が不通のままになっていた。常磐線はご存知のように東日本大震災により被災、津波によって大きな被害を受けるとともに、路線が、福島第一原子力発電所近くの避難指示区域内を走ることから、長期間にわたって不通が続いていた。

 

帰宅困難区域だったその一部、駅周辺などが、特定復興再生拠点となり、避難指示が解除される。この解除に合わせて、路線の復旧が進められ、試運転も開始されていた。昨年12月の新ダイヤの発表時に、常磐線の正式な復旧日は発表されなかったが、およそ年度末ごろには復旧となりそう。復旧後には東京〜仙台間を結ぶ常磐線経由の特急「ひたち」の運行も行われる予定だ。帰宅困難地域に含まれていたこの沿線も、新しい時代の到来が期待できそうだ。

↑常磐線の全通に合わせて特急「ひたち」「ときわ」に使われるE657系の増備も行われた。路線の復旧に合わせて東京の品川駅と仙台駅の間を結ぶ特急列車が復活する予定だ

 

ところで、震災前に常磐線を走っていた貨物列車はどうなるのだろうか。震災前、東北本線とともに、首都圏と、東北・北海道を結ぶ貨物列車が常磐線を通っていた。現在のところ、JR貨物から路線復旧後に、常磐線を利用する等のアナウンスはされていない。

 

すでに東北本線の輸送で十分まかなえているだけに、常磐線を使った貨物輸送が復活する可能性は低いのかも知れない。

 

【関連記事】
災害により寸断された「ローカル線」−−不通となっている19路線の現状をチェックする【前編】

 

【注目!2020年⑧】2つのBRT区間では鉄道事業を廃止へ

前述したように、東日本大震災で路線の復旧が困難とされた区間は、現状、BRT(バス・ラピッド・トランジット)という形態で鉄道に代わる専用バスが運行されている。BRTバスが走れるように元線路を専用道路として復旧し、復旧が難しい区間は、公道を迂回して走る。BRTのバスが走るのは気仙沼線の柳津駅〜気仙沼駅(55.3km)、と大船渡線の気仙沼駅〜盛駅間(43.7km)だ。

 

この2区間にも2020年に大きな動きがある。11月13日に両区間の鉄道事業が廃止される予定だ。つまり鉄道路線として正式に廃止となり、BRTバスが走り続けていた区間は鉄道路線の気仙沼線、大船渡線ではなくなる。

 

バスの路線自体は存続されるとはいうものの、これまでのように時刻表の地図や誌面への時刻の掲載が消滅しそうだ。このことによりどのような結果になるかは断言できないが、公共交通としての存在感は鉄道よりも薄まることになるのだろう。駅(バス停)の数が鉄道時代よりも増えたなど利点があるBRTバス。鉄道事業廃止により、地元の人たちにとってマイナスとなることのないように祈りたい。

↑現在の大船渡線の陸前高田駅。BRTバスや路線バス用のロータリーの前に駅舎が設けられている。鉄道事業廃止後には、陸前高田駅という駅名はどうなってしまうのだろうか?

 

 

【注目!2020年⑨】札沼線が廃止へ!道内の他路線も危ぶまれる

札沼線(さっしょうせん)は函館本線の桑園駅(そうえんえき)と新十津川駅(しんとつかわえき)を結ぶ76.5kmのローカル線。札沼と名乗るように、元は札幌と留萠本線の石狩沼田駅を結ぶ路線として計画された。

 

1935(昭和10)年に全線開通したが、利用者減少から1972(昭和47)年6月18日に、新十津川駅〜石狩沼田駅間が廃止となった。その後、路線が維持されてきたが、2020年初頭現在、路線の途中にある浦臼駅と終着駅の新十津川駅を結ぶ列車は1日に1往復のみで、廃止も時間の問題とされてきた。

 

2020年の5月7日に北海道医療大学駅〜新十津川駅間(47.6km)が廃止の予定だ。同区間にある16の駅も同時に廃止となる。

 

札沼線で残るのは桑園駅〜北海道医療大学駅の区間。すでに交流電化されており、この区間は札幌市の郊外路線として機能していることもあり、廃止対象から除外された。

↑札沼線の終着駅の新十津川駅。現在、列車は9時28分着、10時00分発の1本のみ。つまり10時発の列車が最終列車となる。函館本線の滝川駅が同駅に近く、石狩川を越えて約4.5kmの距離にある。クルマならば約12分の距離だ(写真提供:稲野政男)

 

札沼線は以前から廃止やむなしという状況となっていた。北海道では災害により不通となっている他の路線も2020年中に、廃止という結論が出されそうだ。

 

まずは2015年1月の高波の被害で不通となっている日高本線の鵡川駅(むかわえき)〜様似駅間(116.0km)。これまで不通になっていた地元自治体の理解が得られなかったものの、昨年暮れの段階で、同区間の廃止、そしてバス転換に向けて自治体とJR北海道との協議が始められることになった。

↑日高本線の浜厚真駅(はまあつまえき)に停車する苫小牧駅行き列車。総延長146.5kmの路線のうち、116km区間が不通となっている。写真の浜厚真駅は現在も列車が走っているが、2つ先の鵡川駅から先、代行バスが運行されている

 

ほか北海道では根室本線の一部区間が廃止の決定が出そうだ。不通となっているのは東鹿越駅(ひがししかごええき)〜新得駅間。2016年8月31日に襲った台風10号による降雨被害により列車が不通となっている。JR北海道では、2020年度を目処に富良野駅〜新得駅間の廃止の方針を打ち出していた。

 

同じ根室本線で2019年11月21日には野花南駅(のかなんえき)〜富良野駅間にある架道橋にトレーラーが接触、橋が損傷、復旧に3か月かかるとされる。どうもJR北海道に関わるトラブルが多くなっているのが気にかかる。それでなくとも深刻な経営難に陥っているJR北海道。これ以上、災いが降りかかることがなければ良いのだが。

 

【関連記事】
【保存版】2019年春に消える夕張支線の旅は、まさにびっくりの連続だった

 

 

【注目!2020年⑩】ことでん名物レトロ電車も徐々に消えていく

2020年は多くの新型車両が登場する一方で、消えていく車両も出てきそうだ。

 

その中で非常に残念なのが、高松琴平電気鉄道の動態保存車両4両である。4両はことでん「レトロ電車」として親しまれてきた。1カ月に1回の頻度で、主に琴平線を走ってきたレトロ電車。その姿も2020年と2021年で見納めとなりそうだ。

↑近畿日本鉄道南大阪線が大阪鉄道を名乗っていた当時に造られた23号電車。1961(昭和36)年に高松琴平電鉄に譲渡され、現在まで走り続けてきた。ベージュと朱色の塗り分けで、人気も高かったが、2020年ゴールデンウィークの運転を最後に引退となる予定

 

ことでん「レトロ電車」は1925(大正14)年〜1928(昭和3)年に製造された車両で、現存する電車で今も乗客を乗せて走ることができる最古級の電車となっている。中でも120号、500号、300号は高松琴平電鉄が自社発注した車両で、2009年には経済産業省の近代化産業遺産にも認定されていた。

 

そうした貴重な車両だったが、維持することが困難になりつつあった。予定では23号(元近鉄車両)が2020年のゴールデンウィークまで、500号が2020年の9月まで、120号、300号が2021年のゴールデンウィークに、それぞれさよならイベント後、廃車の予定になっている。

 

同社のホームページでは「静態保存先が確保できなければ解体する予定です」としている。昨今、地方の鉄道会社の経営が厳しくなってきている。滋賀県を走る近江鉄道でも、静態保存していた多くの電気機関車のほとんどが廃車となってしまった。高松琴平電鉄のレトロ電車たちも、このまま廃車となるのだろうか。近代化遺産に認定された車両だけに、非常に惜しまれるところだ。

 

【関連記事】
日本最古級のお宝電車が走る「琴平線」に乗車—讃岐らしい風景に癒される

 

【ギャラリー】

TAG
SHARE ON