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2020/1/12 19:00

駅や電車内であるある「迷惑行為」‐‐あなたが許せないと思う行為は?

 

【あるある迷惑行為⑧】迷惑行為を減らす電車内の工夫例を見る

多くの人が使う通勤電車。混雑するとどうしても迷惑に感じてしまうことが増えてくる。そうした迷惑行為を、少しでも減らそうとする工夫が最近の電車で見られるようになってきた。そんな例を見ていこう。

 

まずは座席の座り方で問題になった「詰めない」ことを防ぐ事例から。まずはJR九州の817系電車の車内の写真から見ていただこう。

↑JR九州の817系3000番台のロングシート。一人一人のスペースが分かれている。背中はプライウッド製で、片持ち式ロングシートと呼ばれる形をしている

 

JR九州の車両は通勤形電車であっても非常に座席に凝っている。写真の817系もそうした例だ。817系3000番台は2012年に登場した。座席はロングシートながら、一人一人のスペースが完全にセパレートされている。これならば、ちょうど中間部分に座るわけにはいかず、「詰めない」ことは、まずなくなりそうだ。

 

続いてJR埼京線乗入れ用の相模鉄道12000系の例。通常のロングシートの座席とは形が異なり、境目がやや盛り上がった形状になっている。

↑相模鉄道12000系の座席。7人掛けのシートだが、一人一人の境目が盛り上がった形状になっている。さらにスタンションポールで、2人掛けと、3人掛けを明確に分けている

 

この座席の場合、一人ごとの境めの部分に座ろうとしても、やや盛り上がっているので、座り心地が悪い。おのずと、決まったスペースに座ることになる。

 

最近の電車は、ドアとドアの間に長いロングシートをシンプルに設けるだけでなく、スタンションポールと呼ばれる「タテ手すり」を適度な間隔で設ける例が多い。そして座席を2人掛け、または3人掛けと分けるようにしている。

 

さらに写真の例のような座席を設置すれば完璧となるだろう。最近はこうした1人分を分けた造りにした車両が徐々に増えつつあるものの、通常のロングシートの座席に比べ、こうした座席はまだまだ割高で、また管理費がアップする問題が生じるのかも知れない。とはいえ、「詰めない」といった迷惑を少しでも減らすためにも、ぜひとも導入していただきたい事例である。

 

 

【あるある迷惑行為⑨】扉付近から少しでも中に詰めてもらう工夫

例年、迷惑行為ランキングで上位にランクされる「乗降時のマナー」。中でも扉付近にいて乗降を妨げる行為が迷惑と感じている人が多いことが指摘された。

 

混んでいる電車だと、つり革などの捉まる場所がなく、なかなか車内の奥に入りにくい。そのため入口付近に、となってしまう人も多いのではないだろうか。

 

下記の写真は東京メトロ丸ノ内線を走る新型2000系の車内の様子だ。

↑東京メトロ丸ノ内線の2000系の車内。天井を見るとずらりとつり革が装着されている。これならば通路奥に入っても安心だろう

 

2000系は、窓側はもちろん、通路の上にもつり革が多く設けられている。通路に入ったものの、身体を支えるものがなくて不安、という通勤電車にありがちな心配も解消できそうだ。

 

2019年度の迷惑行為ランキングの中には6位に「周囲に配慮せずに咳やくしゃみをする」が入っていた。

 

冬はインフルエンザが流行する時期。新型車両には空気清浄機が各車に設けられ例が増えてきている。気休めかも知れないが、こんな装置もあったら、より快適な通勤・通学時間が過ごせそうだ。

↑西武鉄道の40000系。各車両に空気清浄機が装着されている。ほこりっぽい車内環境がよりクリーンになる。こうした装置を設置した車両の増加は歓迎したい

 

 

【あるある迷惑行為⑩】電車内で「心が温まった」時とは?

もう一度、日本民営鉄道協会の駅と電車内の迷惑行為ランキングに戻ってみよう。同調査では、迷惑行為だけでなしに、逆に「うれしかった」「心が温まった」と感じた行為を2017年度から紹介している。代表する声を紹介しよう。

 

・ベビーカーで乗車した際、周囲の人が運ぶのを手伝ってくれたことがうれしかった。

・小さい子どもが妊婦の方に席を譲っていたのを見て和やかな気持ちになった。

・電車が揺れて倒れそうになった時、横の人がさりげなく支えてくれて助かった。

 

以下は2018年度の回答から

 

・外国人の方が、お年寄りに席を譲っているのを見かけた。

・小学生の5人組みが、席を譲ったり、話し声の大きさにお互いに注意したりしていた。見ていて気持ちが良かった。

 

「心が温まる」電車の中でのささやかな人同士の触れあい。さりげない行為が、電車内のギスギスした雰囲気を和らげることに結びつく。電車内で接している人は見ず知らずの他人ながら、気づかう心が、いかに大切であるかを、今さらながら実感できる声ではないだろうか。

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