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2020/3/1 19:00

「ひのとり」誕生で注目集まる「近鉄特急」その車両の魅力に迫る

【近鉄特急に迫る⑥】新型ひのとりのデビューは3月14日!

さてここからは、新型名阪特急80000系「ひのとり」を紹介していこう。ここでは、注目したいポイントを写真とともに確認していきたい。

 

車両編成は6両もしくは8両編成で、両先頭の2両がプレミアム車両、中間車がレギュラー車両となっている。製造は近鉄グループの近畿車輌(株)。すでに3編成が搬入され、デビューの3月14日を迎えることになる。最終的には6両編成×8本と、8両編成×3本の総計72両の導入が予定されている。

↑先頭車両を横から見る。ハイデッカー構造で窓も高い位置にあることが分かる。運転席の後ろには「ひのとり」のロゴマークが描かれる

 

↑乗務員室と客室はガラスで仕切られる。視界良好でプレミアム車両の先頭席からは広いガラス窓からの展望車窓を楽しむことができる

 

 

【近鉄特急に迫る⑦】ひのとり最大の魅力バックシェル付きシート

さて、注目を浴びる80000系「ひのとり」だが、魅力のポイントはどこにあるのだろう。筆者は全座席がバックシェル付きであることが最大の魅力だと思う。プレミアム車両だけでなく、レギュラー車両すべての座席にバックシェルが付いているのだ。

 

通常の座席だと、後ろに座る人に気兼ねしつつ倒すことが多い。後ろの人に「倒していいですか?」と聞くのがマナーなのでは、とまで言う人すらいる。バックシェルがあることで、そこまでの気遣いが不要になることがうれしい。

 

既存の鉄道車両の座席で、バックシェルがついている車両といえば、東北・北陸新幹線を走るE5系やE7系・W7系に1両のみ連結されている「グランクラス」シートのみだ(ほかJR東日本の新型特急などに導入予定あり)。

 

ちなみに「ひのとり」のプレミアム車両の座席は本革製。2列+1列のシートで、座席の前後の間隔(シートピッチ)は1,300mmと広い。このサイズはグランクラスと同じで、まさに鉄道車両としては最高水準の快適さが得られるわけだ。

↑2列+1列の座席が並ぶプレミアム車両。座席は本革シート、電源コンセント、読書灯、シートヒータ、カップホルダーや折り畳み式テーブルを設置

 

↑通常の状態のプレミアムシート。左の肘掛けにはスイッチ類、背中にバックシェルが付くことがわかる

 

↑電動リクライニングを最大限に倒した状態。後ろに気兼ねせず倒せることがうれしい。伸縮式の電動レッグレストが足元をサポートする

 

 

【近鉄特急に迫る⑧】さて気になる「ひのとり」乗車の料金は?

前述したようにプレミアム車両だけでなしに、レギュラー車両にもバックシェルが付いている。特急用の車両といえども、普通車両でバックシェル付きは、国内初のことになる。レギュラーシートのシートピッチも1.160mmと広々している。

 

さらに全車に空気清浄機を設置、紫外線、赤外線をカットする大形窓が採用された。まさに「近鉄特急」らしい、時代の先端を走る画期的な車両となりそうだ。

 

こうした画期的な車両ということもあり、利用料もかなり上がるのでは、と心配されている方も多いのではなかろうか。利用料を確認しておこう。

↑レギュラー車両には2列+2列の座席が並ぶ。全座席に電源コンセント、収納テーブルと背面テーブルが利用できる

 

↑レギュラーシートを横から見る。このようにバックシェル付き。高さを調整できるフットレストも用意されている

 

前述したように大阪難波駅〜近鉄名古屋駅の料金は運賃が2410円+特急料金1930円で計4310円となる。東海道新幹線に比べると2000円ほど安い。では「ひのとり」のプラス料金はいくらになったのだろう。

 

プレミアム車両の場合は+900円(大阪難波駅〜大和八木駅間は300円)、レギュラー車両利用の場合は+200円(大阪難波駅〜大和八木駅間は100円)が必要となる。レギュラー車両とプレミアム車両の差はわずかに700円。これは利用する時に悩まされることになりそうだ。

 

筆者ならば、たとえ“見栄っ張り”と言われようと迷わず、+700円の“ちょっと贅沢”を選びたい。

 

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