【富士急行線の不思議⑩】河口湖駅の先までなぜ線路が延びるのか
富士急ハイランド駅を発車。電車は最後の勾配に挑む。ほどなく終着駅の河口湖駅に到着した。河口湖の標高は857m、まさに高原そのもので、空気が清冽に感じる。大月駅から約1時間の小さな旅が終わった。
さて、河口湖駅の駅の構造。ホームは駅舎側から1・2番線ホーム、さらに3番線ホームがある。富士山側には留置線が平行して並ぶ。富士急行の自社の車両と、JR東日本からの直通列車が多く停められている。構内の線路の配置をみると不思議に感じる。留置線へ進入する線路は、富士急ハイランド駅側にはない。さてどこから進入するのだろう。
河口湖駅のホームの先をみると200mほど引込線が設けられている。果たしてこの引込線は?
河口湖駅まで走ってきた電車は、すぐに折り返しをしない電車以外は、この引込線へ進入する。ここで方向を変え、留置線へ入って、発車時間までひと休みとなる。つまり、河口湖の先にある引込線は、留置線に入る時に、方向転換をする線路だったのだ。発車時間が近づくと、留置線に停車していた電車は、引込線を利用、方向転換をして、河口湖駅のホームへ入る。
本線ではないのにこの引込線には、途中、専用の踏切が設けられている。河口湖駅は、なかなかおもしろい構造の駅だった。
筆者は富士急行線に数えきれないほど乗車している。だが、何度乗っても飽きることがない。乗るたびに新たな発見が出てくる。そんな楽しい魅力が富士急行線には詰まっている、と思う。
今回は、原稿枚数が多くなってしまったので避けたが、走る電車も魅力がある。次に紹介の機会があれば、富士急行線の車両にも目を向けてみたい。
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