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2020/8/9 18:30

鉄道各社の苦肉だけどお得な「パス&きっぷ」厳選15本

【注目のおトクきっぷ⑧】私鉄最大手の近鉄も負けてはいません!

↑たとえば大阪阿部野橋駅から南大阪線で吉野駅へ行くとしたら片道990円かかる。今回販売の1dayおでかけきっぷならば……

 

【その⑧】近畿日本鉄道 近鉄1dayおでかけきっぷ(2020年9月29日まで)

日本で最も路線距離が長い私鉄といえば近畿日本鉄道。この会社からもかなりおトクな1日きっぷが発売されている。「近鉄1dayおでかけきっぷ」がそのきっぷで、大阪・奈良・京都版が大人1000円、愛知・三重版が大人1500円で売り出されている。購入は1か月前から前日までで、発売は9月29日までの発売分までとなっている。

発売はそれぞれのエリアの主要駅で、大阪・奈良・京都版と、愛知・三重版の両エリアを跨いでの利用は不可となっている。また特急を利用する際は別途、特急券が必要となる。

 

とはいえ、大阪阿部野橋駅と吉野駅の片道の運賃が990円。往復に利用すればかなり“元が取れる”。使い勝手がよく、かなりおトクな「1dayおでかけきっぷ」と言って良さそうだ。

 

【注目のおトクきっぷ⑨】京都観光は5社共通のきっぷがおトク

↑嵐電(らんでん)の名で呼ばれる京福電気鉄道嵐山本線が広隆寺前を通る。太秦広隆寺駅近くでこんな京都らしい風景に出会える

 

【その⑨】京都市交通局、JR西日本、京阪電気鉄道、京福電気鉄道、阪急電鉄
歩くまち・京都レールきっぷ(2020年9月30日まで)

一年中、観光客で賑わう京都。市内を走る5社局の鉄道事業者が連携した1日・2日用の、おトクきっぷ「歩くまち・京都レールきっぷ」が9月30日まで発売されている。1日版大人1300円と、2日版大人2000円という手ごろな金額だ。

 

発売はJR西日本の京都駅、京阪電気鉄道の三条駅インフォメーション、びわ湖浜大津駅、阪急電鉄の京都河原町駅・桂駅のごあんないカウンターなど。

 

このきっぷを持って京都市内を歩けば、例えば元離宮二条城の入城料が100円引きになるなど、複数の観光施設が割引されるサービスもあって便利だ。

 

利用できる範囲は山陰本線ならば西は亀岡駅まで、奈良線ならば平等院の最寄り駅の宇治駅までと、かなり広く使うことができて、京都観光に有効に役立ちそうだ。ただし路線バスの利用は不可となっているので注意したい。

 

【注目のおトクきっぷ⑩】歴史好きにお勧めの関西1デイパス

↑京阪電気鉄道の坂本比叡山口駅。駅周囲の坂本地区は延暦寺の門前町(左上)で、また明智光秀が築城した坂本城跡も徒歩圏内にある

 

【その⑩】JR西日本、京阪電気鉄道、南海電気鉄道、近畿日本鉄道、大阪水上バス
夏の関西1デイパス(利用は2020年9月30日まで)

関西の鉄道4社に加えて大阪水上バスが連携して発売を行うのが「夏の関西1デイパス」(大人3670円)。JRの関西自由周遊区間+大阪水上バスが1日乗り放題になるのに加えて、史跡や名所めぐりが楽しめるように4地区(行きたいところを1つ選択する仕組み)をめぐる交通機関の乗車券がプラスされている。また主要な駅で用意されたレンタサイクルの利用もできる。

 

選択できるのは「光秀公ゆかりの地 坂本・亀岡チケット(京阪)」「高野山チケット(南海)」「赤目四十八滝チケット(近鉄)」「宝生寺・長谷寺参拝チケット(近鉄)」の4地区で、史跡や、古刹、高野山を訪ねたい時に最適なパスと言えそうだ。

 

発売は利用日の1か月前から前日までで、JR西日本のネット予約「e5489」ほか、JRの関西自由周遊区間内・和歌山・福知山地区の一部の駅のみどりの券売機での購入が可能となっている。発売期間は9月29日までで、9月30日まで利用ができる。

 

【注目のおトクきっぷ11・12】秩父路観光は東武・西武どちらがおトク?

↑東武東上線と秩父鉄道の寄居駅〜三峰口駅間の利用ができるSAITAMAプラチナルート乗車券。両線は寄居駅で接続している

 

【その11】東武鉄道×秩父鉄道 SAITAMAプラチナルート乗車券(通年発売)

首都圏を走る東武鉄道と、西武鉄道の2社からは秩父路の鉄道旅が楽しめるきっぷが発売された。同じ秩父路を楽しめるきっぷが発売されたのだが、趣がだいぶ異なるので見ておきたい。

 

まずは「東武鉄道×秩父鉄道 SAITAMAプラチナルート乗車券」(大人1900円)から。東武鉄道と秩父鉄道とあるように、同乗車券を利用すれば、東武東上線・越生線と秩父鉄道の寄居駅〜三峰口駅間の利用当日のみ乗り降りが自由となる。2019年から夏+秋の行楽に合わせて7月〜11月の期間、限定販売されてきたが、今年の7月からは通年販売となった。

 

池袋駅から東武東上線を利用、寄居駅経由で秩父鉄道の三峰口駅まで行くとしたら、片道の運賃だけで1730円。プラチナルート乗車券を利用して往復するとしたらかなりおトクということになる。ちなみに東武鉄道のTJライナーや、秩父鉄道の急行列車の利用は別途料金が必要となる。

 

【その12】西武鉄道 秩父市応援 秩父漫遊きっぷ(2021年3月10日まで)

西武鉄道から期間限定で発売されたのが「秩父市応援 秩父漫遊きっぷ」。発売金額は乗車駅によって異なるが、例えば池袋駅からならば大人1590円で、これまで発売された秩父漫遊きっぷが2230円と比べると640円ほどおトクになる。さらに利用開始日から2日間が有効期間となっているので、泊まりがけの旅でも有効に利用ができそうだ。

 

発売は利用する日の1か月前から当日までで、乗車した西武線の駅から途中の高麗駅(こまえき)までの下車は無効に。高麗駅〜西武秩父駅間は2日間、乗り降り自由となる。発売は2021年3月10日までだが、秩父市の補助金額が上限に達し次第、発売は終了となる。

 

うれしいのは秩父地区で利用可能な「漫遊まる得クーポン」付きということ。例えば、同きっぷで西武秩父駅前にある「西武秩父駅前温泉 祭の湯」温泉の入館券が無料となる(選択肢の中の1つ)。入館券のほか祭の湯の食事券、お買い物券、バスフリーパス2日間など、6つのうち1つが選べるしくみだ。

↑西武秩父駅とつながっていて便利な「西武秩父駅前温泉 祭の湯」。なお特急ラビュー(右上)の利用時は特急券の購入が必要となる
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