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2020/10/26 18:00

ARカーナビの「実用性」はいかに? セイワ「PNM87AR」本音レビュー!

矢印のアニメーションで方向を示してくれるので分かりやすい

ARモード中はARカメラで撮影した映像と地図を同時に表示します。そのAR映像は極めて高精細で、先行車のナンバーもハッキリと読み取れるほどです。このままドラレコとしても機能してくれればいいのに…と思ってしまうほど。直進で進んでいるときは矢印のアニメーションで進む方向を示してくれ、その未来感あふれる映像は視認性が良いです。

 

分岐点に近づくと、画面上には分岐点までの距離が表示され、よく見ると交差点拡大図もAR画面上に表示されています。やがて音声案内と共にAR画面上には曲がる方向が流れる矢印で示されるようになり、右側の地図上には交差点の拡大図を表示。さらに分岐点に近づいていくと、もう一つの矢印がポップアップされて曲がる方向をガイドしていました。

↑ARカメラが映し出すリアルタイム映像をナビ画面表示させ、自然な立体表現のARルート案内と重ね合わせて案内する

 

ただ、ARカメラの画角はそれほど広くなく、少し広めの交差点では先の道路までは映像内に収まっていません。AR映像からはおおよその方角が分かる程度です。そのため、現場では交差点拡大図と併用しながら使う形となるでしょう。

 

安全運転支援機能は、先行車との関係となる「前方車両発進」「前方衝突警報」についてはかなり頻繁に警告してくれました。「前方車両発進」は先行車がスタートするとすぐに画面とアラートで知らせてくれましたし、その数値が正確かどうかは不明ですが、先行車との距離も実距離が画面上に表示されます。また、先行車との距離を縮めると「前方衝突警報」がすぐに出て警告してくれました。

↑前方車両発進。地図データに基づくルートガイドを行い、その上で先行車が発進すると「ポーン」と鳴るアラート共に画面上で注意喚起を行う

 

↑前方衝突警報。先行車に近づくとおおよその車間距離を表示し、さらに速度に応じて適切な車間以下になると注意喚起を行う。警告音と警告マークの信号を変えています。「緑→黄→赤」の3段階で徐々に危険を促す

 

一方で反応がイマイチだったのが「車線逸脱警告」です。メニューに感度を設定する項目があるのですが、もしこの機能を活用したいならここで敏感な設定にしておくとイイでしょう。ただ、車線逸脱警報は標準で装着されている新型車でも認識精度はあまり高くないという現状もあるので、現状では本機の性能も許容範囲。今後の性能進化に期待したいところです。

 

それとこのナビシステムにはタテ表示機能も備えています。この場合、上下に二分割されてARは上側に表示されます。下の地図は方面ガイドも表示されるので、機能面では使いやすいのですが、取り付けたムーブの場合はダッシュボードが高めであり、8V型画面をタテ表示にすると視界が大きく妨げられることになってしまいました。タテ表示を使う時はそういった利用環境に合わせて使うことをオススメします。

↑PNM87ARはタテ表示も可能で、ルートガイドと共にサイズのバランスが良く視認性高い。ただ、本体全体を下げて取り付けないと視界を妨げる

 

それと、このナビは交通情報を表示することができません。なので渋滞を避けたルートガイドを期待する人には不向きでしょう。しかし、ルートガイド中の案内は適切で、リルートした際の再探索もかなりスピーディに行います。道を間違えたときの安心感はとても大きいですね。

↑ルート探索では条件別に最大4ルートを表示。探索速度もスピーディで使い勝手は良好だ

 

↑政令指定都市の主要交差点では、車線情報を含めた周辺の情報を描いた3D交差点拡大図で進行方向を示す

 

↑ルートガイド中は交差点ごとの右左折情報をリスト化して案内する。交差点に近づくと拡大図に切り替わる

 

ピクシーダの次世代型ポータブルナビゲーションPNM87ARの価格は、実売4万円台と8V型としてお買い得な部類に入ります。交通情報が受信できないのは残念ですが、“AR”というややギミックの愉しさを期待する人、TV放送を含めて美しい映像にこだわる人にぜひ使ってみて欲しいポータブル型ナビと言えるでしょう。

 

 

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