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2020/11/30 17:15

「通信し放題サイバーナビ」を1年以上使ってわかった、本当に効果のある「オン/オフ」の使い方集

サイバーナビは、パイオニアが展開するカーナビ・カーAVブランド「カロッツェリア」のフラッグシップカーナビである。旗艦モデルであると同時に、一歩も二歩も進んだ機能をいち早く採り入れる、革新的なカーナビである。

 

直近では昨年「docomo in Car Connect」を活用した通信し放題機能を搭載。クルマをWi-Fiスポットにできる価値を生み出し、クルマの中にいながら自宅にいるのと変わらない通信体験ができるようになった。なお、2020年12月には通信機能に特化した車載用Wi-Fiルーターを発売。通信領域に注力し、新しいカードライブおよびオン・オフの時間を提供しようとしているのだ。

 

かくいう筆者もこの1年以上「通信し放題サイバーナビ」を使ってきた。自身ではキャンプ場でアウトドアをしながら仕事ができるかを試してみたり、クルマ移動の多いタレントの方に使ってもらいインプレッションしてもらったり、働き方のプロにビジネスの現場から見たときの価値について聞いたり。本記事はその集大成として「通信し放題のサイバーナビ」だからできる「新しいオン・オフ」の使い方集をまとめた。

 

これまでの記事よりはエッジの効いた使い方を挙げてはいるが、今冬にカーナビを新調しようとしているカーファンはもちろん、2021年に向けて新しいワークスタイル、これまでにないオフの過ごし方を実現しようとしたい人にぜひ参考にいただければ幸いだ。

 

【今回紹介する商品】

カロッツェリア

サイバーナビ AVIC-CQ911-DC

ドコモの車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」に対応し、一定額(※1)を支払うことで4G(LTE網)回線を無制限で利用できるモデル(本モデルでは1年間無料利用権が付属)。本サービスは他デバイスへのテザリングも可能で、自分のスマートフォン、タブレット、PCなどと接続し、通信することも可能だ。10月に発表された最新モデルでは、人気の機能「レコーダーアクセス」の対応機種が拡充。ナビ連動型の2カメラドライブレコーダー「VREC-DS800DC」へも対応し、利便性や安全性も高めている。

※1:金額は1日プラン:500円、 1か月プラン:1500円、 1年プラン:1万2000円。すべて税抜

 

【使い方1/オンでもオフでも使える】

クルマを使って多拠点居住で全国を移動しながら仕事する

多拠点居住サブスクリプションサービス(※2)が、新しい働き方を求める人から注目を集めている。こうしたサービスは単身者やカップル、またはフリーランスやIT技術者のためのプラットフォームのような印象を持つかもしれないが、現在サービスが急速に拡大しており、週末だけの利用例も増えている。ファミリー世帯でも活用の選択肢が広がっているのだ。

※2:提携する物件に宿泊したり、一時利用したりしながら、生活できるプラットフォーム。代表的なサービスとして株式会社アドレスが運営する「ADDress」があり、同サービスは50以上の拠点を持ち、月額4万円から利用可能。

 

つまり、単身者で働く場所に捕われない人であれば、クルマで日本を旅しながら提携先に宿泊しつつ施設の共同スペースで仕事もする。ファミリー世帯は週末に旅行気分を味わいながらちょっとした仕事も可能なのだ。で、それとサイバーナビに何が関係があるのかというと、不慣れな土地を移動するから、シンプルにサイバーナビのナビゲーションがあるといいのだ。

 

サイバーナビは業界トップのナビ性能を誇る。細かい性能の一例は本パラグラフ下のギャラリーにまとめているが、例えばルート探索。サイバーナビには「スーパールート探索」というより高性能な探索機能を搭載しており、「少しだけ時間がかかるけど有料道路料金が安く済むルート」や「長い距離を走るのだけど結果的に早く着くルート」を提案。ドライバーの状況に合わせて選択できるようになっている。道路には詳しくないけど余計な出費は控えたいという人はもちろん、ドライブ好きでいつものルートとは違ったルートで新鮮さを味わいたい人にもうってつけだ。

↑スーパールート探索の例。東京都大田区付近から神奈川県の葉山に行く場合、通常であれば首都高の羽田か大師から乗るが、このときはだいぶ先の乗り口である生麦を選択(写真のモデルは過去の車種専用サイバーナビのモデル)

【以下サイバーナビのルート性能の紹介(画像をタップ/クリックすると拡大画面と詳細が見られます)】

 

さて、多拠点居住サービスは現在人気が急拡大しており、施設が予約できなかったというパターンも出てくるだろう。そんな場合は、車中泊を楽しむのもよい。で、車中泊時の困りごとといえば、通信問題。単身ならまだしも家族3〜4人で一晩、動画を見たり、日中に撮った写真や動画を送ったり、アップしたりすれば、一気に通信制限がかかってしまう。そんなときは、サイバーナビをWi-Fiスポット化して各人の端末をつなぐことで通信の問題も解決。車中泊で家族全員で映像サブスク作品をフルHDで観たり、YouTubeの面白映像でゲラゲラ笑ったりなどを気兼ねなくできる。

 

【使い方1+α/オンでもオフでも使える】

実家住まいの若年層は同世代を圧倒する経験ができる

【使い方1】の派生版として、大学生や社会人若手の人にぜひお伝えしたいのが、「多拠点居住サービス+クルマ+サイバーナビ生活」だ。いやいや、若い人はそんなお金ないでしょうと思うかもしれないが、多拠点居住関連のセミナーや動向を見ていると、実家住まいの大学生や社会人3年目以内の若い世代の利用が増えているという。

 

どういうロジックかというと、大学生や社会人が一人暮らしをすると、初期費用や生活家電の購入で最低でも40〜50万円以上、そのうえ毎月の家賃と光熱費で10万円以上はかかってしまう。だが、実家をベースに多拠点居住サービスを使うとずっと安く別拠点を持つことができる。しかも、新しい人脈を築けて、新しい体験ができる。オンライン授業、在宅勤務で危機感を持っている層が利用しているのだ。

 

そんな場面でサイバーナビがあれば充実度が非常に高まる。クルマを買ったり、サイバーナビを買ったりするハードルがあるじゃないか?という指摘もあると思うが、クルマは自宅にある週末にしか乗らないマイカーを使うケースが多いそうだ。そうなればサイバーナビの10数万円の出費は非現実的ではない。

 

そして、運転歴の浅い人こそ、サイバーナビの性能の恩恵は大きい。「この信号を左です」など、ピンポイントのガイドを的確に行ってくれるうえ、最新型のサイバーナビは解像度の高い地図で、画面の視認性も高い。また、若い世代はスマホでの検索がベースだと思うが、スマホ連携で目的地も入力できる。しかもかかる時間までを算出してくれるので、運転が不慣れな人で時間の見立てが立てられない人でもベテランドライバー並の知見を得られるのだ。

↑専用アプリ「MapFanAssist」で、スマホから目的地や経由地を入力してサイバーナビに送信可能

【以下サイバーナビのガイド性能の紹介(画像をタップ/クリックすると拡大画面と詳細が見られます)】

 

 

【使い方3/オンで使える】

「進化型ワーケーション」で規格化されていない働き方を実践する

ワーケーションとは、「ワーク」+「バケーション」を組み合わせたトレンドワードだ。筆者も先日、10日ほど福岡でワーケーション(&社会人インターン)をしてきた。日常の定常業務をガッツリやるというよりは、いつもとは違う環境で、いつもはできない中長期的なプランを練ったり、いつかはやらないといけないと思っていた作業をしたりするのに最適、という印象だ。

 

2021年以降は、ワーケーションが企業の福利厚生のメニューとして採用されるケースが出てくると予想されており、新しい働き方に新しい選択が生まれていきそうだ。だが、同時に懸念していることがある。それは、ワーケーションがフォーマット化し過ぎてしまうこと。

 

いつもと違う環境に身を置いて、新しい刺激に触れることで、結果的に日々の業務への活力となるのがワーケーションなのに、定型プランに従ってこなしていくだけのワーケーションになった場合、それって本当の意味で効果ある? という懸念だ。

 

で、それがサイバーナビと何の関係があるの? ということになるが、サイバーナビはNTTドコモの電波が入るなら場所を選ばず移動したり、働いたり、考えたりできる強みがある点だ。

↑「docomo in Car Connect」の表示画面

筆者も今夏、神奈川県の丹沢にあるキャンプ場でワーケーションをしたが、非常に効率が上がった。リゾート地のコワーキングスペースで、同じ様にワーケーションしている人との中で行う作業も適度な緊張感があって気持ち良いが、大自然の空気に包まれながら作業するのも非日常的で刺激に満ち溢れる。

 

サイバーナビの通信機能は、NTTドコモ回線ということもあって強い。上で挙げた丹沢のキャンプ場は余裕だったし、沖縄県・石垣島の端っこの絶景ポイントで使った(※3)ときも何の問題もなく使えた。なお、サイバーナビの場合、エンジンオンまたはアクセサリー電源オンの状態であれば、通信は常時利用可能。走行していなくても使える。

※3:このとき使ったのは、同社の車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」。サイバーナビと同じ「docomo in Car Connect」に対応する。ここでは通信回線の良好さを示すために入れた。

 

【その1】でも触れたが、移動中や夜中の過ごし方としてエンタメを楽しむ環境としても最適。自分自身だけでなく、同乗者や子どもたちにもメリットがあるのが、通信し放題サイバーナビなのである。

↑アクセサリーのプライベートモニターを別途購入すれば後席でも映像を楽しめる。なお、本機にはHDMI入力に対応するので、手持ちのスマホとHDMI接続することでスマホ画面を出力することも可能だ

 

【使い方4/オフで使える】

「CtoCのカーシェアサービス」で資産を有効活用する

個人間のカーシェアサービス(※4)が拡大している。愛車を貸し出して収入が得られるので、副業としても注目されているサービスだ。現在のところ、ニーズが高いのは車種やピックアップ場所だが、今後、サービスが普及して登録台数が増えてくると「選ばれるための付加価値」が必要になってくる。年式・車種が同じクルマで、似たような場所で借り出しできて同じ価格で提供していたら、カーナビやモニターなどの装備類が充実しているクルマと充実していないクルマをどちらを選ぶだろうか。当然前者のはずだ。

※4:その名の通り、クルマを貸したい人、借りたい人をマッチングさせて個人間のカーシェアを行うサービス。「Anyca」「CaFoRe」「dカーシェア」「GO2GO」などがある。

 

30〜40代のマイカー所有層で、クルマを使うのは週末で平日は休眠状態になっているんだよなという人は多いはず。なので、サイバーナビはぜひ欲しいのだけど、使用頻度を考えるとコスパがよくないんだよぁと考えている人も一定数いるはず。だが、こうした個人間カーシェアを活用しながら、サイバーナビの費用を回収していくという考え方も今後は一般的になっていく。

 

サイバーナビはパイオニアブランド、カロッツェリアブランドということもあり、音も高品質である。イコライザー機能などの調整機能はもちろん、マスターサウンドリバイブという機能では、CD音源や圧縮音源を分析して補完してハイレゾ相当の音質にまで高めてくれるのだ。

【以下サイバーナビのオーディオ機能の紹介(画像をタップ/クリックすると拡大画面と詳細が見られます)】

 

といった機能が充実するので、貸し出したユーザーの満足度も高くなり、リピート率も上がり、より効率的に副収入を得られるだろう。そもそも、自分自身もこうした高音質の恩恵を受けられるので、より質の高いエンタメ体験を味わえるはずだ。

 

【まとめ】人生の選択肢を広げてくれる

サイバーナビはカロッツェリアの最上位カーナビである。本論でも触れた「スーパールート探索」は、単にルートを引くのではなく、ユーザーの状況に合わせてルートを引いてくれる機能だが、それはルートガイドだけに限らない。

 

通信を使って新しいカーライフを送りたい、もしくは新しいワークスタイルを確立したいという人に人生の選択肢を与えてくれる。そんなカーナビだ。

 

2020年はクルマの価値が見直された1年であった。2021年は見直されたクルマの価値が多様化して、より熟成していく年になると筆者は考える。その中でサイバーナビは中心プレイヤーになるはずだ。

 

イラスト/TOMOYA 撮影/茂呂幸正