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2021/1/2 18:30

ランドローバーの「新しいディフェンダー」はいいのか? 微妙なのか? その価値を細部から分析

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、英国の伝統的ブランド「ランドローバー」が、1948年以来70年以上も販売してきた、ディフェンダーの新型をチェック!

 

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永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のクルマ】ランドローバー/ディフェンダー

SPEC【110 SE】●全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm●車両重量:2240kg●パワーユニット:2.0L直列4気筒+ターボ●最高出力:300PS(221kW)/5500rpm●最大トルク:400Nm/2000rpm●WLTCモード燃費:8.3km/L

529万円~1124万円

 

【ランドローバー「ディフェンダー」を写真で先見せ(画像をタップすると拡大画像が表示されます)】

 

安ド「殿! ディフェンダーと言えば、キング・オブ・オフローダーですね!」

永福「そうなのか?」

安ド「レンジローバーは砂漠のロールスロイスですけど、オフロードでの走破性なら、ディフェンダーがキングじゃないでしょうか!」

永福「真のキングはランドクルーザーではないか」

安ド「ランドクルーザーの愛称はランクルで、キング・オブ・オフローダーはディフェンダーです!」

永福「そうなのか」

安ド「そのディフェンダーが72年ぶりにフルモデルチェンジしました!」

永福「うむ」

安ド「先代もカッコ良かったですけど、新型も猛烈にカッコ良いですね!」

永福「それは違うだろう」

安ド「違いますか?」

永福「お前は、旧国鉄の旧型車両、たとえばキハ40形を見てカッコ良いと思うか」

安ド「キハ……何ですか?」

永福「あまりにも古臭いがゆえに情緒満点ではあるが、あれをカッコ良いというのは正確には違うはず。新型ディフェンダーは、そのあまりにも古臭くて情緒満点の旧型デザインモチーフを取り入れている。それは、シブいとかステキとかセンスが良いとは言えるが、カッコ良いというのはちょっと違う」

安ド「シブくてステキでカッコ良いです!」

永福「そうか。それにしてもデカいな」

安ド「デカいですか?」

永福「グレードによっては全幅2008mm。全長も5mを超えている。すさまじいデカさだ」

安ド「僕はふだんパジェロに乗っているので、デカさは気になりませんでした」

永福「確かに、走っているときはそれほど大きく感じない。ボディは真四角だし見切りもいい。しかし、駐車の時は大変だ。左右幅が駐車枠パンパンになってしまうし、デカすぎてコインパーキングに停められない」

安ド「停められませんか?」

永福「ほとんどのコインパーキングは、全幅1.9m、全長5mまでなのだ。一応、規約上は」

安ド「実際にはそれよりデカいのも停まってますよね?」

永福「まあな」

安ド「それより僕は、サイドステップがないのが気になりました。しかも前席のピラーに取っ手もない。乗り降りに苦労します」

永福「高齢者はまず乗り降り不可能だな」

安ド「殿は新型ディフェンダーに否定的なんですか?」

永福「いや、スバラシイ!」

安ド「具体的にはどこが」

永福「ソフトに威張りが効いて、ちょいレトロでステキなデザインで、乗り心地が良くて、走りも十分。しかもそのわりに値段が驚くほど安い!」

安ド「最後で一気に来ましたね!」

 

【注目ポイントその1/グラブバーハンドル】悪路での安心感を高める助手席前の“つかむところ”

ダッシュボードには、助手席の人がつかむことができるバー状のデザインが施されています。なぜかといえば、オフロード走行中に車体が揺れるから。絶対必要かどうかはともかく、つかんでいるだけで安心感が増してきます。

 

【注目ポイントその2/ラゲッジルーム】荷室は広くフラットで機能性は抜かりなし

オフロード走行やアウトドア愛好家御用達のモデルだけに、荷室はかなり広く、汚れが付きにくい表面素材が採用されています。さらに、後席は座面を跳ね上げて前方へ倒せる構造で、荷室のフラット化に貢献します。

 

【注目ポイントその3/ボンネット】お茶を濁すような謎の凸凹模様

旧型のデザインを受け継いでいる部分は散見されますが、凹凸ボンネットは流石に再現が難しかったようです。代わりに……なのかわかりませんが、このようなアウトドア感あふれる模様のカザリ板が付いていました。意味はないと思います。

 

【注目ポイントその4/ボルト】オフローダーっぽい内装の剥き出しデザイン

インテリアデザインは、あえてボルトを剥き出しにするなど、いい意味でゴツくて荒々しい雰囲気にまとめられていて、いかにもオフローダーらしいイメージ。もちろん、素材感や角が取れた感じなど、全体的にはモダンなんですけどね。

 

【注目ポイントその5/エアサスペンション】ボタン操作だけで高くも低くもできる

岩場や凹凸路などを走破するため、ボタン操作で自在に車高が変えられるエアサスペンションが搭載されています。なお、舗装路を走っているとびっくりするほど乗り心地が良くて、他のオフロードSUVより快適性が高いです。

 

【注目ポイントその6/3Dサラウンドカメラ】ありえないはずの角度から車体を見ることができる

車庫入れ中、センターディスプレイには3D映像が! 車体各部に取り付けらたカメラから得られた画像をその場で合成して、車両斜め上の角度からの映像を映し出してくれます。なお、車体下の映像を映し出すこともできます。

 

【注目ポイントその7/アルパインウィンドウ】後席の斜め上に設置された明かりとり

後席から天井を見上げると、ポッカリとお空を見られる小窓が設置されています。これは「アルパインウィンドウ」と呼ばれるディフェンダーならではの装備で、やはり旧型から受け継いだもの。車内が明るい雰囲気になりますね。

 

【注目ポイントその8/リアライト】後方に見られる素朴なライト

オフローダーの間ではカリスマ的な存在だった旧型ディフェンダーですが、日本ではあまりその姿が知られていません。リアライトがポコポコと置かれている感じは、旧型をモチーフとしたニューデザインです。旧型では愛らしい小さな丸型でしたが。

 

【注目ポイントその9/エンジン】気になるエンジンラインナップ

日本導入当初は、この2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンのみでしたが、2020年11月に3.0L直列6気筒ディーゼルエンジンが追加設定されました。この2.0Lガソリンでも十分走るのですが、カーマニアとしてはディーゼルが気になります!

 

【これぞ感動の細部だ!/リアの直角デザイン】唯一無二のデザインをオリジナルから受け継ぐ

見てくださいこの絶壁! まるでエベレストかベン・ネビス山かというくらいの直角デザインです。これも旧型から受け継いだデザインモチーフですが、現在流行中のクロスオーバーSUVではこのような形状は見られません。唯一、メルセデスのGクラスは平らに近いですが、それでも若干前方に傾いています。タイヤを背負っているモデルも少数派になりました。

 

撮影/我妻慶一