【理由その②】重心が低く、スポーティなハンドリング
ドライバーズシートに腰を下ろすと、着座位置の低さがちょっと新鮮。低く抑えられた重心位置の近くに座っている感覚が伝わってきて、走りの良さを予感させます。アイポイントも低いのですが、視界は非常に広く、窮屈さを感じさせません。
実際に走り出しても、すぐにこのクルマの素性の良さが伝わってきます。このモデルのために開発された新世代プラットフォームは剛性が高く、重心も低く設定されているので、カーブでも挙動変化が少なく、とても落ち着きのあるハンドリングです。重心位置の高いSUVとは異なり、地面にピタッと貼り付いているような挙動が気持ちいい。近年のSUVは低重心を売りにするモデルも増えてきましたが、それとは明らかに違う意のままに動くハンドリングが味わえます。
そもそもセダンは、重心高が低いだけでなく、ボディ剛性も高めやすい構造。箱を3つ組み合わせたような作りが、1ボックスや2ボックス構造より剛性が高いことは想像しやすいでしょう。フロントだけでなく、左右のリアタイヤの上を結ぶような形のボディ構造となっているので、いたずらに補強を入れなくても剛性が高められる素性の良さを持っているのです。
かつてのアコードには「ユーロR」というスポーティさを全面に押し出したグレードが設けられていたこともありましたが、このモデルのハンドリングはそうしたやんちゃな雰囲気とは別種のもの。ハイスピードでコーナーを抜けられる性能は持っていますが、急がされることなく余裕を持って走るのが似合う乗り味でした。