【理由その③】静かで乗り心地がいい
走り出してすぐに気づかされたのが車内の上質な静けさ。特にタイヤが路面から拾うはずのロードノイズが耳に入ってきません。セダンはエンジンルームやトランクルームとキャビンが遮断された構造となっているため、静粛性に優れています。タイヤハウスがキャビン内にないことも、ロードノイズを低減するのに有利。ミニバンやSUVなどに比べて、空力的にも優れたボディ形状なので風切り音も低減されます。
パワートレインがハイブリッドであることも、静かさに一役買っています。搭載されるのはホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV(イー エイチイーブイ)」。2モーターのシステムで、以前は「i-MMD」と呼ばれていたモノですね。基本的にモーターの力で走行し、エンジンは発電用に動くというシステムで、エンジンの効率が高い高速域だけエンジンを駆動にも用いるという先進的なシステムです。燃費はJC08モードで30km/L。
高速道路を使った長距離移動もしてみましたが、静かなうえに車体のロールが少なく、路面の継ぎ目などからのショックも体に伝わりづらいため、移動後の疲労もあまり感じずに済みました。渋滞追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールや、車線維持支援システムなど安全運転支援システムも充実しているのも、高速ドライブの快適さに一役買ってくれています。このクルマとなら、いつもより足を伸ばして遠出がしたくなりそう。
あらためてセダンに乗ってみて感じたのは、重心位置が低く、静かで剛性も高めやすいなど長らくクルマのスタンダードなカタチとして普及しているのには、それなりの理由があったのだということ。以前は“おじさんの乗るクルマ”というイメージもありましたが、流麗なスタイルは“大人のクルマ”という雰囲気。海外では、SUVの数が増えているため、人とは違ったスタイルを求める若い人にむしろ人気が高まっているという話も聞きます。数が少なくなってきた今だからこそ、あらためて乗りたいカテゴリーになっていると感じました。
SPEC【EX】●全長×全幅×全高:4900×1860×1450mm●車両重量:1560kg●パワーユニット:1993cc水冷直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:107kw[145PS]/6200rpm【モーター135kw[184PS]/5000〜6000rpm】●最大トルク:175N・m[17.8kgf・m]/3500 rpm【モーター315N・m[32.1kgf・m]/0〜2000rpm】●WLTCモード燃費:22.8km/L
撮影/松川 忍
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