SUV年間販売台数で4度トップに輝いたホンダ・ヴェゼルが初のフルモデルチェンジ。2代目もトップに輝く資質は有しているのか……? デザインや居住性、SUVで必須とされる使い勝手の良さなど、全方位でモータージャーナリストが徹底的にチェックした!
※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。
ホンダ
ヴェゼル
227万9200円〜329万8900円
ガソリンエンジンモデルと、発電用と走行用モーターを2基搭載するハイブリッドモデル「e:HEV」がラインナップ。先代と同等のコンパクトサイズながらホンダ独自のセンタータンクレイアウトの採用などで、居住性と使い勝手の良さが光る。
SPEC【e:HEV PLaY・2WD】●全長×全幅×全高:4330×1790×1590mm●車両重量:1400kg●パワーユニット:1496cc直列4気筒+2モーター●最高出力:106PS(78kW)/6000〜6400rpm●最大トルク:13.0kg-m(127Nm)/4500〜5000rpm●WLTCモード燃費:24.8km/L
【ヴェゼルのココがスゴイ!】
広さや使い勝手はそのままにデザインや安全装備も進化!
「取り回しのしやすいサイズ感や広々とした居住空間はそのままに、水平基調のスリークなデザインに生まれ変わりました。走行性能だけでなく、先進安全装備・コネクティッド機能も進化しています。実車を見ればその良さに納得していただけます!」(ホンダ広報PR)
私がチェックしました!
見た目も中身も成熟して車格も一気に向上した
大ヒットした初代の後を受けて登場した2代目を目の前にした第一印象は、「これがヴェゼル!?」と思うほど成熟していて、車格が一気に上がったように見えた。このクオリティの高さはハンパない。
インテリアの質感も驚くほど高く、装備がさらに充実している。吹き出しを工夫したエアコンのように目の付けどころがユニークな独自のアイテムも装備。このサイズのなかに考えられる機能や要素はすべて盛り込んだという印象だ。安全運転支援装備も、このクラスとして申し分ないほど充実している。
ハイブリッドがメインとなるが、発電用と走行用の2つのモーターを搭載し、モーター走行を中心にエンジンを含め状況に応じて最適に使い分けるというシステムはホンダ最新仕様。初代とは別モノだ。走りや燃費の良さでは定評があり、ヴェゼルにもそのシステムが搭載されたのは大歓迎だ。
過去4回もSUVの年間販売首位に立つほどの人気モデルだったヴェゼルが、再びその座に戻ってくる日は遠くないだろう。
【Point1】デザイン
評価 ★★★★★
どの角度から眺めても新鮮なこれまでのホンダ車にない造形
突出したノーズにグリルレスっぽいフロントもなかなかイケメンだし、クーペらしさを強めたサイドビューも絶妙だ。彫りの深い造形も独特。なかでも最上級の「PLaY」は細かな部分にもこだわりが表現されている。
【Point2】走り
評価(予想) ★★★★
リニアなレスポンスで低燃費な従来とは別物のe:HEVを搭載
基本的に同じハイブリッドシステムを搭載する同社のフィットから想像するに、レスポンスが良く力強いスムーズな走りで燃費も良いことが期待できる。おそらく乗り心地も、より快適志向になっているはずだ。
【Point3】居住性
評価 ★★★★
見た目と広さを巧みに両立運転環境の不満もなし
コンパクトSUVという限られたサイズのなかで、スタイリッシュなフォルムを実現しながら車内空間も不満のない広さが確保されていることに感心。ドライビングポジションも調節しやすく、視界が良好で見切りも良い。
【Point4】使いやすさ
評価 ★★★★★
持ち前のアドバンテージに加え電動テールゲートまで設定した
従来通りフロントシート下部に燃料タンクを配置するセンタータンクレイアウトを採用。車体後部のフロア高が低いおかげで高さのある荷物も積めるのがヴェゼルの強みだ。このクラスのSUVではまだ珍しい電動テールゲートの設定も重宝する。
【Point5】安全運転支援技術
評価 ★★★★
進化した「Honda SENSING」が安全な運転を支援してくれる
さらに進化した「Honda SENSING」を搭載。後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)などが追加され、より安心・安全な運転をサポートする。
【Point6】快適・便利装備
評価 ★★★★★
クラスの常識を塗り替える装備の充実ぶりに感心した
開口部を極限まで広げたパノラマルーフによる開放感は絶大。コネクティッド機能やUSB端子、タッチ式ルームランプなど時代に即した装備を搭載したり、そよ風アウトレットのような独自のアイデアにも要注目だ。
【講評】
ベストセラー返り咲きは確実! 見れば見るほど感心させられた
「もはや現時点でできることはほぼやり尽くした印象で、完成度の高さに本当に感心させられっぱなし。それでいて価格はあくまでヴェゼルの枠に収まっているのもうれしい。あとは実際に走ってみてどうなのか、楽しみですね!」(岡本さん)