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2021/5/23 6:00

人気SUV、ホンダ「ヴェゼル」がフルモデルチェンジ! プロが6項目で徹底チェック!!

SUV年間販売台数で4度トップに輝いたホンダ・ヴェゼルが初のフルモデルチェンジ。2代目もトップに輝く資質は有しているのか……? デザインや居住性、SUVで必須とされる使い勝手の良さなど、全方位でモータージャーナリストが徹底的にチェックした!

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ホンダ

ヴェゼル

227万9200円〜329万8900円

ガソリンエンジンモデルと、発電用と走行用モーターを2基搭載するハイブリッドモデル「e:HEV」がラインナップ。先代と同等のコンパクトサイズながらホンダ独自のセンタータンクレイアウトの採用などで、居住性と使い勝手の良さが光る。

SPEC【e:HEV PLaY・2WD】●全長×全幅×全高:4330×1790×1590mm●車両重量:1400kg●パワーユニット:1496cc直列4気筒+2モーター●最高出力:106PS(78kW)/6000〜6400rpm●最大トルク:13.0kg-m(127Nm)/4500〜5000rpm●WLTCモード燃費:24.8km/L

 

【ヴェゼルのココがスゴイ!】

広さや使い勝手はそのままにデザインや安全装備も進化!

「取り回しのしやすいサイズ感や広々とした居住空間はそのままに、水平基調のスリークなデザインに生まれ変わりました。走行性能だけでなく、先進安全装備・コネクティッド機能も進化しています。実車を見ればその良さに納得していただけます!」(ホンダ広報PR)

 

私がチェックしました!

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

1968年生まれ。コロナ後に家族で旅するためのSUVの購入を検討中。メカニズム関連にも詳しい。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

見た目も中身も成熟して車格も一気に向上した

大ヒットした初代の後を受けて登場した2代目を目の前にした第一印象は、「これがヴェゼル!?」と思うほど成熟していて、車格が一気に上がったように見えた。このクオリティの高さはハンパない。

 

インテリアの質感も驚くほど高く、装備がさらに充実している。吹き出しを工夫したエアコンのように目の付けどころがユニークな独自のアイテムも装備。このサイズのなかに考えられる機能や要素はすべて盛り込んだという印象だ。安全運転支援装備も、このクラスとして申し分ないほど充実している。

 

ハイブリッドがメインとなるが、発電用と走行用の2つのモーターを搭載し、モーター走行を中心にエンジンを含め状況に応じて最適に使い分けるというシステムはホンダ最新仕様。初代とは別モノだ。走りや燃費の良さでは定評があり、ヴェゼルにもそのシステムが搭載されたのは大歓迎だ。

 

過去4回もSUVの年間販売首位に立つほどの人気モデルだったヴェゼルが、再びその座に戻ってくる日は遠くないだろう。

 

【Point1】デザイン

評価 ★★★★★

どの角度から眺めても新鮮なこれまでのホンダ車にない造形

突出したノーズにグリルレスっぽいフロントもなかなかイケメンだし、クーペらしさを強めたサイドビューも絶妙だ。彫りの深い造形も独特。なかでも最上級の「PLaY」は細かな部分にもこだわりが表現されている。

 

↑先代よりもAピラーの角度を立て、直線的なボンネットのデザインとすることで力強さを演出。大径タイヤも功を奏している

 

↑大型フロントグリルを採用しているが、ボディと同色とすることで一体感を増している。「PLaY」グレードでは3色のアクセントも

 

【Point2】走り

評価(予想) ★★★★

リニアなレスポンスで低燃費な従来とは別物のe:HEVを搭載

基本的に同じハイブリッドシステムを搭載する同社のフィットから想像するに、レスポンスが良く力強いスムーズな走りで燃費も良いことが期待できる。おそらく乗り心地も、より快適志向になっているはずだ。

 

↑1.5L4気筒エンジンを搭載。エンジンでの走行とモーター走行を使い分けることにより、走行状況に応じた最適なパワー配分が可能

 

↑e:HEVは発電用と走行用2つのモーターを搭載。強い加速時はエンジンの力で発電したモーターを駆動し、パワフルに走行できる

 

【Point3】居住性

評価 ★★★★

見た目と広さを巧みに両立運転環境の不満もなし

コンパクトSUVという限られたサイズのなかで、スタイリッシュなフォルムを実現しながら車内空間も不満のない広さが確保されていることに感心。ドライビングポジションも調節しやすく、視界が良好で見切りも良い。

 

↑メーターには9インチのカラー液晶を採用し視認性は高い。各種スイッチも分かりやすい位置に配され、ラクに操作できる

 

↑車体下部に燃料タンクを配置する“センタータンクレイアウト”により、リアシートの足下は広々。リクライニングもできるのは◎

 

【Point4】使いやすさ

評価 ★★★★★

持ち前のアドバンテージに加え電動テールゲートまで設定した

従来通りフロントシート下部に燃料タンクを配置するセンタータンクレイアウトを採用。車体後部のフロア高が低いおかげで高さのある荷物も積めるのがヴェゼルの強みだ。このクラスのSUVではまだ珍しい電動テールゲートの設定も重宝する。

 

↑初代の低床設計による荷物の積みやすさは継承。リアシートは6:4の分割可倒式。倒した際も床面がフラットになり使いやすい

 

↑リアシートの座面を跳ね上げれば背の高いモノもラクに積載可能。これもセンタータンクレイアウトがもたらすメリットのひとつだ

 

【Point5】安全運転支援技術

評価 ★★★★

進化した「Honda SENSING」が安全な運転を支援してくれる

さらに進化した「Honda SENSING」を搭載。後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)などが追加され、より安心・安全な運転をサポートする。

 

↑歩行者事故低減ステアリングを搭載。歩行者側の車線を逸脱し歩行者と衝突の危険を察知すると、音とディスプレイ表示で警告する

 

↑高速道路での渋滞時に設定した車間距離を保持しながら、アクセルやブレーキを操作せずに走行可能。運転者の疲労が軽減される

 

【Point6】快適・便利装備

評価 ★★★★★

クラスの常識を塗り替える装備の充実ぶりに感心した

開口部を極限まで広げたパノラマルーフによる開放感は絶大。コネクティッド機能やUSB端子、タッチ式ルームランプなど時代に即した装備を搭載したり、そよ風アウトレットのような独自のアイデアにも要注目だ。

 

↑フロント左右に配置される“そよ風アウトレット”。直接当たる風とは異なるやさしい風を送り、外気の熱や寒さもカットしてくれる

 

↑「PLaY」グレードに設定される、頭上に開放感をもたらすパノラマルーフ。リアシート側はパネルを着脱する方式を採用している

 

【講評】

ベストセラー返り咲きは確実! 見れば見るほど感心させられた

「もはや現時点でできることはほぼやり尽くした印象で、完成度の高さに本当に感心させられっぱなし。それでいて価格はあくまでヴェゼルの枠に収まっているのもうれしい。あとは実際に走ってみてどうなのか、楽しみですね!」(岡本さん)