電動アシスト付き自転車はコロナ禍以降、“密”を避ける新しいライフスタイルの拡大もあって、さらに普及が進んでいます。なかでも人気が高いのが、径の小さいタイヤを装着した小径モデル。乗り降りしやすく、オシャレな雰囲気なのが支持される理由ですが、価格的にはちょっとお高めなものも……。そこで注目したいのが、ドン・キホーテのプライベートブランド“情熱価格”から登場した「EVA PLUS mini(エヴァ プラス ミニ)」です。
全部入りで6万円半ばの高コスパ!
電動アシスト付き折りたたみ自転車EVA PLUS miniの価格は6万5780円(税込)。10万円オーバーのモデルも多い中で、圧倒的なコストパフォーマンスの高さです。とはいえ、毎日乗るものですから“安かろう悪かろう”では困ります。どんなパーツが採用されているのか、どんな乗り味なのかを実際に乗り回して確認してみました。
まずはディテールから見ていきましょう。ホイールは前後とも20インチ。ミニベロとしては一般的なサイズです。前後にフェンダー(泥除け)も装備されていて、フロントには大きめのバスケット、リアには10kgまでの荷物を乗せられるキャリアも装着されています。ギアは6段変速で、普段使いはしやすそう。
アシスト用のモーターはフロントの車軸と一体となったハブモータータイプを採用。これは世界的に主流になっているタイプです。バッテリーはリチウムイオンで、容量は5.8Ah。決して大きめではありませんが、重さと価格のバランスを考慮したセレクトだといえます。アシスト可能な距離はエコモードで33km、標準モードで25km、パワーモードで20km。自宅から駅までの通勤や近所の買い物に使うのであれば十分な距離です。
車体サイズは全長1620×全幅560mm。車体は折りたたむことも可能で、コンパクトに収納することができます。フレームの真ん中から折りたたむタイプで、折りたたみ時のサイズは全長820×全幅500mmになります。
想像以上に快適な乗り心地
装着されているパーツを見る限り価格以上のクオリティを持っていると感じられるEVA PLUS miniですが、続いては実際の乗り心地を検証してみます。街中を中心に気になる坂道の登坂性能なども体感してみました。
まず、ペダルを漕ぎ出して感じたのは発進のスムーズさ。電動アシスト自転車の中には軽くペダルを踏み込んだだけで、グイッと車体が押し出されて慣れないとちょっと怖いモデルもありますが、EVA PLUS miniはスムーズな加速感。逆に押し出されるようなパワーを期待していると少し非力に感じるかもしれませんが、近年はこうしたスムーズな加速感のほうが乗りやすいとされ、多くのメーカーがこちらに舵を切っています。筆者は多くの電動アシスト付き自転車に試乗していますが、このスムーズさは結構レベルが高いと感じました。
坂道も登ってみましたが、グイグイ登って行くようなパワフルさではないものの、ペダルを回していれば脚に力を込めなくてもスイスイ登って行ける感覚。ただ、坂を登るときはパワーモードに入れておいたほうが良さそうです。
個人的に気に入ったのはブレーキの握り心地です。低価格の自転車に乗ると、ブレーキにコストダウンの跡を感じることが多いのですが、EVA PLUS miniは剛性感のあるブレーキレバーでしっかりと握り込むことができます。後輪には高性能なローラーブレーキを装備していて、雨の中を走っても音が鳴りにくいのだとか。重さのある車体(約24.5kg)なので、制動装置はしっかりしていてほしいところですが、その辺りに手を抜いていない点に好感が持てます。
実際に試乗してみて、感じたのは6万円台の車体としては想像以上によくできているということ。サドルの座り心地も良く、使い勝手につながる部分にはしっかりと手をかけている印象です。小径車だと、段差を乗り越えた際などにハンドルが振られるような挙動をするモデルもありますがEVA PLUS miniではそんなこともありませんでした。
折りたたんでも重量のある電動アシスト付き自転車なので、気軽に輪行して出かける感じではありませんが、収納時に省スペース化できるのもいいところ。ボディカラーはマットブラック、マットカーキ(写真)、マットネイビーと普段使いにはちょうどいい色の3色展開。適正身長は145cm〜となっているので、夫婦で共用することもできそうです。これから電動アシスト付き自転車デビューをしたいと思っている人には、最初の1台としてもおすすめできます。
撮影/松川 忍
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