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2022/9/1 16:15

防災の日をきっかけに「アウトランダーPHEV」で備える災害対策、6つの観点。

 

9月1日は防災の日。GetNavi webでも日ごろから防災に役立つグッズを紹介していますが、今回はもう少し広い視野に立った対策を提案。たとえばクルマ。移動手段として欠かせない存在であるのに加え、近年では被災した際の備えとしても注目されています。

 

特に、プラグインハイブリッド車(PHEV)は外部から充電できることに加えて、ガソリンエンジンで発電することもでき、被災時でも大容量の電力を確保することが可能。避難生活を変えてくれる可能性があります。本記事では、その最有力候補である三菱自動車の「アウトランダーPHEV」にフォーカス。同車の「防災力」を紐解いていきましょう。

 

【今回紹介する車両】

2021年度PHEV販売台数ナンバーワン&オンリーワンモデル

↑Pグレード(7人乗り)、Gグレード(5/7人乗り)、Mグレード(5人乗り)の4タイプを用意。写真はPグレード

三菱自動車

アウトランダーPHEV

2013年に登場したクロスオーバーSUV「アウトランダーPHEV」は、昨年12月にフルモデルチェンジ。2021年度の販売台数は6267台となり、PHEVの車名別販売台数で1位を獲得しています(※1)。また、「P」と「G」グレードは3列シート7人乗りが設定され、パッケージングでも国産PHEVでオンリーワンの仕様が特徴。

※1:2021年4月~2022年3月 一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ

 

同車は20kWh駆動用バッテリーを搭載。燃料満タンからのエンジン発電で合計約100kWhの電力を外部機器に 最大1500W(100V AC電源)まで給電できます。これがどれだけ大容量なのかというと、近年、大人気のポータブル電源のバッテリー容量が2kWh前後(AC出力1500Wの機種の場合)で、100kWh÷2kWhで50個分に相当。なお、ポータブル電源の売れ筋である500Whモデル(最大同時出力600〜800W前後)と比較した場合は、なんと約200個分に相当します。

 

また、スマホアプリ「MITSUBISHI CONNECT」と連携してエアコンの遠隔操作ができるなど、IoTデバイスとしての性格も持ち併せています。

 

【アウトランダーPHEVの公式サイトでは本記事では

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被災時の負担・ストレスを低減させる6つの能力

それでは、アウトランダーPHEVのバッテリーがどれだけ被災時の生活の支えになるか、6項目をチェックしていきましょう。

 

【その1】暑さ(寒さ)対策

まずは暑さ(寒さ)対策。被災したのが夏だった場合、停電時でも車内エアコンがエンジンをかけずに使える(※2)ので、身近な避難スペースになります。アウトランダーPHEVは3列シート7人乗りグレードが設定されるだけあり、人がゆったりと寝られるスペースを後席&荷室に確保。車内で過ごすことで昼夜の熱中症を防げます。

 

もちろん、バッテリーに貯めた電力で自宅の家電を動かすことも可能です。エアコンは最大約172時間(※3/消費電力目安は下部に記載)、扇風機は24時間回し続けても最大約160日以上動く計算です。エンジンをかけて発電せずとも給電できる仕組みなのも便利。さらに、アウトランダーPHEVの場合、そもそもバッテリー容量自体が大きいので給電できる時間が長い、という点もメリットになります。

 

また、冬の災害時にもエアコンで部屋を暖めて暖がとれることは大地震後の火災対策に有効ですし、余震の恐れがなければ石油ファンヒーターを動かせることもメリットです。さらに就寝時のスポット暖房として電気毛布を活用できるのも電気が使えればこそ。

 

特にファンヒーターやー電気毛布は暖房家電としては消費電力が少なく、灯油の備蓄があれば石油ファンヒーターなら24時間稼働し続けても最大約80日以上、電気毛布なら最大約120日ほど使え、寒さにこごえるリスクを減らせます。

※2:エンジン始動をしない暖房はヒートポンプ式エアコン装着車のみ
※3:【各家電の消費電力目安】●エアコン:580W(立ち上がり時に1400W前後の電力を消費するうえ、運転状態により消費電力が変動するためあくまで目安)●扇風機:25W●石油ファンヒーター:50〜200W(点火初期に400W前後の電力を使用するためあくまで目安)●電気毛布:35W

 

【その2】スマホの充電対策

スマホをメインにしたデバイスの充電を担保してくれるのもアウトランダーPHEVの頼もしいところ。平均的なスマホのバッテリー容量を約3000mAh(≒11.1Wh)、変換ロスを考慮して満充電に5000mAh(18.5Wh)必要だと考慮しても、単純に計算で最大約5400回以上の充電が可能です。

 

インパネには USB端子が搭載されているほか、フロアコンソール背面、ラゲッジルーム運転席側に電源コンセントを設置。ノートPCやタブレットのようなバッテリー容量が大きめなデバイスはAC式電源器を使って充電すると素早く充電ができます。上記イラストでは、スマホはインパネから給電、タブレットはフロアコンソール背面からAC式充電器で給電する使用方法を想定してみました。

 

被災時の情報収集や安否確認以外にも、夜間のライトとして使用したり、気分が沈まないようにBGMを流したりと、スマホは用途多彩なため充電を気にせず使えると安心感が違います。

 

なお、アウトランダーPHEVのバッテリーは、エンジン発電による充電時間は停車中チャージモードで約95分(満充電付近/非常時ということでアイドリングによる充電を想定)。夜間にエンジンをかけて稼働すると、不用心かつ近隣迷惑になることもあるので、夕方までに車両に貯めた電気で夜を過ごすのがいいでしょう。

 

【その3】最新情報収集対策

ラジオは災害時のライフラインのひとつ。スマホアプリでラジオを聞く場合はインターネットが通じていなければならず、長期停電などが生じ携帯基地局がダウンしているとラジオも聞けなくなります。アウトランダーPHEVにはAM/FMラジオと地上デジタルTVチューナーを標準装備しており、報道機関の情報を取得できます

 

夜間など自宅で過ごす際は充電式のラジオやランタンを室内で使い、日中など活動している時間帯は車両のラジオから情報を得るといった使い分けも可能です。

 

【その1】で紹介したように、自宅に電気を引き込めば停電時でも自宅でテレビが見られます(アンテナが故障していないことが前提)。二次災害や余震が危惧される際には、すぐに情報を確認できますし、テレビ自体が明かりの役割も果たしてくれます

 

広域の災害情報などはテレビで取得するのが分かりやすいですし、あるいは自宅のDVD・BDプレイヤーで映像コンテンツを楽しんだり、ゲーム機で遊んだりすることも可能になります。非常時でも平時と変わらないコンテンツに触れることで、心の安定を保つ心理的効果もあるとされています。災害時は周りで何が起こっているのか把握できず、孤独になりがち。情報が不安感を取り除いてくれるのです。

 

【コラムその1】自治体との災害時協力協定

三菱自動車では災害時にPHEVを貸し出す、災害時協力協定「DENDOコミュニティサポートプログラム」を全国200以上の自治体と締結。地域ディーラーが災害が起きたエリアにPHEVを貸し出す体制を整えています。災害時にPHEVを自治体へ貸与し活用した例もあり、人々の生活を支える存在になっています。

 

【三菱自動車では「災害にも強い三菱のPHEV」と題したサイトコンテンツを

公開しています。詳細はコチラ

 

【その4】食事・調理対策

被災時にアウトランダーPHEVが活躍するのは、「住」関連だけではありません。「食」でも力を発揮します。停電時でも電子レンジや炊飯器、電気ケトルといった消費電力の大きい調理家電が使えるのがメリット。電子レンジなら最大約67時間、炊飯器なら最大約70回、電気ケトルは最大約80時間使用可能になります(※4)。カセットコンロでお湯を沸かせば、レトルトやインスタント食品を食べることはできますが、アウトランダーPHEVがあればより安全に温かい食事をとれて、心を落ち着かせることができます。

 

「ホームベーカリー」を使うというのもひとつのアイデア。コロナ禍で大ヒットした家電で、自宅に持っているという人も多いと思います。災害時でも焼きたてのパンを食べられるのは、他の家電以上に喜びや安心感を与えてくれるでしょう。バターや牛乳なしで作れるレシピもあります。

 

また、自宅の冷蔵庫をそのまま稼働させ続けることも可能ですし、十分に冷やされた冷蔵庫は真夏であっても数時間程度停止しても冷気を保ちますので、電子レンジや炊飯器など消費電力の大きな家電を使う際は冷蔵庫を止めても大丈夫です。さらに人気上昇中のポータブル式の冷蔵庫なら、消費電力を気にせずに食材や飲み物を冷やしておくことができます。消費電力45Wのポータブル冷蔵庫なら使用可能時間は最大約2200時間(※4)となっています。

 

電気は災害による停電が発生しても、比較的復旧の早いインフラと見込まれています。しかし災害の規模が大きい場合や、局地的に復旧が遅れる場合は停電が長期化することも想定されるため、家庭における防災対策においては、最大で7日間程度の停電を見込んだ準備が必要となります。カセットコンロなどを準備するのもひとつの方法ですが、電気そのものを準備することができるならば、それが一番手軽かつ便利な対策となります。

 

アウトランダーPHEVは、AC1500W給電で平均的な家庭が1日で使う用電力(約10kWh)をまるごと最大約10日間賄うことができます(※5)。といっても災害が起こるタイミングによっては、発電するためのガソリンが足りないという状況に陥ることも……。家族の安全と健康を第一にしながら、どこに電力を使って生活するか、普段から頭のなかでシミュレーションしておくのがいいでしょう。

※4:【各家電の消費電力目安】●電子レンジ:1500W(30Lクラス)●炊飯器(5.5合炊飯時):1300W(1回の使用を1時間と想定)●電気ケトル:1250W ●ポータブル冷蔵庫:45W
※5:供給可能電力量は三菱自動車試算による

 

【その5】衛生&消毒対策

アウトランダーPHEVがあれば洗濯機も最大約500時間と十分に使うことができます(洗濯時/※6)。しかし、断水してしまうと家庭用洗濯機で洗濯するのは困難になります。こういった場合は、市販のポータブル洗濯機を用意しておけば少量の水でタオルやシャツが洗え、汗をかく夏場の衛生対策にもなります。

 

水を消費する家電でいうと、外付けの食洗機も優秀。少量の水で食器類をきれいにできるため、断水などで使用できる水が限られているケースで活躍します。(最大約130時間使用可能/※6)

 

また、地震で自宅内の食器や棚のモノが割れて散乱してしまった場合、掃除機で吸い込めば安全に生活できる状態に戻せますし、床の衛生状態もきれいに保てます。最近主流のコードレス式スティック掃除機の場合、30分程度でバッテリーが切れてしまうため、アウトランダーPHEVがあることで何度も使用することが可能です。

 

加えて、衛生面でいうと「消毒」も電気があると安心して行えます。消毒用の熱湯は電気ケトルで手軽に作れますし、乳児がいる家庭では電子レンジに哺乳瓶ケースと水を入れての熱湯消毒が可能。これは一般的ではないかもしれないですが、近年は深型のホットプレートが人気を博しており、電子レンジが故障した場合でもホットプレートで熱湯を作っての消毒も選択肢として考えられます。

※6:【各家電の消費電力目安】●洗濯機(ドラム式):200W(洗濯時)。なお、乾燥は1300W程度の電力を消費するため最大約71時間程度●ポータブル洗濯機:10W●食器洗い乾燥機:770Wh●ホットプレート:650W(小型・深底タイプ)●掃除機:1000W(強モード時)

 

【その6】自宅避難対策全般

最後は、バッテリーによる直接的な電気の恩恵ではないものの、災害時に想定されるケースをもとにアウトランダーPHEVの幅広い災害対策用途を紹介。

 

まず、大地震による津波や地震火災、台風や大雨による水害や土砂災害、火山の噴火など、自宅に留まると命に危険が生じる恐れのある場合は、迷わず「避難場所」へ逃げることが重要です。早期避難であれば自動車を使って移動しても構いません。一方、命を守った後に最寄りの「避難所」へ移動するかどうかは各家庭の判断にゆだねられます。

 

避難所はホテルや宿泊施設ではないため、基本的に環境はよくありません。物資は潤沢ではなく、夏の暑さと冬の寒さ、床の硬さ、集団生活による感染症リスクの増大や盗難を含むトラブルの発生、プライバシー確保の困難さなど、様々な問題を秘めています。

 

特に、家族に乳幼児や子ども、妊婦、高齢者、要介護者、障がい者、そしてペットなどがいる場合、避難所での共同生活は困難です。さらに近年の災害では、高齢者が避難生活により体調を崩し、最悪の場合は命を落とす「災害関連死」による被害も急増しています。避難所へ行かずに生活をできる準備があることは安心につながります。

 

そのため近年においては、車中泊などを実施したり、自宅が無事であり二次災害の恐れもない場合は、できるだけ自宅に留まる「在宅避難」という選択肢もあります。

 

アウトランダーPHEVなら、大人2人が横になる十分なスペースがあり、小さなお子さんであれば親子3人が同時に横になれます。また、自宅の照明への電源供給も容易なため、自宅が真っ暗で怖がってしまうこともありません。自分自身はもちろん、家族の精神的な不安を和らげてくれる選択肢を提供してくれます。

 

【コラムその2】「V2H」でさらにアウトランダーPHEVの力を引き出せる

アウトランダーPHEVはAC電源コンセントから最大1500Wを給電できますが、これ以上に大きな電力を家庭に一度に供給する方法も。それが「Vehicle to Home」を略した「V2H」。V2H機器を利用した場合は電力変換ロスが少なくなるため、最大で一般家庭12日分の電力を供給可能。より長期の災害対策を施すことができます。

*7:供給可能電力量は三菱自動車試算による(一般家庭での一日当たりの使用電力量を約10kWh / 日として算出、V2H機器等の変換効率は含みません)。住宅との接続にはV2H機器が必要です。V2H機器に接続している場合、エンジン始動による発電はできません。エンジンでの発電を行う場合は、V2H機器との接続を終了してください。V2H機器については、営業スタッフまたは各V2H機器取扱メーカーにおたずねください。

 

【まとめ】

ここまでは給電を中心とした利点に着目してきましたが、クルマとしての性能にも簡単に触れてまとめに入っていきます。

 

アウトランダーPHEVはツインモーター4WDに加えて、4輪の駆動力・制動力を最適に制御するS-AWC(Super All Wheel Control)を採用。走っては快適、路面状態の悪い場所でも安心して走行できるのが特徴です。

 

安心という意味では、先進支援機能も充実。衝突軽減ブレーキシステムや高速道路 同一車線運転支援機能マイパイロットなど、今の時代に必須のサポート機能を全グレードに標準装備しています。

 

ちなみにアウトランダーPHEVではなく、クロスオーバーSUV「エクリプス クロス」という選択肢もあります。スタイリッシュなクーペフォルムと機動力を融合させたクロスオーバーで、アウトランダーPHEV同様S-AWC やAC1500Wコンセントを装備し、V2Hにも対応。

 

ここまでで、アウトランダーPHEVの多岐にわたる活用術を通して、個々のグッズを揃える「点」の災害対策ではなく、体系的に災害に備える「面」の対策が施せることがお伝えできたかと思います。

 

防災の日をきっかけに、一度ライフラインが止まったときの生活を試してみてはいかがでしょうか。自宅の電気が使えなくなったら、生活にどのような支障が出るのか……。それを知っておくだけでも災害に対する心構えになります。そして、電気がないことで起きる支障の多くの部分はアウトランダーPHEVによって対策可能。大変心強い存在といえるでしょう。

 

【三菱自動車の公式サイトでは三菱のPHEVの歴史や詳細が

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まとめ/卯月 鮎、イラスト/tomoya、監修/高荷 智也(合同会社ソナエルワークス/備え・防災・BCP策定アドバイザー)