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2022/10/21 20:45

マツダ新型「CX-60」に試乗! 期待のラージアーキテクチャー第一弾の実力はいかに?

一般道では突き上げ感を感じるも、高速での安定性は抜群

試乗は御殿場を起点に東名高速と、乙女峠を抜けた箱根界隈の峠道で試してみました。まず試乗会場から東名高速へと進むと、8速ATが小気味よくステップアップして速度を上げていきます。このトランスミッションは、スタート用クラッチに湿式多板ユニットを組み合わせたトルコンレスという特徴的な構造を採用していますが、従来のATと比べても違和感はまったくありません。その上、低負荷領域をモーターでアシストしているため、発進時の動きはとても身軽で、とても2t近いボディを動かしているとは思えないほどです。

 

高速での走行は車重の重さも手伝ってか、どっしりとした安定感があります。ICからICまでの一区間でしかありませんでしたが、走り始めに感じたコツコツとした突き上げ感も速度が上がるにつれて収まっていき、ステアリングの直進性の良さとも相まって気持ちの良いクルージングを楽しむことができました。

 

ただ、乙女峠方面に進むと再び突き上げの大きさが気になるようになりました。一般道にありがちな路面の凹凸をそのまま伝え、時にそれが大きめに感じるときがあったのです。一方でコーナリングのトレース性は極めて高く、狙った方向へ確実にハンドリングしてくれます。車体のブレも最小限に抑えられているようで、安定したポジションで峠道を右から左へとハンドルを切ることができたのです。ブレーキのタッチも良好で、少しハイスピードでコーナーに入っても不安感はほとんどなく通過できました。

 

試乗したグレードの価格帯は500万円を超えており、一般的に言っても十分にプレミアムカーの領域にあると思います。クルマとしての造りこそ、それに見合うものを持っていました。高速での走りはともかく、一般道での突き上げ感はもう少しいなしてくれる気遣いが欲しかったようにも思います。とはいえ、パワーユニットが多岐にわたるCX-60では、組み合わせによってまた違った印象を与えてくれるかもしれません。

↑CX-60には「ドライバー異常時対応システム(DEA)」を採用。このSOSボタンを押すか、エアバッグの作動で自動対応できる

 

直6ディーゼル+FRを気軽に楽しみたいなら「XD」もオススメ

そこで別のグレードを選んだ場合を考えてみました。その結果、直6ディーゼルを搭載したもっとも身近なグレードが「XD」であることがわかりました。2WDの価格は323万9500円(税込)。アダプティブヘッドランプやパワーシートといったプレミアムな装備はないものの、18インチアルミホイールは装備されます。写真で見る限り、見た目にもそれほど見劣り感がないのもいいと思います。手軽に直6ディーゼル+FRの基本スペックを楽しむのに「XD」はピッタリのグレードかもしれません。

 

SPEC【XD-HYBRID Premium Modern】●全長×全幅×全高:4740×1890×1685㎜●車両重量:1940㎏●パワーユニット:3283㏄水冷直列6気筒DOHCターボエンジン●最高出力:エンジン254PS/3750rpm[モーター16.3PS/900rpm]●最大トルク:エンジン550Nm/1500〜2400rpm[モーター15.3PS/200rpm]●WLTCモード燃費:21.1㎞/L

 

 

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