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2022/8/6 11:30

軽自動車の領域を超えた走りと居心地の良さに脱帽!三菱「eKクロス EV」試乗レポート

電気自動車(BEV)が相次いで市場に登場するなか、より身近な存在となる軽BEVが日産と三菱によって共同開発されました。それが日産「サクラ」と三菱「eKクロス EV」です。サクラは日産の新モデルとして、eKクロス EVはそれまでのeKクロスの派生モデルとしての位置付けです。ここでは、そのeKクロス EVの試乗ポートをお届けします。

 

【今回紹介するクルマ】

三菱/eKクロス EV

※試乗車:P

価格:239万8000円〜293万2600円(税込)

↑三菱「eKクロス EV」の最上位グレード「P」。外観はガソリン車のeKクロスとほぼ同一だが、よく見るとフロントグリルがガソリン車と違って網目になっていない

 

新型軽EVは「eKクロス」の派生モデルとしてラインナップ

今回、試乗したのは最上位グレードの「P」です。その実車を前にして感じるのは、フロントグリルやエンブレムに多少の違いはあるものの、外観はガソリンエンジン車とほぼ同一であるということです。サクラがウインドウやアウターミラー以外をすべて新設計にしたのに対し、eKクロス EVはちょっと見ただけではEVとは気付かないほどです。

 

これについて三菱の開発担当者は、「これはSUVをメインにラインアップしている三菱らしいアイデンティティで臨んだ結果」と話します。アウトランダーやデリカなどで培った三菱らしいデザインが好まれている今、そのデザインをあえて主張することでファンの心をつかもうというわけです。その意味で、新たなEVとして位置付けたサクラとはそもそものコンセプトが基本的に違っています。

 

ところで、eKクロス EVとガソリン車はどう見分ければいいのでしょう。最も簡単なのは運転席側のリアフェンダーにある充電用ソケットの有無です。すれ違うときにこの切れ込みがあればeKクロス EV、なければガソリン車です。これなら簡単に見分けられますね。

↑運転席側リアフェンダーにある充電ソケット。上が普通充電用、下がチャデモ方式の急速充電用

 

そんなeKクロス EVですが、その人気は急速が高まっています。三菱自動車によれば、7月3日までになんと4559台を受注。三菱の販売店は全国に550店舗(21年3月現在)ありますが、なんと1店舗当たり8.3台もの受注を獲得しているのです。しかも千葉県内の某販売店を取材すると「受注の半数は他社ユーザー」と話しており、まさにeKクロス EVは三菱のシェア拡大に大きく貢献していると言って間違いないでしょう。

 

ekクロス EVは2つのグレードがラインアップされました。標準グレードが「G」で、価格は239万8000円。フル装備の上級グレードが「P」で、価格は293万2600円。なかでも注目なのが標準グレードの「G」で、補助金55万円を差し引いて考えれば、実質1848000円となります。補助金は登録(軽の場合は届け出)してからの支払いとなりますが、これによって軽自動車の枠内でEVが買えるようになったとも言えるわけです。

 

セカンドカーとして位置付け、バッテリー容量は20kWhに

では、この価格はどうやって実現したのでしょうか。そのポイントは搭載バッテリーの容量にあります。BEVの航続距離はバッテリーの容量で大きく左右されますが、このバッテリーは高価で、容量を増やせば自ずと車両価格は高くなってしまいます。そこでサクラとeKクロス EVのような新型軽EVでは、この容量を20kWhとしました。これはBEVで先駆けた日産「リーフ」標準仕様が40kWhですから、そのちょうど半分に相当します。

 

リーフはこの容量で322kmの航続距離を実現していますが、対する新型軽EVは180kmにとどまりました。単純に半分になっていないのは車体重量が軽いことが幸いしているのだと思います。とはいえ、エアコンを使って走行すれば実質120~30km程度となってしまうでしょう。はたしてこの航続距離で不足はないのでしょうか。

 

確かにファーストカーとして使うには、この航続距離ではどう見ても役不足であるのは確かです。しかもBEVは充電するのに時間を要します。ガソリン車のように数分で満タンにできるわけではないのです。

↑普通充電中のeKクロス EV

 

そこで、新型軽EVはいずれもファーストカーではなく、セカンドカーとして割り切った使い方を提案しています。バッテリー容量を20kWhとしたことで航続距離は短くなりましたが、三菱によれば、軽自動車やコンパクトカーユーザーの約8割は1日あたりの走行距離が50km以下とのことで、大半のユーザーは2日間以上充電せずに走行できる計算になります。

 

しかもバッテリーの容量が小さければ、それは満充電までの所要時間が短くて済むということもあります。たとえば、セカンドカーとして近所での買い物や送迎を50km程度こなし、夜間は自宅で充電するという使い方を想定すれば、むしろこの少ない容量がメリットをもたらすというわけ。通勤先に充電スポットが用意されていれば、出社している間に充電をしておくという手もあるでしょう。ただ、昨今の電力供給ひっ迫を考えると夜間での充電が望ましいのかもしれません。

 

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