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2023/1/2 19:30

実用的な最新EV! スポーティなBMW 「i4」とフレッシュなテスラ「モデルY」に試乗

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」で試乗したBMWの「i4」とテスラ「モデルY」は、実用的な一充電あたりの航続距離を確保する最新EV。しかしそのキャラクターは、両ブランドならではの持ち味が表れており対象的だ。i4はBMWらしいスポーツ性を、モデルYは新種のクルマらしい新しさを体感できる。

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【その1】EVでもBMWらしいスポーティさは健在!

【EV】

BMW

i4

SPEC【i4 eDrive40】●全長×全幅×全高:4785×1850×1455mm●車両重量:2080kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:83.9kWh●最高出力:340PS/8000rpm●最大トルク:43.8kg-m/0〜5000rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):604km

 

高性能版のMモデルでは血の気が引く速さも体感

BMWのEVラインナップでは、「iX3」に続いて伝統的なエンジンモデルのイメージを色濃く残しているのが「i4」。ベースは4シリーズ・グランクーペで、遠目から眺める限りでは外観の違いはほとんどない。一方、室内に目を転じるとメーター回りはi4独自のデザインとなっており、EVらしさを実感できる仕上がりだ。床下にバッテリーを搭載する構造ゆえ、乗り込むとガソリン仕様より若干フロアが高くなった印象もあるが、4ドアモデルとしての実用性は上々。前後席は十分な広さを確保しており、荷室容量もガソリン仕様と変わらない。

 

その走りは、静粛にしてスムーズというEVらしさを実感させつつ、BMWに期待されるスポーツ性も兼ね備えている。電気駆動モデルらしいダイレクトなレスポンスは、モーターがリアのみとなるeドライブ40でも満足できるもの。フロントにもモーターが追加されるM50では、血の気が引くような衝撃的な速さも堪能できる。

 

[Point 1]メーター回りは専用デザインに

インパネ回りは、メーターとセンターディスプレイを一体化させたi4独自のデザインを採用して新しさを演出。前後席は、4ドアモデルとして実用的な広さが確保されている。

 

[Point 2]外観はあくまでさりげなく

遠目から見ると、外観は4シリーズ・グランクーペと見分けがつかない仕立て。スポーティな佇まいは、伝統的なBMWらしさが実感できる。写真はeDrive40のMスポーツ。

 

[Point 3]荷室容量はグランクーペと同等

後席を使用する通常時の荷室容量は470Lと4ドアモデルとしての実用性は十分。この数値は4シリーズ・グランクーペと同じだ。

 

[Point 4]M50ではフロントにもモーターを搭載

Eドライブ40のフロント(写真)は補器類のみとなる。最高出力が500PSを超えるM50では、この下にもモーターが収められている。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

i4 eDrive40:電気モーター/2WD/750万円

i4 eDrive40 Mスポーツ:電気モーター/2WD/791万円

i4 M50:電気モーター×2/4WD/1081万円

 

 

【その2】圧倒的に新しく、走りは楽しい!

【EV】

テスラ

モデルY

SPEC【RWD】●全長×全幅×全高:4751×1921×1624mm●車両重量:1930kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:非公表●最高出力:299PS●最大トルク:35.7kg-m●一充電最大航続距離(WLTCモード):507km

 

EV本来の実力に加えガジェット的な魅力も最強

高性能ゆえに高額なイメージがあったテスラだが、「モデル3」はグッと身近になって大ブレーク。日本でも目にする機会が多くなった。さらにファンを増やしそうなのが「モデルY」だ。モデル3と基本構造を共有しながら、人気のミッドサイズSUVとなれば、引く手数多になるのも当然だろう。

 

リア駆動のスタンダードは643万8000円で、一充電走行距離が507km。4WDは833万3000円で、その走行距離は595km。後者は0〜100km/h加速が3.7秒とスーパースポーツ並みの速さを誇る。

 

試乗したのはスタンダードだったが、それでも0〜100km/hは6.9秒でちょっとしたスポーツカー並みに速く、アクセルを踏み込めばモーター特有の太いトルクでグイグイと、しかも静かにスムーズに走っていく。乗り心地は少しだけ硬めなものの、その代わりに俊敏かつ安定性の高い超ハイレベルなシャーシとなっているので、SUVの背の高さを感じさせない。ハンドリングが楽しいのも、実はモデルYならではの魅力なのだ。

 

スマホ的なユーザーインターフェイスは、ユニークかつストレスフリーで一度使い始めるともう普通のクルマに戻れなくなりそう。ガジェットとしての魅力は、他の追随を許さないほど進んでいる。

 

[Point 1]モデル3同様シンプルで新しい

インパネ回りはモデル3と同様にシンプル。基本的な操作は、タブレットのようなセンター部分のディスプレイですべて行える。独創的なインターフェイスはテスラならではだ。

 

[Point 2]SUVでもシンプル&スポーティ

外観は兄貴分のモデルXをコンパクトにしたような仕立て。ただしリアドアの開き方は標準的な横開きになる。ミドル級SUVという位置付けだが、丸みを帯びた造形はシンプルにしてスポーティだ。

 

[Point 3]ユーティリティはハイレベル

荷室容量は5名乗車時でもトップレベルの広さを実現。モデル3と同じく収納スペースはフロントにも備わり、前後トータルでの容量は実に2100Lと、使い勝手にも優れる。

 

[Point 4]前後空間もSUVらしく広々

前後シートはたっぷりとしたサイズで、座り心地は上々。リアシートにはリクライニング機能も備わっている。内装のカラーは2タイプがラインナップされる。

 

[Point 5]スマホでの遠隔操作も可能

最新のEVらしく、専用アプリを活用すればスマホから各種機能(遠隔操作での車両の前進&後退も可能)をコントロールできるのはテスラならでは。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

RWD:電気モーター/2WD/643万8000円

パフォーマンス:電気モーター×2/4WD/833万3000円

 

文/石井昌道、小野泰治 撮影/篠原晃一、郡 大二郎