パイオニアは1月19日、ベルサール秋葉原(東京都千代田区)において「2023春 カロッツェリア新製品発表会」を開催。4年ぶりのモデルチェンジとなった『楽ナビ』と、楽ナビと組み合わせ可能なドライブレコーダーやバックカメラなど、アクセサリー類を発表しました。新しい楽ナビは何が変わったのでしょうか。
ドライブ時間を楽しく便利にする「docomo in Car Connect」
一番のポイントは、車載向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」を活用してネットワークへの接続が可能となったことです。
楽ナビはかつて別売の通信モジュールによるネットワーク接続を実現していました。しかし、2019年モデルでこれをWi-Fiテザリングでのみの対応に変更。これには個人的にも残念な思いが強かったのですが、今回のモデルチェンジではサイバーナビと同様、ネットワークスティック同梱モデルもラインアップし、再び自由にネットワーク接続できるようにしました。これはうれしい!
新しい楽ナビは「車内Wi-Fiスポット」機能を搭載。NTTドコモとNTTコミュニケーションズが連携して提供する車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」に対応し、同梱もしくは別売のネットワークスティックを接続すれば、エリアを問わず安定したNTTドコモのLTE通信を定額で制限なく利用できます。車室内がWi-Fiスポットになり、通信量を気にせずスマートフォンやタブレットなどでオンラインの動画や音楽、ゲームなどを楽しめます。
また、新しい楽ナビとスマートフォンやストリーミングメディアプレイヤーをHDMI接続することで、映像コンテンツをカーナビ本体や後席モニターなどの大画面に表示してオンライン動画を楽しむことができます(一部機種除く)。最近は動画視聴だけでなく、音楽ソースをYouTubeなどストリーミングで楽しむドライバーも増えており、その意味で新しい楽ナビはエンタメ力が一段と高まったといえるでしょう。
ネットワーク接続はナビ機能でもメリットをもたらします。目的地検索をクラウドから最新情報を使って行えるほか、カロッツェリアならではの「スマートループ渋滞情報」や「ガススタ価格情報」「駐車場満空情報」にも対応可能となるのです。地図更新にも対応しており、ネットワークスティック同梱モデルが最大3年、レスモデルは最大1年無料となっています。
なお、通信については有料となりますが、使い方に応じて1日:550円、30日:1650円、365日:1万3200円から選べるのはサイバーナビと同様。ただ、サイバーナビには最初の1年無料期間がありましたが、残念ながらそれはなし。また、利用制限がないサイバーナビに対して、楽ナビでは同梱モデルでも走行中のみの利用を基本としています。
そのため、停止中はエンジンを起動させて走行するまでの30分、走行後は60分までに利用が制限されます。もし、車中泊などでの使用を目的にするならサイバーナビの方が使いやすいでしょうね。
オンライン化で目的地が簡単に探し出せる!
使い勝手の良さにこだわるのは楽ナビの伝統でもあります。新しい楽ナビでは、「カンタンインターフェース“Doメニュー”」の採用で使い勝手をさらに向上させました。これは本体中央のスタートボタンを押すことで表示されるもので、そこには再生中のAVソースのほかに「お出かけ検索(オンライン)」、「ダイレクト周辺検索」、「ショートカットキー」が表示されます。
まず「お出かけ検索」とは、いわば目的地の検索機能のこと。“検索窓”に思いついたキーワードを入力することで、簡単に行きたい場所の候補がリストアップされます。一般的にナビでの目的地検索は名称検索、住所検索、電話番号検索等々、メニューから入ってカテゴリー別に探していくのが一般的でした。新しい楽ナビでは、例えば「地名」と「名所」で観光スポット検索、「地域」と「食べ物」でお店検索ができます。また一文字入力するごとに変換候補を表示でき、よりスピーディーな文字入力が可能となり、目的地検索をスマホ並みに使いやすくしているのです。ただし、音声認識での入力には対応していません。これは次モデルの対応を期待したいですね。
そして「ダイレクト周辺検索」では、ドライブ中に立ち寄ることが多い駐車場やガソリンスタンド、コンビニをダイレクトに探せます。ネット接続時はガソリンスタンドの最新価格情報が表示されるのもうれしいですね。また「ショートカットキー」では、よく使う機能を最大4つまで設定しておくことができます。たとえば自宅検索やよく聴く音楽ソースを設定しておくと便利でしょう。
2DINで9型大画面を実現するフローティングモデルが登場
新しい楽ナビは、ハード面での進化にも注目です。新たに9型フローティングモデル(AVIC-RF920-DC/-RF720)が追加され、取り付けスペースが2DINしかなくても9型大画面が楽しめるようになるのです。しかもディスプレイ部は装着時に上下と左右に3段階ずつ位置をずらせるので、車両のスイッチ類との干渉を避けられるのもうれしいポイント。
また、画面のフルフラット化も見逃せないポイントです。取り付けた状態の美しさが際立つだけでなく、全モデルをHDパネルとしたことや視野角が広いIPSの採用とも相まって、車内のどこからでも美しく映像が楽しめるようになっているのです。しかも、操作パネルにはブラインドタッチも可能となる凹凸が用意されたことで、夜間でも簡単に操作できるようになりました。
ナビ機能そのものに進化にも注目です。特筆すべきは分岐する交差点のポイントがさらにわかりやすくなったことです。それは、曲がる交差点までの信号の数をカウントダウンで案内してくれる「信号機カウント交差点案内」です。
目的地までのルートを探索後に表示される「6ルート探索結果画面」では、1つの画面上でルート情報に加えて時間・走行距離・高速料金も表示されるようになりました。今まで以上にルート比較がしやすくなったのです。発表会場で操作した限りでは応答性も格段に向上しているようで、その意味でも使い勝手が向上したとみて間違いありません。
オプションのドライブレコーダー「VREC-DS810DC」にも注目です。2カメラタイプで前後同時録画が可能。連動タイプならではのナビ画面上で再生や操作にも対応し、映像はもちろんHD画質です。加えてリバースギアと連動して後方を映し出せ、画面上にはガイドラインの表示も可能としたことでバックカメラとしても利用できます。
「WebLink」に対応したディスプレイオーディオ登場
今回の発表では、ディスプレイオーディオの新作『DMH-SF500』も発表しました。従来のディスプレイオーディオ「DMH-SF700」と「DMH-SZ700」の中間に位置する機種で、フローティングタイプ9V型ディスプレイオーディオとしています。ミラーリングによってスマホの映像を大画面で楽しめるだけでなく、新たに「WebLink」に対応したことでミラーリングで表示した画面上からでも操作できるようになりました。セカンドモデルながら、最新機種らしい新機能の搭載に注目です。
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