乗り物
2016/12/31 17:00

パイオニアが来年スタートさせる「スーパールート探索」とは何が革命的なのか――効率案内の時代へ

今年もう年の瀬。クルマで帰省先や旅行へと出かけている人も多いことだろう。そんな時に心配なのが目的地までのルートや交通情報だ。

「え、カーナビがあるから心配ないって?」

確かにそうだ。2013年に総務省が調査したところでは、カーナビの普及率は乗用車全体の7割にも達し、3年経ったいまではもう少し上がっている可能性もある。もはやカーナビは標準化されてきたと言っても過言ではないのだ。

 

そんななか、カーナビを取り巻く環境は大きく変化してきている。以前はカーナビを使うのにはシステムを購入するしかなかったが、最近ではスマートフォン向けに提供されているカーナビ用アプリをインストールすれば誰でもカーナビ機能が利用できるようになった。しかもユーザー登録さえすれば、無料でルートガイドが交通情報付きで得られるようもなっている。カーナビがより手軽に使えるようになったわけで、ユーザーとして喜ばしいことであることは確かだ。

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↑スマホアプリナビ「Yahoo!カーナビ」の画面

 

トータル性能ではまだまだカーナビが優勢

その一方で、今年も各社から新型カーナビが数多く登場している。販売実績も好調のようで、それはスマートフォンによるカーナビに飽き足らないユーザーは多いということの証でもある。その理由はいくつかあると思われるが、スマートフォンは画面が小さいために視認性が低く、カーナビとしては使い勝手がよろしくない。自車位置の測位にしてもGPSだけに頼るため、ビルの谷間や山間では正しい位置が表示できなくなることもしばしばだ。

 

その点、車載ナビは画面サイズが大きく、現在地も車両側から情報とジャイロセンサーを組み合わせて正しい位置を示す。道路の高低差なども認識できるため、高架道と並行する道のどちらにいるかも正確に表示できる。これはスマートフォンでは絶対に不可能なことでもある。

 

また、車載カーナビは多彩なメディア再生能力を備えているのも大きい。DVDやCDを再生できるドライブを備え、iPodをはじめとするデジタルオーディオプレーヤーとの組み合わせにも対応できる。さらに鉄壁のコンテンツともいえる地デジ受信が安定してできるのも大きなポイントだ。

 

つまり、カーナビとしての信頼性やトータルでも楽しさを踏まえれば、スマートフォンが車載カーナビに敵わないのは明らかなのだ。そして、これら車載カーナビの最上位に位置するカーナビを送り続けているのがカロッツェリアである。

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↑カロッツェリアの最上位シリーズ・サイバーナビ

 

カロッツェリアのカーナビが支持されるワケ

カロッツェリアはこれまで、カーナビとしての高い信頼性を徹底して追求してきたという実績がある。特に測位能力では高く評価されているところで、交差点の分岐直前で案内されるガイドは一般的な「間もなく右(左)方向です」ではなく、「右(左)です」と案内するそれは精度に対する自信の表れでもある。そのため、ドライバーは安心して指示通りにハンドルを切ることができるというわけだ。

 

その高精度はどこから生まれているのか。その一端を示すのがカロッツェリアのカーナビが早い段階で取り入れている“外すアルゴリズム”だ。通常、カーナビは地図上の道路に自車位置をマッチされるが、道路脇のコンビニやファミレスに入った時もそれが保持され続けていると、それはやがて誤差へと積み重なっていく。そこで道路から外れたことをいち早く認識できるアルゴリズムが重要となってくるのだ。

 

ルートガイドを行うには交通情報の適切な展開も重要だ。いくらオンラインでVICSなどの交通情報を取り込んでいても、それを適切に処理できなければ意味がない。ましてや、VICSは対象道路が日本の道路総延長距離(128万km)全体の5%にしか過ぎず、これだけでは幹線道路の以外の情報はほぼないに等しい。カロッツェリアはここでも独自性を発揮する。

 

同社は自社ナビを対象に「スマートループ」と呼ばれる独自のテレマティクスを展開中で、その中には会員同士が走行した情報を提供し合って交通情報として利用する「スマートループ渋滞情報」がある。これを使うと最高でVICSの約10倍もの70万kmもの道路を対象に交通情報が提供される。つまり、幹線から外れた迂回路でも適切な交通情報に基づいてガイドすることが可能になるのだ。

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↑スマートループの最新機能のひとつ、スマートループ アイ。フロントウィンドウ上部に取り付けたカメラが前方の様子を撮影し、サイバーナビ搭載車同士で画像を共有する。これから通る道の様子がわかる仕組みだ

 

しかもルートガイドで使われるアルゴリズムがすごい。常により早く目的地に到着できるルートを探すだけでなく、右左折による時間予測や混雑時の踏切通過を避けるなど、よりきめ細かにルートを選ぶ。だからルートガイドを受けていても走りやすい。よく「カーナビに詳しい人はカロッツェリアのサイバーナビを選ぶ」と言われるが、それはこうした優れたアルゴリズムを高く評価しているに他ならない。

 

さらにカロッツェリアは2017年1月、新型サイバーナビ向けにルート探索をクラウド上で行う「スーパールート探索」をリリース予定だ。ここには特に注目したい。

 

「スーパールート探索」とはこれまでと何が違うのか?

これまでのルート探索はカーナビ本体内で処理されるのが一般的だったが、カーナビには処理能力に限界があり、たとえば東京-大阪間の交通情報をもらっても探索ルートに全てを反映できるわけではなかった。それが「スーパールート探索」では、それをサーバーにあるコンピュータで処理し、ルート上に発生するすべての交通情報を考慮してルートガイドに反映させる。

 

しかも、そこに「効率」をいう考え方を導入している点が画期的だ。これは「到着までの時間」と「かかる有料道路料金」を考慮してルートを引くというもので、さほど到着時刻に差が出ないのであれば、一般道を多めに走るなど、よりお得な道順を立ててくれるのだ。これまでは最寄りの高速入口を探すルートをひいているケースが通常だったが、「数分〜数十分の差しかないなら、高速道路で数百円〜1000円前後を払うのがもったいない!」という痒いところに手が届くガイドが可能になる。

 

イメージを挙げよう。大宮方面からお台場を目指す場合、従来であれば首都高埼玉大宮線の最寄りの入口で乗り、首都高5号池袋線を使うというルートが一般的であった。しかしこのエリア、首都高埼玉大宮線と平行して片側3車線の一般道の新大宮バイパスが走る。時間帯によっては新大宮バイパスで戸田南などまで走ったほうがややお得になる。

 

上記のように「一般道を多めに」というケースもあるが、スーパルート探索では「高速道路を多めに」という考え方もできる。例えば、目的地最寄りの高速出口付近が混んでいる場合、1つ先のインターチェンジまで通り越すルートを探してくれる。確かに、距離は走ることになるが、結果的に早く到着できるのだ。従来もこうしたルートを引く可能性はあったが、スーパルート探索では非常に精度を高めた形で提供してくれる。

 

もちろん、これにはETC料金を正確に割り出すことが条件になるが、その点もサイバーナビは抜かりない。圏央道や外環道などを代表例として高速道路や都市高速は時間帯によって、割引料金が複雑に変化するが、それにもしっかり対応しており、ドライバーのシチュエーションに応じて選ぶことができる。

 

つまり、膨大なデータを処理できる「量」と、より実用に即したルートガイドを行える「質」を常に考慮できるのが「スーパールート探索」というわけだ。このサービスの提供により、サイバーナビは近距離でも遠距離でもその効果を実感できるカーナビと発展できるというわけだ。

 

ドライブならではの音楽ストリーミングサービスも強化

そして、ドライブ中には楽しさも重要だ。新型サイバーナビではミュージッククルーズチャンネル(MCC)で音楽ストリーミングサービスが楽しめる。これはレコチョクが提供する約200万曲もの膨大な楽曲を配信するサービス上にあるもので、サイバーナビは全楽曲の曲調を解析。そこから聴きたい曲調の楽曲を素早く探し出す。特に注目すべきは、こちらも近々にアップデートを予定している「ライブレコメンド」だ。これは目的地や季節、走行中の場所などに応じて楽曲を提案する機能で、ドライブシーンに合わせて最適な音楽を再生してくれる。

 

音楽ストリーミングサービスは数多くあれど、基本的には自ら曲を選んだり、用意されたプレイリストを楽しんだり、といった使い方が大半。「ライブレコメンド」もチャンネルと呼ばれるプレイリストを選ぶという点では同じだが、それが一定時間ごとにリアルタイムに、変わっていくのが画期的だ。新しい音楽への出会いを提供し、車内エンタメをより充実させ、カーライフの質を高めるーーカーナビの地平を切り開いてきたカロッツェリアらしい提案だといえる。

 

カーナビに重要なのは、「このカーナビに任せておけば確実に目的地まで案内してくれる」という安心感だ。カロッツェリアが提供する新型サイバーナビはその安心感をドライバーに与えるため、これまで培ってきたルートガイドのアルゴリズムを全て投入して案内ルートに徹底してこだわった。MCCを介して流れる音楽はより快適なドライブへと導いてくれることだろう。新型サイバーナビは、真の意味で「頼りになるカーナビ」として新たな楽しみをドライブに提供してくれるのだ。