世界的に有名なカフェチェーンといえば、すぐ浮かぶのはスターバックスですよね。世界中に店舗があり、筆者が住むコロンビアでも徐々に浸透しつつあります。
コロンビアのようなコーヒー大国に出店するからには、何らかの独自性があるはず。一体どんな違いがあるのか? 実際に行って、コロンビアと日本のスターバックスを比較してみました。
コロンビアにスタバができなかった3つの理由
まず、日本国内にスターバックスが何店舗あるかご存知でしょうか? 実はなんと日本国内には1000店舗以上。東京や大阪などの都市圏の中心部だと100メートルに1店舗あるほど。1995年に日本での初店舗を出店しています。
元々、スターバックスは1971年、米国のシアトルで開業しました。現在では、北米、ヨーロッパ、東南アジア、南米など90か国以上2万店舗以上のグローバル規模で展開するカフェチェーンです。
スターバックスはここ数年、南米コロンビアでも店舗を展開中。2014年に首都のボゴタに初店舗を出店。現在、第2の都市メデジン(筆者在住)にも4店舗存在します。
しかし、なぜスターバックスはコロンビアへの進出を最近までしていなかったのでしょうか?
その理由は大きく3つ。(1)スターバックスのカフェを購買できる購買力ある多くの顧客を見込めなかったから。(2)コロンビアの国内カフェチェーンの「Juan Valdez(フアンバルデス)」が強力であるから。(3)地元コーヒー農家からの反発が予想されたから。
しかし、近年のコロンビアの順調な経済成長に伴い、購買力ある顧客が出現したことからスターバックスはコロンビアへの進出に踏み切りました。
コロンビアのコーヒー豆使用をアピールしてコーヒー農家への配慮もし、コロンビア国内でスターバックスは徐々支持を獲得しつつあるようです。
コロンビアのスターバックスはやや富裕層狙い!?
日本のスターバックスは、リッチな体験ができますよね。実際、ちょっとだけ高級な感じで、店内はゆったりできるようになっています。価格設定も決して安くなく、ブランドイメージもやや高め路線です。
これは、コロンビアのスターバックスも同様です。リッチなブランドイメージを築く路線を踏襲している様子。より庶民的な路線で様々な立地に店舗を出店している競合カフェチェーン「Juan Valdez」と比べて、異なる点が確認できます。
実際、スターバックスはより高級感のある店の外観、高級な建物内に出店しており、来店している顧客にも裕福なコロンビア人が多く見受けられます。
コロンビアにローカライズしたメニューが満載
たとえば、レギュラーコーヒー(トールサイズ)の価格4100ペソ(約170円)。日本の価格感でいくとさほど高くないですよね。しかし、ランチを7000ペソほどで食べられるコロンビアにおいて1杯4100ペソのコーヒーは決して安くありません! また、チョコが入ったチョコレートパン「pan de chocolate(パンデチョコレート)」が4500ペソ(約180円)で販売されていました。
これも、コロンビア現地ではかなり高い価格設定です。日本より物価が安いため、コーヒー1杯の高級感がかなり違うように感じられました。
ただ、コロンビア独特のサイドメニューが豊富! たとえば、コロンビア人に人気の小麦粉を捏ねた生地でチーズを巻いて油で揚げたスナック「Palito de Queso(パリートデケソ)」がショーケースにありました。
ほかにも、サンドウィッチなどのガッツリ食べられるサイドメニューが充実していました。なかには、スターバックスで昼食を済ませているコロンビア人も……。この点も、日本と違いますね。
また、日本ではフラペチーノは夏に人気の飲み物ですよね。気候が年中ほとんど変わらないコロンビアだと、年中フラペチーノが大人気。ここも大きな相違点でしょう。
ちなみに筆者のShinyaという名前が店員になかなか通じなかったので、スペイン語のペンネームJorgeと言うと、コーヒーカップにJorgeと書いて手渡してくれました。
コロンビアのスタバに行ってみてわかったこと
今回、現地にローカライズしたサイドメニューを取り揃えているところは興味深かったです。しかし、依然としてコロンビアにおけるスターバックスは平均的なコロンビア人が来店するようなカフェではありません。
あくまで、スターバックスはコロンビアでも高級感のあるブランドイメージは変えない。だから、裕福なコロンビア人顧客を獲得していっている……。そんな印象を受けました。
とはいえ今後、コロンビアの継続的な経済成長に伴い店舗数も増えるはず。そうなれば、スターバックスは今よりもっと一般的になっていくことでしょう。