日本にいると、日本人であることに恩恵を感じる機会はほぼありません。しかし海外に行ってみると、日本の良いところや改善すべきところなどが次々と見えてきます。実際、筆者はこれまで欧州・中東を中心に数十か国と旅をしてきましたが、その中で「日本人でよかった」と思うことは度々ありました。
それは、いったいどんな場面だったのか。これらを知ることで、日本に生まれたありがたさを改めて実感することができるはず! 以下から、海外に住んでわかった日本人の魅力を5つお伝えしていきたいと思います。
【その1】どこの国に行っても話題が豊富
海外で現地の人から尋ねられる典型的な質問といえば、「Where are you from?(どこから来たの?)」でしょう。そこで「Japan」と答えると、たいてい相手の顔が明るくなります。日本を地図で指し示すことができない外国人は意外と多いのですが、そんな彼らが日本と聞いて連想するものはさまざま。
東京、ポケモン、トヨタ、マツダ、空手、葛西紀明と、出てくるワードは人それぞれですが、知っている限りの日本の都市や日系メーカー、「こんにちは」「さようなら」などの挨拶をしてくれることもよくあります。そこから外国人との会話が弾んだり、「僕はトヨタの車を持っていて、東芝のテレビが家にあるんだ」なんて言われれば、日本人としてはうれしい限り。
ちなみに筆者が住むポーランドでは空手や柔道が人気であるため、「イチ、ニ、サン、シ……」といきなり数字を数えだす人が多いです。
【その2】日本食が恋しくなっても安心
海外では現地の料理をできる限り楽しみたいですが、やはり口に合わなかったり飽きてしまうこともあります。
そこで目に入るのが、海外ではいたるところにあるSUSHIという文字。「日本人が握る寿司じゃないから……」と期待せずに入ってみたものの、思わぬ完成度に驚いたことは数知れません。
また、たいていのお店では SUSHIという看板を掲げていても麺類や定食があったりと、もはや和食の代名詞が SUSHIになっています。海外での食事に飽きても、和食を食べてホッとすることができるのは日本人ならではのメリットでしょう。
【その3】日本のパスポートを持っているだけで得
2017年度パスポート自由度ランキングによると、日本人がビザなしで訪れることができる国は200か国・地域中、172か国。数だけではピンと来ないかもしれませんが、東北アジア地域のランキングでは1位であり、世界5位となっています。ビザの取得が必要な場合でも、日本国籍であればビザ取得費用が無料、あるいは格安であることも多いです。
筆者の夫はポーランド人ですが、ポーランド人がアメリカへ入国するためにはまず米大使館へ行き、そこでインタビューを受ける必要があります。おまけにビザ申請料は160ドル。もちろん、ビザが取得できるという保証はありません。
【その4】宗教に対して柔軟な考え方や見方ができる
日本は仏教徒が多いといえど、なにかの宗教をあつく信仰している人はどちらかというと少数派。日本ではそもそも宗教の話がタブーとされる傾向にありますが、実際のところ無神論者や特に宗教を意識することなく生活している人が非常に多いです。
そんな日本人が外国へ行くと、他宗教への固定概念や偏見があまりないため教会やモスク、寺院などをためらいなく見学することができます。
宗教的な感情を挟まず宗教建築物を眺めていると、「どうやったらここまでのものが作りだせるのか」と新たな興味が沸き、それが様々な宗教に理解を示そうとするきっかけにもなるでしょう。
一方、キリスト教徒が観光でモスクへ行ったとしても、イスラム教を知ろうとはまず思いませんし、その逆も然りです。
【その5】外国人が抱く日本人の印象はポジティブ
どの国でも、日本人といえば真面目で勤勉といった共通のイメージがあります。また日本人というだけで信頼されることも多く、空港の入国審査でスムーズに通してもらった経験を持つ人も結構いるのではないでしょうか。
信頼というのは長年積み上げてきてやっと得るものですが、日本人というだけですぐに信頼してもらえるのは日本人ならではの嬉しいメリット。
これは海外に住んでいると分かることですが、「日本人ならいいよ」と言ってもらえる場面は案外あります。例えば、日本国籍であるだけで提出書類が少なくなったり、ビザが免除されたり、居住期間が短くてもローンをすぐに組むことができる場合もあるのです。
これら5つの主な理由を知ると、日本人は海外へもっと行くべきだと思いませんか?
日本に住んでいると日本のいやなところも目に付きやすいですが、海外に出ると祖国に感謝する場面もあるでしょう。それだけでなく、海外から見た日本を客観的に眺める良い機会になるかもしれません。