ストレスが溜まっていても日々のスケジュールに追われ、自分の気持ちのケアは後回しにしてしまっているという方は多いのではないでしょうか。そんな人にオススメなのが手帳型ノート&スマホアプリの「Five Minute Journal」です。
朝、ほんの数分間メモを取ることで、ポジティブな気持ちに焦点を当てて1日を過ごすことができ、1日の終わりにもう一度数分間メモを取ることにより、ポジティブな出来事に気持ちを向け、その気持ちを味わい、忘れがちな小さな幸せにも感謝することができます。
その名の通り、1日に5分もあれば書くことができるので、いままで日記が続いたことがない人でも「これなら続けられる」と思える日記なのです。
何冊も自己啓発の本を読み、理論を理解したつもりになっても、実際にその理論を実践する事に苦労する人は多いのではないでしょうか。理論を実践に結びつけるためのツールとして、UJ RamdasとAlex Ikonnによって開発されたのがこのジャーナルです。
2013年に最初に発売されたのは手で書き込むタイプのノートバージョンだったのですが、その後、2016年に携帯アプリバージョンが開発されました。携帯電話さえ手元にあればいつでも書き込むことができ、手軽に写真を加えることもできるアプリバージョンを筆者は利用しています。
1日の始まりにアプリを立ち上げると、毎日、日替わりでポジティブな引用文や「知らない人に微笑みかけてみよう」「自分にご褒美をあげよう。キャラメルラテ?ココア?」などといった「Daily Challange」がスクリーンに表示されます。これを見ると「さぁ、今日も頑張ろう!」という気持ちになります。
そして、3つの項目を記入します(下記)。
1 – What are you grateful for?(あなたがありがたいと感じていることは?)
2 – What will I do to make today great? (今日を素晴らしい日にするためにできることは?)
3 – Daily Affirmation. I am… (どんな自分になりたいか?)
そして夜、寝る前に今日を振り返ります。1日の終わりに記入する項目は以下の通り。
1 – 3 Amazing things that happened today… (今日起こった素晴らしい出来事を3つ。)
2 – How could I have made today even better? (今日をより素晴らしい日にするためにするべきだったことは?)
1日5分で書ける手軽さに加え、このジャーナルの特別な所はポジティブなことに気持ちが向くようにデザインしてあること。朝晩わずか数分ずつ、このジャーナルを利用して自分の気持ちと向き合うことで、確かに自分の気持ちの前向きな変化を感じられます。
1日の始まりの、最初の項目に私がよく記入するのは「家族」「健康」「友達」といった身近にある当たり前のようなこと。身近にあるからこそ、つい感謝の気持ちを忘れがちですが、そんな当たり前の日常がどれだけ「自分にとって価値のあることなのか」を自分自身に思い出させる効果があります。
そして、1日の終わりに記入する項目を見て「さて、どんないいことがあったけ?」と、本当に些細な事でもその日一日のポジティブな事を探して思いをめぐらせます。
また、悪いことばかりが起こったと思える日でも「今日起こった嫌だったこと」を書く項目がありません。そのため、「滑って転んで腰を痛めた」の代わりに「滑って転んだけれど、骨折などの大事に至らずに済んだ」と、ネガティブなこともポジティブなことに書き換えなくてはならず、実際にそう書いているうちに「あぁ、よかった」と本当に思えるようになるから不思議。最後に、「今日をより素晴らしい日にするためにするべきだったこと」を考え、今後の自分の意識の改善へとつなげます。
このジャーナルの発案者が、これは「心の歯ブラシ」であるとインタビューで述べていますが、まさにその通り。毎日、自分の一番近いところにある幸せや大切なものは、心を掃除してクリアにしていないと見えなくなってしまうものなのです。
「Five Minute Journal」を記入するほんの数分、自分のポジティブな気持ちを探すことにより、ハッピーなことが自分の身の回りにいかに多く溢れているかに気付き、そして自分を不機嫌にする事柄がいかに些細なことであるというように感じられるようになります。知らず知らずのうちに自分の意識がトレーニングされているのですね。