ハワイでは年々不動産価格が高騰しており、新しいコンドミニアムが建設されている一方で、地元の一般市民が購入できるような価格帯の住宅が不足傾向にあります。そんなハワイの住宅問題を解決する改善策のひとつとして進められているのが、一軒家の庭先などにミニサイズの家を建て賃貸住宅として人に貸し出すことができる取り組みです。
高騰するハワイの不動産価格
オアフ島のホノルル中心部のカカアコと呼ばれるエリアでは大規模再開発が進んでおり、40階建て近くの高層新築コンドミニアムが次々と建設されています。しかしそれらの住宅は、どれも超高級で、最低でも1億円近くの値がつくものばかり。
不動産投資を行う人たちの間で、「ハワイの不動産は価格が落ちない」なんて言われているのは、実際にその通り。ホノルルの不動産中間価格を年ごとに見てみると、リーマンショック後の2009年ごろには一旦下がったものの、2010年からは急激なペースで上昇し続けているんです。この傾向は売買だけに限らず、賃貸においても同じ。ホノルルにおける賃貸料も少しずつ上がってきているのです。
さらに、ハワイへ移住してくる人が増えていることも背景にあります。2010年以降から、増加する人口に対して供給できる不動産数が十分ではなく、住宅不足の問題がますます加速してきているのです。
そんな住居不足を解消する対策のひとつとして期待されているのが、ホノルル市が近年始めた「ADU(Accessory Dwellling Unit」という制度。これは、簡単に言うと、一軒家の庭先のスペースを利用して、小規模の住宅を建てたり増築したりして、賃貸用として貸し出しても良いというシステムです。