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2018/6/4 10:00

ベビーブームのドイツで待機児童問題が深刻化! 「企業内ミニ保育所」は救済主となるか?

企業と保護者双方にメリットあり!

Siraは保育者を直接雇用し、保育所自体の運営も行います。8人から10人の子どもに対して保育者の数は2~3人。ターゲスフレーゲでは保育する子どもの数が最大5人までと法律で制限されていますが、数人が共同で保育する場合は、それに応じて子どもの人数を増やすことも可能。それでも保育者1人に対して子どもの数が少ないので信頼関係を作りやすく、親の満足度も高いのです。実際にターゲスフレーゲに預けていた筆者の友人も、「小さいうちはキーパーソンを持つことが大切。教育者の質も大切だけれど、それ以上に家族の一員として受け入れてもらい、我が子と同じように愛情をかけてもらえたので満足している」と話しています。

 

妊娠中からKitaに申し込んでも入所できるかどうかわからないと言われるなか、企業内に保育所があると安心して出産、仕事に復帰できます。送迎時間も少なくて済み、子どもが病気になった場合などもすぐに駆けつけられるため、安心して仕事ができるなど、両親にとって多くのメリットがあります。

 

企業にとってもメリットがあります。スタートアップの社長・ジーカチェック氏は、「ドイツでKitaを開設するには各州が定めた細かい条件をクリアしなければならず、平均で1.5年かかりますが、Mini Kitaは6~9か月くらい 」と話します。制約が緩やかなターゲスフレーゲの形態を取るため開設までの時間を短縮できるのです。

 

企業内保育所は、育児への理解がある企業としてイメージアップにつながりますし、このサービスを使うことで煩雑な作業を省略できるのも魅力。若くて優秀な従業員離れ防止にもなるのですが、はたして企業内ミニ保育所はドイツ待機児童問題の救済主となるのでしょうか? 今後の展開に注目です。

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