2018 年3月、ハワイにユニクロが初出店することが発表。これに先駆けて、6月1日にポップアップストアがオープンしました。しかし、ユニクロはハワイに出店するという点で後発企業かもしれません。今回は、同アパレルメーカーを含めてハワイ進出を果たしている日本の大手小売企業の一部をご紹介します。
[アパレル] ユニクロ
フランス、イギリス、ドイツ、スペイン、中国、韓国、台湾など、世界各国にすでに多くの店を展開しているユニクロ。北米にも複数の店舗を構えており、アメリカやカナダ、日本など世界中から人々が集まるハワイに店をオープンさせることは、当然の流れと言えるかもしれません。
アメリカ製のファストファッションブランドのものに比べると、低価格でクオリティの高いアイテムが揃うため、「ハワイにユニクロが欲しい」と切望していたハワイ在住の日本人も多かったはず。ユニクロのハワイ初店舗は2018年秋のオープン予定ですが、6月にポップアップストアが先に誕生したところです。
[グルメ] 丸亀製麺など
セルフ方式の讃岐うどん専門店「丸亀製麺」は、海外1号店としてハワイ店を2011年にオープン。ランチなら1食10~15ドルほどが当たり前のワイキキで、かけうどん(並)1杯3.75ドルという破格を維持。レストランでの外食ならばチップも支払わなければならないのですが、完全セルフサービス式の丸亀製麺ならチップも不要なので、かなりお得感を感じられます。格安でしかも美味しいと評判で、いまでも店の前には行列が絶えません。丸亀製麺はハワイ店の盛況をきっかけに、アジア各地などに多くの海外店舗を展開しています。
カレーの専門チェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」も、ハワイ店を皮切りに海外展開に成功した事例。そのほか、焼肉レストランの「牛角」、持ち帰りの寿司専門店「小僧寿し」なども、ハワイで展開されています。
[小売] ドン・キホーテ
“激安の殿堂”のキャッチコピーで知られる「ドン・キホーテ」は、ハワイにある3店舗のほか、カリフォルニア、シンガポールなどに展開中。おなじみの「ドン、ドン、ドン ドンキ~♪」という曲が店内に流れ、日本の食料品だけでなく生活用品、生鮮食品まで幅広く扱い、地元でも「安いスーパーマーケット」のひとつとして親しまれています。
ドン・キホーテは、ハワイやカリフォルニアで展開するスーパーマーケットを買収し、事業をどんどん拡大しています。
これらの日本企業は、経営幹部は日本人が担っているものの、一般社員については現地採用を行っている場合が一般的で、地元ハワイの雇用や経済にも貢献しているといえます。ただし、外務省が発表している「海外在留邦人数調査統計」(平成29年要約版)を見てみると、日系企業の数が多いのはアジアの都市で、ハワイの日系企業数については決して多いわけではありませんでした(ホノルルの2016年における日系企業数が205に対して上海は22197、タイは1713)。物価が高いハワイでは、新規店舗開店にかかる建築費用などのコスト面がネックになっていることが一因として考えられます。それでも、年々観光客数が増えているハワイは、一部の日系企業にとって十分に魅力的な市場かもしれません。