オーストラリアのビクトリア州にあるフィリップ島。メルボルンから、東へ車で2時間ほど行ったところにあり、本土とは大橋でつながっています。この島はコビトペンギンの生息地として知られると同時にモーターサイクルファンにとっては見逃せないグランプリ会場にもなっています。10月に開催が決まっている2018年のグランプリ。フィリップ島の魅力と併せて、グランプリの詳細をお伝えします。
コビトペンギンの生息地
フィリップ島はコビトペンギンの生育地として、観光スポットの一つになっています。コビトペンギンは昼間餌を探して海に出かけるのですが、日が暮れると海から上がり海岸の砂丘に作られた巣に戻ります。群れをなして、よちよち歩く姿――「ペンギンパレード」――を見るために、たくさんの観光客がやって来るのです。
コビトペンギンが見られるのは日没後。冬場は寒いながらも日暮れが早いので、待ち時間も短いですが、夏は夜の10時近くにならないと日が暮れません。そのため、ペンギンも海から上がってこないので、見学の際は時間調整が必要。見学には一般席以外に、地下にあるコビトペンギンと同じ目線で見学できるガラス張りの特別エリアもあります。席のタイプにより、料金は$26.20~$67.50となっています。
モーターサイクルファンの聖地
そんなフィリップ島のもう一つの魅力、それは島内に作られたモーターサイクルのサーキットで行われるレースです。ここでは国内外の大会やイベントが開かれるので、フィリップ島サーキットはモーターサイクルファンの聖地とも言われています。
1956年にオープンしたフィリップ島サーキットはバス海峡に面したエリアに位置しており、美しい海を背景に繰り広げられるレースは、フィリップ島ならではのエキサイティングなイベントになっています。
モーターサイクルファンにとって見逃せないのが、毎年開かれるモーターサイクルのグランプリ。今年の開催日程は10/26~28日となっており、すでにチケット販売も始まっていてます(オンラインで購入可能)。チケットには1日券と3日券の2種類があり、価格は$60~$1695。日数と見学席タイプにより価格が異なります。
この大会ではバイクのサイズによって異なる3種類のレースが展開されます。そのなかでも、グランプリは1000cc4ストロークのマシンで競うメインのレースで、出場ライダーは24人。スペインから9人、イタリアから5人、その他イギリスやドイツなどから参加します。日本からは中上貴晶がホンダに乗って出場予定。
レースでは、まず練習が4回行われてから予選、そしてさらにウォームアップ後、本レースになります。グランプリの賞金は残念ながら公表されていません。ただ、グランプリより下位レベルのレース「Moto2」の賞金をみると3000ユーロ(約38万円)になっているので、グランプリの賞金はこれを超える額になっていることは確かでしょう。
その他の見どころ
コアラ保護センター
コアラ保護センターはフィリップ島の中央付近にあります。センター内には「ボードウォーク(木と木を結ぶ高架歩行帯)」が設置されているので、コアラの生息を高みから観察することができます。
エコボートツアー
エコボートツアーはボートに乗って、フィリップ島に生息する野生のアザラシを見る90分のツアーです。
チャーチヒル島ヘリテッジファーム
チャーチヒル島はフィリップ島と陸続きの島ですが、ここには歴史の長い農場があり、羊の毛刈り見学や馬車など、オーストラリアの農場体験を楽しむことができます。
このように、たくさんの見どころがあるフィリップ島。モーターサイクルファンのみならず、動物好きの人や家族連れなど、だれにでも楽しめるこの島は、一度は行ってみる価値があると思います。旅行計画のなかに、このフィリップ島も入れてみるのはいかがでしょうか。